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自分に向き直ってみた話(読んだ本のはなし)

 たまたまなんてことない一枚の写真を見て、ずるずると過去の記憶が引き摺り出されてしまい、でもいまならもしかしたらこの気持ちを言葉にして型をつけられるかもしれない、と思ったので筆をとります。  今もまだ全然、傷が昇華できずに青いままなんだなと思った。人よりだいぶふくよかだった学生の頃の話を、何歳まで拗らせてんのって話だし、ルッキズムに拘り続けてしまうのもどうかと思うけど、ふとした瞬間に思い出しては落ち込んでしまう。ありがたいことに友達が周りにいてくれて、いじめられていた、とい

    • 小石川植物園で花を愛でたメモ

         やっほ〜アラサーです。お決まりの挨拶だった「アラサーオタクです」から「オタク」が抜けるくらいには、自分の心の離れ方を感じる今日この頃。自分の心を大切に、と思う反面で、自分の心ってどこにあるんだろうなあ〜と考え始めては、たぶんSNSの悪い意味で海に溺れているので、時々はこうしてちゃんと自分の気持ちを言語化することをやめないでいたい。脳みそを動かさなくても勝手にぶち込まれてくるものが多すぎるし、年々脳細胞がプチプチと潰れている気がする。  家にいると呼吸するかの如くスマホ

      • 春爛漫の日に(牧野記念庭園訪問記録)

         暖かな気温だけでなく、雨が降った後の土と草の匂いに、はっきりと春だなあと感じるようになった最近。そんな中わたしといえば、らんまんマラソン完走しました!!!おめでとうございます!!  朝ドラ好きの母が東京観光に来るのに、牧野記念庭園を訪れたいという話になり、せっかくならわたしも視聴した上で訪問して存分に旨みを味わいたい〜と思って見始めた一週間前(一週間前)。駆け足で見終わるのはかなり勿体無さがあったけれど、牧野記念庭園は牧野博士が晩年を過ごした場所だったという点で、できるだ

        • 『三月の招待状』を読む

           3月1日の朝はつめたい雨が降り強い風が吹いていて、春と呼ぶにはまだ心許ないけれども、3月の始まりは角田光代さんの『3月の招待状』で始めたいよね、と思っていた。毎月の読書まとめであまりにも薄い感想しか書けないので、今月はちゃんと一冊ずつつけておこうと思って筆を取ったら、思いの外バカデカお気持ちが溢れてしまい無駄に長い論文を作り上げそうだったので、ひとまず吐き出したくなったことを昇華させてほしい。  『三月の招待状』は大学時代に出会ってから15年、30半ばを超えた主人公たちが

        自分に向き直ってみた話(読んだ本のはなし)

          24/2月に読んだ本の話

          ▼2月に読んだ本リスト ①クラウドクラスターを愛する方法(窪美澄) ②ある閉ざされた雪の山荘で(東野圭吾) ③タラント(角田光代) ④時ひらく(アンソロジー) ⑤かがみの孤城(辻村深月) ⑥みちづれはいてもひとり(寺地はるな) ⑦黄色い家(川上未映子) ⑧独立記念日(原田マハ) ⑨十角館の殺人(綾辻行人) ⑩闇祓(辻村深月)  やっほ〜アラサーです。今月も風のように過ぎて行った2月だけど、月初に読んだ本のことを思い出そうとすると、なんだかしばらく前のことだったように思える

          24/2月に読んだ本の話

          24/1月に読んだ本のはなし

          ▼読んだ本リスト ①風が強く吹いている(三浦しをん) ②ミーツ・ザ・ワールド(金原ひとみ) ③ドラママチ(角田光代) ④きよしこ(重松清) ⑤十の輪をくぐる(辻堂ゆめ) ⑥檸檬のころ(豊島ミホ) ⑦成瀬は信じた道をいく(宮島未奈) ⑧いい子のあくび(高瀬隼子) ⑨すべて真夜中の恋人たち(川上未映子) ⑩宙わたる教室(伊予原新)  やっほ〜、オタクです。月一読書の記録をつけるのは2023年で終わりにしておこうと思ったけど、せっかく読んだし、まだ書きたい気がするし、ひと月の生

          24/1月に読んだ本のはなし

          2023年に読んだ165冊

           2023年、ついに仕事納まった〜!!!お疲れ様でした!!!つかれた!!!(素直)今年も毎日ちゃんと決まった時間に起き毎日出社して淡々と働いただけ偉かった。今年もまだ数日はありますが、お休み期間は帰省して掃除させられてポケモンしてあつ森して日本一怠惰な生活を送る予定なので、業務を締め括った気持ちと共に、今年の読書生活を振り返りたいと思います。  年始から突然始まった読書熱は、若干の上下をしながら12月になった今も継続中。本当にずっと読んでいて、アンタ本読む以外のことできんの

          2023年に読んだ165冊

          桜の花びらが舞うように

           アイドルになりたいと、勇気を持ってproduce 101 JAPANというオーディションに挑んでくれた北里理桜ちゃんへのお気持ちです。特技:お気持ちポエムの私ですが、いつになくポエミ〜になっていますどうかご容赦くださいませ。  たくさんご飯を食べて、一晩寝たら、少し明るいきもちになれるかもしれないかとおもっていたけど、まだ新鮮に泣けるくらいには、理桜ちゃんのことを思ったよりずっと好きになってしまっていたらしい。いつまで経っても困ったオタクだな〜。  101人の練習生が公

          桜の花びらが舞うように

          11月に読んだ本の話

           しっかりと寒くなって冬の訪れを感じるようになった直近。とは言いつつ、吐く息が白くなるのを初めて感じる日が好きなんだけど、それはまだ少し先のお楽しみらしい。寒暖差諸々に自律神経を滅多刺しにされており、ちょんとつつけば涙溢れそうな、なんとなく寂しいこの季節なのですが、つとめて楽しいお話を心がけたい今月もれっつご〜。 ①もういちど生まれる(朝井リョウ) ②嘘つきジェンガ(辻村深月) ③ファミリーポートレート(桜庭一樹) ④冷たい校舎の時は止まる上(辻村深月) ⑤冷たい校舎の時は

          11月に読んだ本の話

          冬のおこもり読書

           立冬も過ぎだことだし、冬ですね。体の周期のせいなのか、頭の中に蔓延っては消えないもやもやとか、心の底にず〜んと溜まったもの気持ちを、文字にして吐き出さねばいられない時期があって、今月もめでたくそれです。歳をとるほど、自分の内面と外の世界との間で心身のバランスを取るのが難しくなるなあと悩みながらも、ただそういう時に自分で自分のことを労れるのもまた大人だからね、と思うので毎度のことながらよろしくお付き合いください。   言葉の角を論ってはそんな自分に心がささくれ立つような思い

          冬のおこもり読書

          10月に読んだ本の話

          ①希望が死んだ夜に(天祢涼) ②自転しながら公転する(山本文緒) ③夜に星を放つ(窪美澄) ④シティ・マラソンズ(アンソロジー) ⑤永遠(村山由佳) ⑥誰も知らない小さな国(佐藤さとる) ⑦しゃぼん玉(乃南アサ) ⑧ままならないから私とあなた(朝井リョウ) ⑨自画像(朝比奈あすか) ⑩風と共にゆとりぬ(朝井リョウ) ⑪あなたは誰かの大切な人(原田マハ) ⑫アニバーサリー(窪美澄) ⑬ルミネッセンス(窪美澄) ⑭少女は卒業しない(朝井リョウ) ⑮ぼくのメジャースプーン(辻村深月

          10月に読んだ本の話

          『ぼくのメジャースプーン』を読む

           タイトルももう少しええ感じにひねれたら良かったんですけど全然ダメでしたのですみません。  ようやく秋らしさをしみじみと感じられる日が増えて、カラッとしたお天気に心躍る季節。スキップでもしたい心と裏腹に、芋栗かぼちゃ秋の味覚に興じすぎたが故重くなった体にスキップが厳しい季節。秋の味覚が美味しいのも大概にしてほしいところ。今年は秋刀魚が食べられるかなあ。  さて、私ばかりが勝手にウキウキしてしまい大変にすみませんが、10月は念願かなって共読本に辻村深月さんの『ぼくのメジャー

          『ぼくのメジャースプーン』を読む

          読書の秋なので

           急に寒くなったから着る服ないな〜って毎年思っているけどやっぱり今年も思っている秋。そして私の誕生日がやってくる秋。そろそろ扇風機片付けないとな、と思いながら結局ずっとそのままにしていることになんとなく後ろめたさを感じつつ、人生の節目の日なので、何をしようかなあと考えて、読書の秋だしな〜と決めました。  2023年は年明けから読書にハマりにハマり、ありがたくその熱は今も冷めないまま続いているので、(いつも読んでるけど)ホテルで好きなだけ本を読むか〜!!と思いbook hot

          読書の秋なので

          9月に読んだ本の話

          ▼9月に読んだ本 ①オーダーメイド殺人クラブ(辻村深月) ②晴天の迷いクジラ(窪美澄) ③##NAME# (児玉雨子) ④星のように離れて雨のように散った(島本理生) ⑤i(西加奈子) ⑥君たちはどう生きるか(吉野源三郎) ⑦さよなら、ニルヴァーナ(窪美澄) ⑧神去なあなあ日常(三浦しをん) ⑨傲慢と善良(辻村深月) ⑩時をかけるゆとり(朝井リョウ) ⑪総理の夫(原田マハ) ⑫百年の子(古内一絵)  9月の半ばごろ、ようやく朝吹く風が秋らしくなったかなあと思っていたところ

          9月に読んだ本の話

          8月に読んだ本の話

           残暑も大概にしろや…と怒りたくなるほどの暑さと仕事に体力をごっそり持って行かれた8月もあっという間にラスト。夏休みを使って帰省し、存分に羽根を休めたからこそ休み明けの1週間が殊更に堪えたりもした。体も心もなかなかうまいこと動いてくれなくて、全てをシャットダウンしたくなるような気持ちになる時も多くて困ってしまうので、流石にもう少し気合い入れて前を向きたいものです。朝吹く風に少しだけ秋の訪れを感じながらも、1日も早く涼しくなってくれることを願いながら、今月はもうこれ以上読みきれ

          8月に読んだ本の話

          外見はアラサー、中身は子ども。

           学生時代、数学とか化学とか物理とかうんぬんかんぬん、俗に理数系科目と呼ばれるものが嫌いだったな〜と思い返した、8月の共読『八月の銀の雪』2度目の読了。理系の知識に基づいた文章は、静かだけれども熱く、背中を押してくれる作品でした。今になってあの頃は、自分自身のわからない→悔しい→嫌いになった究極の負けず嫌いな感情によるものだったかもな〜と、最近こういう専門的な研究についての小説を読むたびに、自分の中の知的好奇心が存外ワクワクしているのを感じていて、それがたとえどんな形にならな

          外見はアラサー、中身は子ども。