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ユニフォーム的・プロ野球キャンプ最前線リポート2023

12球団中、実に6球団(細かいマイナーチェンジも含めるとあと8球団)がユニフォーム変更を行った2022-23年オフ。

プロ野球キャンプといえば、やはり1番の注目ポイントとなるのが「新ユニフォームが実際どう見えるのか」という部分だろう。

ということで今回は、ユニフォーム変更を行った球団を中心にユニフォーム的キャンプの注目ポイントをダラダラと語っていきたい。

とある球団のアレなユニフォーム発表以降、モチベーションがダダ下がりした結果およそ1ヶ月もの間更新をサボってしまったこともあり、そのリハビリ的な意味合いも含め、ゆるゆる系の記事とさせていただく。

キャンプ観覧の副読本的な感じでお付き合い頂ければと思う。

千葉ロッテマリーンズ

やはり何と言っても刺繍マーキングが素晴らしい。
風に靡いても、体を捻っても、背番号やロゴがクシャクシャにならないということがどれだけ素晴らしいことか、ということを改めて実感するところである。

視認性の向上を目指して行われた番号・ネームのフォント変更も相まって、かなりオーセンティックな魅力に溢れている。

特に素晴らしいのがビジターユニ。日に当たった時のテロテロ感がなくなっているのがとてもいい。
昇華プリントによる 「着色」で黒を表現していた前モデルから、今回の新ユニフォームでは「染色」による黒に拘ったこと、そしてピンストライプをなくしたのが非常に効いている。

発表当初はビジターユニの変更を惜しむ声が多く上がっていたが、こうやって選手が着てプレーしているところを見ればいかに今回の新ユニフォームが素晴らしい出来になっているかが伝わったのではないだろうか。

因みに、球団の公式YouTubeにて、新ユニフォームを身に纏った選手たちにその印象を訊くという動画がアップされているのだが、多くの(というかほとんどの)選手が「軽くて動きやすい」的なテンプレコメントを残す中、小島和哉投手と井上晴哉選手が「プリントじゃなくて刺繍なのが“ユニフォーム”って感じ」「こういう“重み”がないとね」とコメントしており、伝わるところには伝わるのだなぁと感激した次第だ。

左袖のカモメマークがあればなぁという気持ちはどうしても拭きれないものの、全体の印象としては非常に「いいユニフォーム」であると言える。

オリックス・バファローズ

ニューエラと新たにキャップサプライヤー契約を結んだことを話題となったが、やはりニューエラはカッコいい

正直その一言に尽きるのだが、オリックスと巨人で異なるのが広告の有無。
せっかくのニューエラが台無し、と言うほどではないにしても、やっぱりちょっと…という感じ。
グッズとして販売されるオンフィールドモデルには広告は付かないのが不幸中の幸いではあるものの…

また、右袖のプライマリーマーク廃止に関する情報が錯綜していたが、どうやらシーズン開幕まではマークありユニフォーム、シーズンではマークなしのユニフォームを着ることになるようだ。
何故そんなことになるのかよく分からないが(左袖の新広告は両者とも共通であるため、「キャンプ中は去年までのユニで」みたいなことでもなさそう)、とにかくそういうことらしい。

オリックスといいロッテといい、袖のプライマリーマークを外すという変更が相次いでいるが(軽量化、コストカット的なことなのだろうか)、個人的にはこれが他球団に波及しなければ良いなと思っている。

埼玉西武ライオンズ

新ユニフォームとして発表された当初こそ強く違和感を抱いていた真ん中の一本ラインであるが、「動き」のある中で見ている分にはそこまで気にならないような気がしなくもない、と個人的には感じるがいかがだろうか。

とは言えデザインとしての変な感じはどうしても否めないので、諸手を挙げて「いいユニフォーム」と言い切ることはできないものの、てんでダメなユニフォームと言うほどでもないと思う。

それよりも個人的に気になるのが、ファナティクス製となってさらに薄く軽くなったとされているユニフォーム生地。
後述する巨人にも共通することなのだが、ファナティクス製のユニフォームの感じがどうにも好きになれない。
画面越しにも伝わる生地感・質感がやけにペラペラでチープな印象に映ってしまうのだ。

縦に細かい線が入ったスジスジしてる感じであったり、日に当たった時のテロンテロン感であったり、、、
特に、元々昇華プリントありきのデザインで好みではないビジターユニフォームは、余計に昇華プリントユニフォームの嫌な部分が増強されてしまった感じがする。

あと、ヘルメットのツバ縁ラインは本当に余計だと思う。

中日ドラゴンズ

日によって印象の良し悪しが乱高下するのが中日。
新たな色味となったドラゴンズブルーがどう映るかによって印象がかなり変わるのだ。

基本的には新ドラゴンズブルーが採用されているのはロゴ、番号、ネーム、帽子、ヘルメットのみで、アンダーシャツやベルト、ストッキングなどは以前のものをそのまま流用しているように見える(少なくとも新ドラゴンズブルーと同じ色には見えない)。

この統一感のなさが、映像や画像によっては極端にチグハグに見える場合がある。
元々青という色自体が光の当たり方や出力の部分でのアレコレによって色味にブレが生じやすい色であることを考えても、やはりこのような投げやりな仕様はプロ野球チームのチームカラー、ユニフォームとしていかがなものかと思わざるを得ない。

場合によってはいい感じに映っている場合もあり、その時は結構いいユニフォームに見えるだけに、非常にもったいないあたりだ。

また、ビジター用ヘルメットがツヤ消しタイプになることも明らかになったが、個人的には「明るい色のツヤ消しヘルメット」というもの自体があまり好みではないので(MLBではドジャース、ナショナルズ、レンジャーズなど)、個人的には正直あまり評価できるポイントではない。

ホームとビジターでヘルメットのツヤの有無を区別するという仕様は、他にニューヨーク・ヤンキースなどが例に挙げられるが、一体どういう意図があってこのような形にしたのだろう。

お披露目がKBOサムスン・ライオンズとの練習試合でひっそり、というのも、非常に「痒いところにちょうど手が届かない感」というか、もどかしさを感じる所以である。

思えば、昨年ストッキングにラインを入れた時も、結局球団からの正式な発表は何もなかった。
中日とは「そういう球団」なのだ、と割り切ってしまうのが吉なのかもしれない。

広島東洋カープ

思った以上に事態が紛糾している。
発表当初から物議を醸しに醸しまくった「オール赤」のビジターユニフォームだが、思っていた以上に何も見えないのだ。

実際、ここまで何も見えないことを想定していた人がどれくらいいただろう。

「とは言え、球団・メーカーは巧妙な仕掛けを仕込んでいて、屋外で見れば光の当たり方とかで案外見えにくくないようになってるんでしょう?」みたいに思っていた人も結構多かったりしたのではないだろうか。

現に、私自身がそのクチであった。
しかし、そんなことはなかった。

キャンプイン前には、SNS上で新ユニフォームのレプリカの購入した方々の購入報告が多数上がっていたが、よく目にしたのが「実物を見ると結構見えやすいです」的なリポート。
確かに画像を見る限り、ユニフォーム生地とロゴの生地の違いによって一応見やすいようになっているようではあった。

しかし、このリポートには大きく2つの問題点がある。
1つ目は、その方々が手にしているのはあくまで「レプリカ」であること。
もう1つは、その方々がユニフォームを「手にしている」こと。

野球シーンにおいて「実物のユニフォームを見る」とは、家に届いたレプリカユニフォームを手にとってまじまじと眺めることではなく、「選手が着てプレーしているところを、球場で(もしくはモニター越しに)やや遠目に見る」ということを指す。
なので、いくらレプリカがよかろうが、実際に選手が着ているところを見てみないことには何も言えないのだ。

で、実際見てみてどうだったか、というところで話は冒頭に戻る、という訳である。

前西武監督の辻発彦氏が広島キャンプを訪問した際、この新ビジターユニへの印象をこう語っている。

それにしても球場で、秋山どこかなと捜したけど、なかなか見つけることができなかった。
練習で着ていた新しいビジター用の赤いユニホームは背番号、その縁取りもみんな赤※。ぱっと背番号が分からないんだもん。
ファンの人たちも選手を見つけにくいんじゃないかなと、ちょっと心配になったよね。

スポニチ

グラウンドレベルで見ても、やはりそんな感じだそうだ。
実際には縁取りは紺なのだが、そんなこと事前の知識が無ければわかる訳ないですよね、と言いたくなるくらいマジで真っ赤なのだから仕方ない。

もはや開幕までに球団側が策を講じないことは逆に考えにくいのではとすら思ってしまうほどの事態になっているが、果たして。

ビジユニのインパクトについ忘れてしまうそうになるが、ホームユニの背中の線はやっぱり変である

読売ジャイアンツ

今回メーカー変更によりナイキ(ファナティクス)製となったユニフォームだが、やはり気になるのは西武と同様ユニフォーム生地の薄さ

元々ミズノ時代から何となく気になっていたのだが、昨今の巨人のユニフォームは総じてやけにペラペラに見えてしまうような気がしてならない。

やたらと黒のアンダーシャツが透けて見える感じというか、「GIANTS」ロゴがダランとぶら下がる感じというか。

その点で言えば、今回「GIANTS」ロゴがスタイリッシュな仕様に変更されたことや、背ネーム・胸番号が廃止されたことは、全体的な雰囲気と合っているという見方もできよう。

背ネーム廃止に関しては「NPBにもそういうのがあっても面白いのでは」という浅はかな考えから肯定派であったが、確かにパッと見てその選手が誰か分からない問題はついて回ってしまうだろうな、とは感じる。
それに関してはまた別の機会に色々と考えてみようと思う。

巨人の新ユニフォームといえば、新たにスタンス社とのストッキングサプライヤー契約が結ばれ、キャップ=ニューエラ、ユニフォーム=ナイキ、ストッキング=スタンスという、ほぼ完全なMLB仕様が実現した。

肝心のデザインはというと、2023年新登場の既製品ライン「STRIPE OTC」のオリジナルカラーバージョンという形になったが、個人的にはせっかくサプライヤー契約にまで漕ぎ着けたのだからオリジナル“デザイン”にすれば良かったのに、と思ってしまうのが正直なところだ。

横浜DeNAベイスターズ

正直どこから話を始めれば良いかが分からず、考え込みすぎた結果noteの更新自体が1ヶ月も滞ってしまったという、このDeNAの新ユニフォーム。

色々言いたいことはあるはずなのだが、いざ何か言おうとユニフォームの写真を見ると、途端に力が抜けて頭が回らなくなるという状況にまで追い込まれてしまっているのが現状だ。

誰か助けてほしい。

と思っていたところ、目にしたのがこの画像。
上手く真ん中のラインが前後ともに目立たないような感じになっている。こうやってみれば意外や意外、割と悪くないではないか。

肩ラインは、かつての南海ホークスを代表格として野球ユニフォームデザインの一つの要素であるし、それとリンクするような太めのパンツ脇ラインも悪くない。

ツヤ消しとなったヘルメットも、単なるツヤ消しではなく以前のようなメタリック感も程よく残しつつソリッドな質感を表現していて個人的には結構好きな感じだ。
いかにもスポーツウェア然としていたポリ100%のメッシュ生地からアクリルウールへと素材が変更されたキャップも品よくまとまっていて良い。

という訳で、これからDeNAのユニフォームは選手が半身の体勢になっている場面のみを見るようにすれば良いことが分かったので、これからは選手が正面を向いたら目を瞑るなど、細心の注意を払ってDeNA戦を見ることとする。

阪神タイガース

かねてから常々進言していた「ビジターでもホーム用(と同じデザインの)キャップを被って欲しい」という願望が遂に実現。
別に去年までのようなタイプのキャップがダメという訳ではないが、やはり黄色が入っているユニフォームには黄色ツバのキャップの方がしっくりくるように思う。

また、それ以上に私を「ビジターでもホーム用キャップを」という思想に駆り立てていたのが、昨年までのビジターヘルメットに施されていたツバ縁ライン

ツバを黄色にしさえすればツバの縁にラインが入る余地がなくなるだろう、という思いからこのように言っていたのであって、これさえなければ「ビジター用をホームでも使う」でも良かったし、そもそも統一しなくても良かった。
別に、「黄色ツバ至上主義者」という訳ではないので。

何はともあれその思惑通り、ツバが黄色になったことで無事ツバ縁ラインは廃止
キャンプ中継を見ていても、ツバ縁ライン入りヘルメットを見なくてよくなったのが精神衛生上あまりに良すぎる。

そんな訳で、左胸に新たに入れられることになった「Joshin」ワッペンもさほど気にならない段階にまでやってきた、と懸命に自分に言い聞かせられる段階にまでやってきた、とかいう冗談を言えるくらいの段階にまでやってきた、というのが今の私の現状である。

最後に

昨年のキャンプではロングパンツスタイルの増加であったり、ライン入りストッキング導入など、球界全体である種のムーブメント的な傾向が見られたが、今年に関してはそういう感じは今のところ見受けられないように思う。

ローリングス製ヘルメットを新たに使用し始めている選手をチラホラ見かけはするものの(巨人・岡本、阪神・大山、日本ハム・加藤豪、西武・渡部健など)、「球界全体で」という感じではない。

今年はWBCもあるため、そこで何かしら新しいものが持ち込まれる可能性もあるが、今はまだ要観察といったあたりか。

という訳で、今回はこんな感じで、緩い感じで始まり緩い感じに終わろうと思う。
正直まだスランプから抜け出せていないので(こんなしょうもない記事を書くのにすら自分でも驚くほどの時間と労力を費やしてしまっている)、しっかりとした記事を挙げられるのはいつになるか不透明なのだが、是非ともこれに懲りずお付き合い頂ければ幸いです。

以上、「ユニフォーム的・プロ野球キャンプ最前線リポート2023」でした。
ありがとうございました。

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