イヤなおばさんになってしまった日
とあるスーパーのレジで・・
比較的空いているスーパーの店内で買い物を終えて会計に向かうと、誰も並んでいないレジを見つけたので、急ぎ足で突入しました。
すると私がカゴを置いたと同時に、レジの男の子が隣のレジの人のカゴを移動させて会計を始めました。そのカゴの持ち主はカゴから3秒くらい遅れて私の前に入ってきました。
この経緯は簡単です。
レジの男の子は自分のレジが空っぽだったから、隣のレジのお客さんを誘導した。ちょうどカゴを移動していたから、私がカゴを置いたのが分からなかった。
それだけのことです。
しかもこういった気配りができるなんて、若いのになんて気の利く男の子なんだろう・・そういうのが一般的な評価だし、私も心からそう思います。
すみません。男の子という言い方は良くないですね。
ただ見た感じ学生さんのようなさわやかさがあって、まるで孫のような感じを受けたので、思い出す度にこう呼んでしまいます・・
それからどうした
私は男の子がカゴを移動させた隣のレジが空になっていたので、そちらへ移動して会計をしてもらいました。
結局、隣同士が入れ替わったという状況です。
よくあること、大したことじゃないよね・・ 私もそう思います。
でも、だんだん「なんかちがう!」・・という感情が沸点に達してしまいました。
「大人げないからやめなさい」「みっともないぞ」という天の声も聴く余裕などなく、とうとう関係のない店員さんに言ってしまったのです。
「誰もいないからすぐに会計できると思って並んだのに順番通りにならないのはおかしいですよね」・・
すぐ隣のレジだったので状況を把握しているこの店員さん、とばっちりを受けたにも関わらず、「大変申し訳ございません」と嫌味なおばさんに素直に謝ってくれました。
この一言でパンパンだった怒りの風船が少ししぼみました。
すると、
「なんて意地悪なおばさんだ」
「カゴを移動してもらった人も嫌な気持ちになったよね。
あなたは何も悪くないのに。ごめんなさい😢」
と後悔が始まりました。
そしておばさんはなぜ我慢できなかったのか、買ったものを袋に入れながら、肩を落として考えました。
その答えはすぐに出た
なぜイヤなおばさんになってしまったのか・・
私なりに出した答え、それは、
男の子が、一言も「お詫び」とか「挨拶」といったコミュニケーションを取らなかったから・・というものでした。
男の子はカゴを移動したときも、私の方を見たものの無言で作業を始めました。
普通だったら、
「申し訳ございません。こちらの方から先に会計させていただきます」とか、カゴを移動させるときに「空いていますのでこちらで会計させていただきます」と言いながら行動してくれれば、おばさんだって状況を把握することはできます。
しかし男の子はすべて無言だったんです。
おばさんはおばさんなりに反省しながら、
「客商売ってものは愛想が大事なんだよ。無言って言うのはものすごくよろしくないんだよ。笑顔と挨拶をちゃんとやって下さい」と心の中で呟きながらスーパーを後にしました。
この一件があってからしばらくは、
「なんでこんなおばさんになってしまったのか」
「もうイヤなおばさんになりませんように・・」
と反省し、ちょっぴり悲しい夜を過ごしたのでした。
そして今度からは、やさしくアドバイスできる「イヤじゃないおばさん」になりたいと思うのでした。
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