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愛か。Iか。AIか。

これまでにないスピードで技術が進化し続けている現代社会。
その中でも特に発展してきているのが人工知能「AI」ではないかと思います。

子どもたちのスマートフォン所持率が、小学校高学年で約30%、中学生で約80%という結果が出た。というニュースを見る機会がありました。

自分のことを思い返すと、初めて「携帯電話」と呼ばれるものを持ったのは中学校1年生の頃。緊急時の連絡用で持っていましたが、それでも同じ年の子たちと比べると、とても早くてうらやましがれたのを覚えています。ちなみにauのストレートタイプで、メールの問い合わせは毎回インターネットから問い合わせしないといけないタイプ。『携帯電話の歴史』みたいな展示会があったら並んでそうなものです笑

今の子どもたちは、生まれた時から人工知能が存在している世代。将来に対して警鐘を鳴らしている大人は一定数存在して、技術の進歩を少し人間の進歩のペースに合わせようとしているみたいに見えます。

今回読んだ『それをAI(あい)と呼ぶのは無理がある』は『狼と香辛料』を著した支倉凍砂さんの小説です。

全部で5話あり、それぞれの話の中で、学生がAIと向き合っていく様子が描かれています。

もし、自分に好きな人ができたとして、相手の気持ちを知りたい。告白の成功率を知りたい。
人の心を動かすようなものをつくりたい。どんなものが感動を呼ぶのか知りたい。

自分で行動を起こす前に、シミュレーションができたら。と思うことは色々とあるかもしれませんが、本作品ではそういう気持ちにAIが絡んできます。何かと悩みの多い青春時代の登場人物たちがAIと関わりながら自分なりの答えを出していく。AIにすべてを支配されるのではないか、と考えている人がもしいるとするなら「そんなに悪いものではないよ」と教える代わりに読んで欲しいな、と思う1冊です。

AIもそうですが、動植物など自然にも「権利」があると言われ、自然が保護されるようになって久しいです。ただこの「権利」はあくまでも人間が規定した「人権」なんだということ。自ら言葉を持たないものに人間の言葉を与えて理解しようとする。そのままを理解することは人間には難しいから、色んな可能性をシミュレートして一番いいと思われるものを選ぶ。そういう行いのパートナーとしてAIが「I(私)」として一緒に関わってくれる日はすぐそこまで近づいてきているのかもしれません。

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