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抜け出したいほど朝が来ても

この罪が赦されたら何処に行こう。

視界の先をすり抜けて、飛んでいく鳥が十字を切って、
膝をついてこうべを垂れても、
許されないことを感覚で知っていた。

人皮装丁の聖書を屋上から投げ捨てて、
絡まったツタに撃ち抜かれたあの子の、
心臓からこぼれ出た正義を、私はかぶっている。

一日三度のお祈りで、
わたしがわたしを許せたら、
地獄のあの子は微笑んでくれるの?

痴れた回路を繋げては、
廃棄を回避しているコンピュータ、
この世界が偽りでも、
プラスティックなその目で見透かしてみせて。

針の進まない時計をいつまでも持っている。
夜中に聞こえる賛美歌に、シスターはチッと舌打ちをして、
窓の外では、テロリズムの鼓動が速くなり、
わたしはそれを知っていながら、
神の血をぐいっと飲み干した。
朝が来れば、この長い自問自答だって終わるから。

この罪が赦されたら地獄に行こう。
切符を買って着のみ着のまま、
わたしひとりあの子のいない地獄に行こう。


#夢のような夢


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