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未経験で人事になりたいあなたへ 021/100 三友 志織さん

未経験で人事になりたい方向けに、人事コンサルタントの多田が100人の人事にインタビューをする企画「未経験で人事になりたいあなたへ」

三友さんは、友人の紹介で、今回のインタビューにご協力いただけることになりました!

今の職場から人事にキャリアチェンジをされたとのことだったのですが、「人事」という仕事に対して深く考えていらっしゃったことが強く印象に残りました。

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経歴

ー 最初のキャリアから伺ってもいいですか?

大学を卒業してから約2年弱の期間、総合系の人材エージェントでキャリアアドバイザーをしていました。中でも、企画職、マーケティング職、コンサルティング職を専任の領域としていました。
そこから今年2021年の1月に現職に移って、人事になりました。

ー 人事に転職しようと思った理由を教えてもらってもいいですか?

「人事になろう!」というよりかは、組織が掲げているミッション・ビジョンに共感したことが前提でした。まだまだ社会人としてのキャリアが浅いということは理解しつつも、人材・人事の領域でキャリアを深めていきたいという思いはありました。組織にも共感していて、自分の興味関心にあった領域のポジションだったのでチャレンジしてみようと考えました。

ー その団体に出会ったきっかけはなんだったんですか?

私たちの団体は、貧困世帯の子どもたちへの学習支援や居場所支援をメインに行っていて、基本的にはそれを大学生のボランティアが運営しています。私自身大学2年生の冬に、そのボランティア募集の説明会に参加したのが最初の接点です。社会人になってからも、一緒にボランティアを行っていた同期や職員の方々とは定期的に会っていました。

現在の仕事内容

メンバーの数はトータルで40名くらいで、上司のサポートを受けながら基本的に人事的な役割は私が1人で担当しています。
採用では、エージェントさんとのやりとり、面接、次回選考官への伝達、内定出し、採用ブランディングなどをやっています。
労務周りでは勤怠管理・給与計算や職員の方々のケアを、研修周りでは毎月一回の全職員に向けたワークショップ、全社横断型の研修の企画・運営を担当しています。人事制度の運用にも関わっていて、人事制度の変更に基づく運用・改善などもしています。

経験してきた人事の仕事

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採用に関しては、前職でも携わっていた分野になります。

人事の仕事のポジティブな面

・メンバーの働く基盤を作ることができる
人事の仕事の中でも領域にもよりますが、1人の人が組織の中で働く上での前提となる基盤を作ることができる仕事だと思っています。自分がしっかり運用して仕事を回すことで、メンバーそれぞれが向かうべき仕事に集中できる環境を作ることができます。メンバーを一人の労働者として守ることができて、その上でそれぞれがやりたいことに挑戦している姿を見ると嬉しい気持ちになります。

・人生の選択肢の一つになることができる
採用の面でいうと、こちらからのスカウトや採用活動をきっかけとして、私たちのことを元々は全く知らなかった方々と接点を持つことができます。その方々がキャリアを歩んでいく上での選択肢の1つになることができるということは、ポジティブなことだと思います。世の中には色々な働き方があってそもそも働かないという選択肢もある中で、一緒に働くことを決断してくれる場面に立ち会うことができることは嬉しいですし、たとえ採用に繋がらなかったとしても、たくさん情報が溢れている社会の中で興味を持ってくれて説明会に参加してくれたり、コンタクトを取ってくれること自体を嬉しく思います。

・メンバー1人1人の声を組織に反映させることができる
その組織がどうあるべきかというのは、目の前の1人1人のメンバーの声から方向づけられていくと思っています。休み時間のちょっとした雑談に始まり、定期面談、研修などの様々な場面で色んなメンバーの声を耳にする機会があって、そこで聞いた意見を組織作りや制度に反映させることができることに人事の仕事のやりがいを感じます。

人事の仕事のネガティブな面

・地味な仕事が多い
よくイメージされる採用の説明会などは人事の仕事のほんの一部で、意外と地味な仕事が多いです。「今やっている仕事が組織の何に繋がっているのか」「組織をどうしたいからこの仕事をやっているのか」というのを振り返って意味づけするなど頭を整理する時間を設けないと、仕事をしている時間をしんどく感じてしまうかもしれません。

・組織全体に影響力がある
ポジティブな面で触れたものの裏返しになりますが、人事の仕事はちゃんと運用されていて当たり前で、こちらがミスをするとメンバーに負担がかかってしまいます。例えば、勤怠管理の方法の伝達や研修の設計など、自分が少し手を抜いたり至らない部分があると組織全体に影響が出ます。私は人事の仕事は組織の基盤だと思っていて、その基盤が抜けるとそこの補填にメンバーの力が使われてしまい、本来やるべきことに力を注げなくなってしまいます。

・良くも悪くもいろんな情報が入ってくる
組織規模によるかもしれませんが、来年度再来年度の組織体制の予定や各メンバーの状況・給与など、絶対に外に漏らすことができない情報が人事に集約されます。メンバー同士の会話に混ざる際にも、誰がどこまでの情報を知っているのかを考えながら話す場面があったりします。後ろめたさやどこか嘘をついている感覚に陥る方もいるかもしれません。

人事プロフェッショナルに必要な要素

・中立性
場面場面をいい意味で批判的に捉えられる中立性は必要だと思います。各メンバーが知っている情報量に合わせて快適なコミュニケーションを意識したり、メンバーからあがってくる声の中でも取捨選択をして優先順位をつけながら組織や施策に反映するシーンがあります。そういった意味では、メンバー1人1人に耳を傾けながらも、中立的に物事を判断して、ドライに意思決定をできるバランスは求められます。

・相手を輝かせる発想
組織の基盤を作ることが人事の役割の1つだという価値観からかもしれませんが、自分が主役だと考えるのではなく、組織に関わる人をどのように輝かせるかを発想する思考でいるといいと思います。例えば、採用の説明会でも主役はあくまでも参加してくれている候補者様ですし、面接でも選考を受けて良かったと思ってもらえるような場づくりが大切だと思っています。組織内外問わず、会社の看板を背負いながらも、一貫して相手を輝かせることを意識して仕事をしていくスタンスは大事だと思います。

・頭の使い分けを意識する
例えば、給与計算で絶対に数字を間違えてはいけない場面と、組織のミッションをどう人事制度に落としていくのかを考える場面では、脳みその使い方は違ってきます。目の前の業務を丁寧に精密に進めるための細かい思考と研修や人事制度を考える際の大きい頭の使い方の両方が求められるので、その切り替えを意識することは大事です。同じ人事の仕事でも領域によって、脳みその筋肉使い方は違うと感じています。今どっちの脳みそを使って仕事をしているのかを意識できるといいと思います。

人事キャリアを目指す方にアドバイス

人事の仕事を通じて何を実現したいのか、どんな価値を生み出したいのかを考えるといいと思います。採用、研修、制度設計、労務など、それぞれによってできることは全然違うので、「とりあえず人事」みたいな選択の仕方をすると思っていることと真逆の仕事を任せられるなんてことも起こる可能性があります。なので、人事の中でもどの分野であれば、自分のやりたいことを実現できるのか判断することが大切です。

これは私自身が感じたことでもあるのですが、想像していた以上に組織全体に対して責任を持つ仕事だと思います。自分の良い行動もミスも組織全体に影響を及ぼすことが、前職とのギャップとしてありました。

メンバークラスでは知り得ない様な情報を渡された状態で仕事を進めていかなければなりませんし、組織を構成する人を育てていくだけでなく、退職を促さなければならないシーンもあります。目の前の人に感情を入れ込んで接するのではなく、一歩引いて自分の役割を認識した上で、ドライに判断を下す側面もある仕事だと思っています。根拠を持って判断を下し、それを誠実に伝える姿勢が大切だとお伝えしたいです。

世の中にはたくさんの選択肢がある中で、メンバーの方々の人生の時間の一部を組織に使ってもらっているという風に私は考えています。そのメンバーの方々の想いに対して誠実であるべきですし、責任を持つ必要があると思います。
一方で、新しいメンバーがジョインすることで組織のできることが広がったり、研修を通して生まれたアイデアが事業に反映されたりといったことも起こります。重く感じる場面もありますが、そこに対して誠実に向き合ってさえいれば、思っても見なかったインパクトを生み出すことができます。

責任に誠実に向き合いつつ、遊び心も持ちながら楽しむことができれば、人事の仕事は面白いものになるのではないでしょうか。

最後に

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