書籍『面倒なことはChatGPTにやらせよう』制作記
自己紹介
はじめまして。講談社サイエンティフィクの編集者の大橋こころと申します。
私は1月29日発売の『面倒なことはChatGPTにやらせよう』(カレーちゃん、からあげ・著)の担当編集者です。
今日はからあげ帝国アドベントカレンダーの19日目ということで、担当編集から見た『面倒なことはChatGPTにやらせよう』の制作経緯と内容紹介を語りたいと思います。
おふたりとの出会い
Code Interpreterの登場
ChatGPTに新機能「Code Interpreter」が搭載されたのは2023年7月7日、私の25歳の誕生日でした。
今は「Advanced Data Analysis」という名前に変わっているこの機能は、ChatGPTとファイルのやりとりができるようになり、さらにChatGPTが内部でプログラミングもしてくれるという夢のようなものです。
当時X(Twitter)でバズっていたのがカレーちゃんさんの下記のポストです。
即アタック、即目次、即企画
このポストを見た私は「本当にこの本を作ったら絶対売れるぞ!」と編集者の勘がビリビリうなるのを感じました。すぐにカレーちゃんさんとリプライしていたからあげさんに執筆依頼をしたところ快諾いただき、書籍の執筆プロジェクトが走り始めました。
依頼を受けてもらった私は調子に乗っていました。
「私のデビュー作は、すごい企画にすごい著者で、大ヒット作になるぞ……!」
これからの制作の大変さも知らず、売れっ子編集者になった自分を想像していました。
制作開始
衝撃のキックオフミーティング
その後、カレーちゃんさんとからあげさんが数日で目次を作ってくれました。私は社内に企画書を提出し、承認を受けるまではふたりに執筆を進めておいてもらうことにしました。
本を一冊作るのには大変な労力と時間が必要で、通常であれば制作期間が3年以上にわたることも珍しくありません。
しかし、キックオフミーティングで状況を聞いてみると、驚くことにカレーちゃんさんとからあげさんは1ヶ月強でほぼ原稿を書きあがっていた上に、たくさん書きすぎて本に収まりきらないくらいの分量になっていました。
「今から3か月後の12月刊行を目指して制作を進めるのはいかがですか?」と、「無理だよ」といわれるつもりで聞いた私に、からあげさんは「11月刊行は無理ですか?」と質問されました。
「さすがにそれは……」と口ごもると、「御社の中で伝説に残るくらい、早く出したいです」と真剣なまなざしで言われました。2人の本気を感じた瞬間でした。この日から、坂道を駆け降りるような進行が始まりました。
毎日必死で制作
そこからは、ただいい本を作りたいという思いで、無我夢中の毎日でした。
おふたりに会社に来ていただいて「執筆が終わるまで帰れま10」をしたり、
連日の夜中までの原稿修正で一瞬全員訳が分からなくなったり、
ChatGPTの大幅アップデートが起きて号泣したり(アップデートが怖くて毎日参拝するようになった)、
色々なことがありました。この記事を書いている今も制作は続いており、年始の校了に向けて山場に差し掛かっているところです。
著者の2人の人柄のおかげで頑張れました
とにかく時間のない制作期間の中で、一番苦労していたのは著者の2人だったと思います。
ChatGPTのアップデートや、私の進行の拙さによるトラブルで何度も2人にはご迷惑をおかけしました。
時間のなさとやることの多さ、ChatGPTの不安定さで先行きが不安になり、落ち込むことも何度かありましたが、2人はいつも明るく前向きで、私がいくらミスをしても一度も責めることなく、毎回優しくフォローしてくれました。
まだ制作は続いていますが、この短期間でここまでのクオリティの書籍を作るのは、カレーちゃんさんとからあげさんだからできたことだと思います。
本の紹介
ChatGPT Plusの本
『面倒なことはChatGPTにやらせよう』は、ChatGPT Plus(有料版)の使い方と活用例を紹介した本です。ChatGPTをほとんど触ったことがない方、プログラミングやAIなどの知識がまったくない方でも、ChatGPT Plusを使いこなしてビジネス活用できるような内容にこだわっています。
ChatGPT Plusでできること
前述のとおり、ChatGPTと直接ファイルのやり取りができるので、
・ChatGPTにExcelの関数を書いてデータを集計してもらったり、
・PDFを渡して内容を要約してもらったり、
・WebページのURLからPowerPointを書いてもらったり、
・文章の内容にあった画像を生成してもらったり、
・X(旧Twitter)のデータや売上データなど、身近なデータをグラフ化・分析してもらったり、
びっくりするほど便利な操作が、誰でも簡単にできます。
読者対象は「ふつうのビジネスパーソン」。ChatGPT Plusを毎日の仕事を楽にするために使いこなせる、楽しい一冊になっています。
320ページの大容量なので、デスクの上に辞書として置いておいて、やりたい操作があったときに参照するという使い方もオススメです。
書籍を購入した人がアクセスできるサポートページに、ChatGPTへの質問・指示(プロンプト)がほぼすべて掲載してありますので、コピペで本の内容がそのまま再現できるのも嬉しいところです。
担当編集として気を付けたこと
本の中で、ChatGPTに「面倒なこと」をやってもらうため、ChatGPTが内部でプログラミング(Python)を動かしてくれることがあります。
著者の2人は普段からプログラミングやAIに慣れ親しんでいるので、内部の深い仕組みを理解していて、だからこそChatGPTの力を最大限に活かしきる活用例をいっぱい書いてくれました。
そこで、担当編集としては、その素晴らしいChatGPTの活用法を、著者の2人のような特別な知識を持っていない人でも、誰でも使えるような本にすることを意識しました。
「それ、どうやって普段の仕事で使うんですか?」
「すみません、ここが難しくてよくわかりません!」
何度も何度もこんな質問をして加筆修正していただき、どんな人にも自信をもってお勧めできる本になったと感じています。
1月29日発売。現在予約受付中です!
SNSなどで「最近のChatGPTはすごい!」と聞いてはいるけど、実際よくわからない……という方にぜひ読んでほしい、ChatGPT Plus活用の決定版となる書籍です。
1月29日発売予定で、現在予約受付中なので、ぜひご興味のある方はご予約いただければ嬉しいです。
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