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小説書きの山籠もりとアクティビティ

私は地方暮らしの会社員。

2年ほど前から小説を書いて公開しています。
コンテストでの入賞経験はあるものの、まだ小説家と名乗れるような実績はなく、今はただの小説書きです。

この秋にある文学賞に応募する小説を執筆するために、そして手元の小説を読み進めるために、小説に専念する2泊3日の山籠もりをしました。

場所は信州、長野県北部に位置する野尻湖。

LIG社が運営するゲストハウスLAMP野尻湖の、こちらのプランに申し込みました。

普段の生活を離れて一人、山と湖に囲まれた環境で小説と向き合う2泊3日を過ごします。

1日目、チェックイン

15時の少し前にLAMP野尻湖に到着。

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受付でチェックイン。部屋まで案内してしてもらいました。

部屋はネットでも紹介されている、2段ベッドのある洋室です。

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室内は清潔で、窓の外には森が見え、Wi-Fiも完備。
1人で籠るには贅沢すぎる環境でした。

窓からは、今や予約が困難なほど大人気のフィンランド式サウナ「The  Sauna」が見えます。その奥には建築中のログハウス。あれが2軒目のサウナになるのだそうです。

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荷物を置いて、PCを持って、コワーキングスペース「いいオフィス野尻湖」へ車で向かいます。

コワーキングスペース「いいオフィス」

ゲストハウス LAMPから車で5分程の場所にある建物の、階段を上がって2階がLIG野尻湖オフィス。

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コワーキングスペース「いいオフィス」も併設されています。

この日は他に利用者はなく、貸し切り状態でした。

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Wi-Fi完備、各テーブルに電源完備、キッチン完備。

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目の前に野尻湖が広がる大きな窓は網戸になっています。
雨が吹き込むほどの風はなく、涼しい湖畔の空気の中、作業に取り掛かりました。

執筆環境とデバイス

ここで、私の主な作業環境を紹介します。

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■ノートPC(Windows10)

メイン端末として使っているノートPCはゲーミングPCです。なぜならゲームをするからです。(笑)

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高性能のグラフィックボードを搭載しているだけあって基本スペックが高く、イラスト作成はもちろん、写真加工、動画編集、3Dモデリングまで、あらゆるデータをストレスなく扱えるので重宝しています。

反面、がっしりとしたボディなので外への持ち歩きにはあまり向いてません。今回のように、車で移動して宿泊滞在する場合にのみ持ち出します。

私の場合、長文を打つときはキーボード入力が圧倒的に早いので小説書きにもノートPCが一番便利です。
ただ、小説を書くだけならここまでの高スペックは必要ないので、入力メインで持ち歩いたり資料収集するのであればもっと軽量のノートPCが向いているなぁと思っています。

■iPad(Wi-Fiモデル)

5年ほど前に購入したiPad Air2はいまだに大活躍です。

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Logicool社のAri2専用キーボードと合わせて、まるで元々こういうセットだったかのように質感もぴったりなのがお気に入り。

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本体のみ持ち歩く際は保護カバーを付けるので、こんな配置で作業することも多いです。

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キーボードの入力設定は自分好みにカスタマイズしていますが、やはり元がiOSなので入力速度はノートPCに少々劣るものの、重宝しています。

その機動性は圧倒的に持ち運びに適しているので、カフェ作業など日帰りの外出端末として日常的に活躍しています。
Wi-Fiモデルなので常時ネット接続というわけにはいきませんが、執筆に専念できるのは逆に利点になります。

■スマートフォン(Android)

数年前からデジカメを持ち歩かなくなり、写真撮影は完全にスマホです。DropBoxと連携していて、記録代わりに何でもバシバシ撮ってWi-Fi環境で同期しています。

一方で、いまだにフリック入力が思考とリンクしないため、入力速度が上がりません。LINEやTwitter程度なら使いますが、さらに小説となると全く身が入らず、入力端末としてはアイデアメモ程度です。

iPadとは、LINEを使った共有が便利です。

■Evernote(無料版)

クラウド上でのデータ管理の大御所、Evernote。
長文テキストのほか、料理レシピなども突っ込んで愛用しています。

特にiPadはWi-Fi環境がない場所で使用することもあり、場所を選ばずテキスト作業ができる点が最も便利なポイントです。もちろんWi-Fi環境では同期も忘れず行う必要があります。

無料版の場合、端末2台までしか利用できないので、ノートPCとiPadでデータ共有しています。有料版を使う予定は今のところありません。

■DropBox(2TBプラン)

これなしでは生きていけないほど頼りにしているクラウドサービス、DropBox。
データの大半をここに保存しているおかげで、例えばPC買い替えの際にもデータ移行の手間が大幅に削減されてセットアップ程度で済みます。

スマホ写真も同期しているので、帰宅したらノートPCですぐに写真加工に取り掛かれます。

■note

機能はシンプルで自動保存までしてくれるので、エディタとしても優秀なnoteのサービス。
ただ前述のとおり、iPadでオフライン作業をすることがあるため、ネット環境が大前提のnoteに完全移行するのはなかなか難しいのが現状です。

初日の成果

雨音が響く静かな環境で、執筆に専念することができました。

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右側には設定用の手書きノート。

【作業時間】16時~18時
【進捗】2416文字

呑みながら『熱源』を読む

ゲストハウスLAMPに戻り、シャワーを浴びて一息ついてから、1階のレストランで夕食を取ります。

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ハートランドビールと、ズッキーニを丸ごと一本使ったステーキ!
疲れを癒すどころか、楽しさしかない初日の締めくくりには幸せすぎるメニューです。

今回持参した小説は、川越宗一『熱源』。
第162回直木賞受賞作です。

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ハードカバーなのでちょっと目立ちそうで、気取った感じを隠すために包装紙でカバー。(隠しきれない)

ろうそくの明かりが灯る机で一人、読み進めます。

2杯目はWILD TURKEYのハイボール。
おつまみは野沢菜ポテトサラダ。美味!

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傍らを、サウナに向かう人、サウナ上がりの人が行き来する、LAMPレストラン空間。The Saunaは最終22時までフル営業していました。

気持ちよくほろ酔い、21時頃に部屋に戻ってくつろぎます。

ドア越しに廊下の物音や話し声は響いてきますが、大騒ぎする人はいないのでそれほど気になりません。

ベッドにゴロゴロしながら小説の続きを読んだりスマホを見たり、そのうちに就寝していました。

2日目、目覚めの体操

朝6時頃に起床。快適な睡眠でした。

身体を伸ばして、顔を洗ってきたら、今では休日の日課になっている「ビートイットラジオ体操」。

音が響くのでBluetoothイヤホンを使って、板の床に響くのでジャンプだけ控えて体を動かしました。

朝食は8時から。完全予約制なので前日に予約と支払い済み。

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コーヒーを入れて、旅系の本が揃っている大好きな本棚前の席を陣取ります。
テレビモニターからはLAMPの映像が流れていて、ずっと眺めていました。

具だくさんトーストとサラダ。

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午前中はアクティビティ、SUP初体験

朝食後、一休みして支度を整えたら、いよいよこの日のアクティビティ、初体験のSUPへ出かけます!

準備体操と基本操作から徐々に慣らして、ついにボード一枚で野尻湖に漕ぎ出しました。

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参加者全員初心者ですが、丁寧な担当ガイドさんの指導のもと、たった1時間ほどでこのように水の上に立って大自然を体感することができるんです。

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山に囲まれた湖の中心でくつろぐ贅沢。

アクティビティは体と心を癒して育てる大切な栄養素となります。

一休み、ランチ、一休み

SUPを終えてシャワーを浴びて着替えたら部屋で一休み。

お昼はLAMPでアボカドバーガーとジンジャーエール。

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これでもかっていうほどの肉と、全然負けてないアボカドの圧、それらを挟む地野菜とバンズ。生命力のある美味しさ。

果肉の効いた自家製ジンジャーエールも大好きなメニュー。

食事中は『熱源』を読み進めます。
傍から見たら行儀良くないもしれないけど、今回のテーマは小説漬けなのです。

満腹の解消に、少し周囲を散策します。

こちらが薪で焚く本格フィンランド式サウナ「THE SAUNA」。

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交通の便が良いとは言えない山の中にありながら、なかなか予約が取れないほどの評判です。ここでしか味わえない貴重なサウナです。

その奥には、第2サウナが今まさに建設中です。

サウナのクールダウンにも使われるほど近い野尻湖。

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道沿いには、長野県内ではよく見かける原種に近いガクアジサイ。手毬形の西洋アジサイとはまた違う、素朴さが好きです。

午後、「いいオフィス」で執筆

一休みの後、コワーキングスペース「いいオフィス」へ移動。
本日の執筆を進めます。

この日は他に2人連れの利用者が滞在していました。

野尻湖を眺めながらの集中した作業。

一日中机に向かう小説家も多くいるでしょう。
私にとっては、五感を使うことが創作に向かう要素の一つです。
この日のアクティビティからは間違いなく良いエネルギーを得ることができました。

【作業時間】15時~18時
【進捗】1作目:3161文字、2作目:2021文字

夜は飲みながら『熱源』

昼のアボカドバーガーが意外と重くて、それほど入らなかったので、夕飯はラムマーボー飯。

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ピリ辛で、さらに辛くなる香辛料が添えてありました。

実は辛いのはそれほど得意ではないけど、せっかくだからという場所ではつい完食。ヒーってなりながら読書しました。

2杯目に前日と同じハイボール。
そして前日と同じ21時頃に部屋に上がりました。
22時頃には就寝。

3日目、最終日

6時半頃に起床しました。
寝起きはぼんやりしながらメールチェック、Twitterチェック。
顔を洗って、日課のビートイットラジオ体操。

窓から見えるのは、THE SAUNA建築現場。2泊3日の間に建築が進んだ気がします。

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完成が楽しみです。

朝シャワーを浴びてから、朝食。

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セルフサービスのコーヒー。

この日は牛乳もつけてもらいました。

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牛乳大好き。美味しかったです。

部屋に戻って荷物をまとめて、チェックアウト。

受付横の物販コーナーに飾られている手ぬぐいは、毎回来るたびに気になっていて、ついに購入しました。

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居心地の良い2泊3日をありがとうございました。

SUPは本当に楽しかった。また来たいです。

最後までコワーキングスペース

10時前にコワーキングスペース「いいオフィス」に到着。

この日は10人近くが作業していて席は埋まっていました。

【作業時間】10時~11:45
【進捗】1作目:3161文字、2作目:3576文字

そして帰路へとつきました。

今回の成果とこれからの小説書き

今回ステキな環境の中で物語のアウトプットとインプットができました。

他にもリモートワークしている人たち、スタッフやお客さんがいる環境で、全くの一人ではない、誰かがいる空間の安心感もありました。

これからまた旅をしたり、場所を選ばず書き続けるための環境整備を続けながら、たくさんの体験と創作をしていきたいと思います。

良い機会をありがとうございました。

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