#台湾
台北・バスキング・デイズ vol. 0
台湾に行きたいって君が言うから
「平成最後の〜」なんて言葉が飛び交う三月、今年は比較的暖冬だと言われた京都の冬も終わり、徐々に暖かくなってきたのを肌に感じつつ、京都は河原町通りをふらふら歩いていた。
思えば、二年前のちょうどこの頃は失意のニュージーランド縦断バスキングを終え、帰国後すぐに京都府庁に履歴書を送っていた。その結果、金曜日に履歴書を提出したのに、次の月曜日には府庁の人事課から連絡が
台北・バスキング・デイズ vol. 4
台北芸人と愉快な仲間たち
あたりは熱気に包まれていた、というフレーズは、あまりにも常套句すぎて、現実味がわかないかもしれない。しかし、道行く人々は体からはエネルギーが溢れ出しているかのようで、決してただ単に夜のわりに気温が高いからというわけではなさそうだ。
まだ肌寒い日本から南国の島、台湾へと脱出してから一週間弱。日中は確かに半袖にならないと暑すぎるほどだが、かといって南国と言えど、京都の夏ほ
台北・バスキング・デイズ vol. 7
雨が降るって君がいうから -後編
「雨っていうのはとても憂鬱な気分になっちまう。こう雨が続くと気持ちが沈んでしまって、学生時代の雨の日に、傘を忘れた気になる女の子に傘を渡せなかったなんていう、遠い昔の記憶をふと思い出したりして、感傷に浸ってしまうもんだ、コノヤロー」
なんて、若かりし頃の淡い思い出を台湾語で語ってそうな飯屋の親父さんも、さすがに元気がなさそうだった。
本日も雨。
台北はちょ
台北・バスキング・デイズ vol. 8
西門の片隅で愛を叫んだのけもの
「スーパーイタコモードが使えなくなってきている。」
ふと、そう思ったのは台北生活にもすっかり慣れてしまった頃だった。
1日のルーティンがほぼ決まっていて、昼前起床、156飯包で昼食、スタバで読書、この流れは天候に関係なく、夕方からは、晴れの日であれば5時ごろから西門町の片隅で二時間ほどバスキングをして、雨の日は宿のオープンスペースで読書、もしくは文章を書く作
台北・バスキング・デイズ vol. 9
最終回
「これでなんとか35kgに納まりそうだ。」
受付で借りた手のひらサイズの電子計量器で、最後の荷物の重量測定を終え、私は安堵感に胸をなでおろした。
荷造りの真っ只中であるが最も気を使うのが預ける荷物の重さである。毎度お世話になっているジェットスターでは預ける荷物の重量によって料金プランが変わってくる上に、予約の段階であらかじめ重さを指定しておく必要がある。なので宿で軽量ができるのはとて