朝から芸能人に嫉妬?娘のまともな発言に諭された。

朝のワイドショーで竹内涼真が写真集が紹介されていた。30歳になる前に一つの区切りとしての出版すると本人はコメントしていたが、鍛え上げられた上半身を露出したページがテレビ画面に写しだされていた。

確かに、程よい筋肉量でムキムキ過ぎず、細すぎない丁度良いマッチョな姿だった。数年前なら、俺だって負けないぞ、無謀な対抗心に火が付くところだが、最近は、いい年して阿保かと己の衰えを認める余裕というか、諦めに似た境地に達してきた。

私の隣でテレビを観ていた妻が「写真集、買おうかな」と呟いた。今まで芸能人の写真集など買ったことが無いのに、突然何言ってんだ、と妻の顔をまじまじと見てしまった。

冗談半分なのだろうが、やはり在宅勤務で一日中家族全員が家にいる日々にストレスが溜まっているのか、若い男の美しい裸体を眺め、目を保養しいくらかでもストレスが発散できると思ったのだろう。

では、男の私が家族の前で、若い女性が上半身を露出している写真集を買いたい、などと呟けるのか。テレビでその様な画像が紹介されることは無いだろうが、男女が平等ににモノが言える社会を目指すのであれば、男だってそれ位のことは言ってもよいのではないか。

そこから軽い論争になった。

「男女平等というのなら、女性の上半身裸の写真も堂々とテレビで放映し、そういう写真集を男が買うことも当たり前だという社会に向かおうということか」

「は?」という顔で妻と娘が私を見てくる。何訳の分からないことを言い始めたのか、軽蔑交じりの視線を送ってきたので、負けじと言い募った。

「娘たちが1~2歳の時にお祖父ちゃんが抱っこすると、スイッチが入ったかのように泣き喚いたけど、お祖母ちゃんが抱っこすると途端に泣き止み、安心した顔をしてたよね。そりゃ、ごつごつした腕や胸で抱かれるより、皮下脂肪の多い女性の柔らかい身体で抱っこされた方が赤ちゃんは安心するのは当たり前。」

「だから、女性には女性にしかできない役割があるんじゃないの。女性の持つ優しさや柔らかさは男には真似できない。なんでもかんでも男女はすべて同じというはおかしい」

少々熱く、飛躍した屁理屈を捲し立ててしまった。

そこに娘が参戦してきた。

「テレビでやらないのは、文化として人前で女の人が上半身を露出するということが受け入れられていないからでしょ。ジャングルには女性が胸を出している部族もあって、その部族を扱う番組では女性の胸にモザイクを入れたりしていない。文化の違いを紹介する番組だから」

そして「ヌード写真集を買いたければ買えば」と突き放すように言われた。

いや、買いたくて言っているんじゃなくて…。

ちょっと竹内涼真に嫉妬していたのかもしれない。

私もきっとストレスが溜まっているのだろう。何かに突っかかって正論?を吐きたくなる。しかもかなり粗削りの急ごしらえの「正論」だ。

だけど、娘も成長したもんだなぁ。未だ小さかったころは、親父の言うことを「うん、うん」「ハーイ」と可愛く頷いていた。そして中学、高校になると反応が薄くなり、反抗期真っ盛りだった。二十歳を過ぎる頃からは、自分の意見を言い出すようになってきた。

今や、親父の軽率な発言をちゃんと戒めることができるまで成長したか。

こちらは段々思考力が弱まり、深く考えずに思いつきで発言することが多くなった気がする。

いかん、親父の威厳などとっくにどこかに行ってしまったが、頭の体操を兼ねて嫌われない程度に娘と論争していこう。きっと色んなことを気付かせてくれるのではないか。

でも、待てよ。娘にとっては甚だ迷惑で鬱陶しいだけだろ。そのうち、反抗期ではなく本当に嫌いになって相手にされなくなる恐れがあるな。やはり、親は成長した子供に寄り掛かってはいけない。自立しなければ。

また、軽率な行動に出そうになった。危ない。

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