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台北バスキングデイズ

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2020年8月の記事一覧

台北・バスキング・デイズ vol. 6

台北・バスキング・デイズ vol. 6

バスキング飯 !!

異国の地に長期間滞在する際にもっとも重要なことのひとつとして、自分がその土地で満足な食生活を送れるかどうか、ということが挙げられるんじゃないだろうか。

物価の高いメルボルンでは、ラーメンセットが30ドル(2400円)もするので、自ずと自炊に行き着いたが、マーケットで安くて良質の食材が豊富だったので、全くもって不便は感じなかった。

しかし、今回滞在しているこの台湾は、食事も

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台北・バスキング・デイズ vol. 7

台北・バスキング・デイズ vol. 7

雨が降るって君がいうから -後編

「雨っていうのはとても憂鬱な気分になっちまう。こう雨が続くと気持ちが沈んでしまって、学生時代の雨の日に、傘を忘れた気になる女の子に傘を渡せなかったなんていう、遠い昔の記憶をふと思い出したりして、感傷に浸ってしまうもんだ、コノヤロー」

なんて、若かりし頃の淡い思い出を台湾語で語ってそうな飯屋の親父さんも、さすがに元気がなさそうだった。

本日も雨。

台北はちょ

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台北・バスキング・デイズ vol. 8

台北・バスキング・デイズ vol. 8

西門の片隅で愛を叫んだのけもの

 「スーパーイタコモードが使えなくなってきている。」

ふと、そう思ったのは台北生活にもすっかり慣れてしまった頃だった。

1日のルーティンがほぼ決まっていて、昼前起床、156飯包で昼食、スタバで読書、この流れは天候に関係なく、夕方からは、晴れの日であれば5時ごろから西門町の片隅で二時間ほどバスキングをして、雨の日は宿のオープンスペースで読書、もしくは文章を書く作

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台北・バスキング・デイズ vol. 9

台北・バスキング・デイズ vol. 9

最終回

「これでなんとか35kgに納まりそうだ。」

受付で借りた手のひらサイズの電子計量器で、最後の荷物の重量測定を終え、私は安堵感に胸をなでおろした。

荷造りの真っ只中であるが最も気を使うのが預ける荷物の重さである。毎度お世話になっているジェットスターでは預ける荷物の重量によって料金プランが変わってくる上に、予約の段階であらかじめ重さを指定しておく必要がある。なので宿で軽量ができるのはとて

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