見出し画像

俺には作り上げたいカルチャーがある [後編]


後編では、カルチャーを作る方法についての話をする。
まだ前編を見ていない方は、こちらからどうぞ。

フットボールカルチャーを作り上げる。それは、俺がしたいこと。でも、カルチャーを作りたいんだと叫んでいても、カルチャーはやってこない。俺たちが行動をしなければいけない。

フットボールカルチャーの作り方

まず最初に、カルチャーを作り上げるための最強の武器になるものがある。
それは、インターネットだ。

しかし、闇雲にインターネットという大海にコンテンツや想いを投げても誰も気付いてくれない。海の底に沈むだけである。だからこそ、どの海に投げるかが重要になる。

その海は、3つ。

1・メディア
2・ブランド
3・コミュニティ

まずは、メディア。
メディアとは、テレビや新聞、雑誌、ラジオなどである。
より影響力のあるメディア(フットボール界隈に対して)に取り上げてもらうことは、認知という面で非常に効果がある。
もしくは、フットボールカルチャーのメディアを作り上げることもできる。時間はかかるが、よりカルチャーは深く浸透するかもしれない。

次に、ブランド。
ブランドを作り、プロダクトに想いを乗せて広げることでカルチャーを作り上げていくことも効果的な一手だと思う。ブランドを作るのならば、良質なプロダクトを作ることが最重要課題になる。
もし、ブランドが多くの人に認知され、支持され、人気になればカルチャーは浸透していくだろう。

次に、コミュニティ。
コミュニティは、同じ想いを持った人が交流する集合場所。このコミュニティに属する、もしくは発起人として作り、それが広がることで想いは大きく強くなり、カルチャーが作られていくだろう。

しかし、これはただの手段に過ぎない。


「イケてる」の重要性

次に、どんな手段を用いたとしても必ず忘れてはいけないことがある。それは「イケてるかどうか」。なんとも抽象度が高い言葉なのだろう。でも、それがカッコ良くてクールなのか、ダサいのかは最重要と言っても過言ではない。なぜなら、ダサいカルチャーが蔓延でもしたら、フットボールの未来は明るくないからだ。


これを読めば、カッコよくあるべき理由がわかるはずだ。
日本のフットボールをこの先、子供たちに最高のフットボールというものを残すと同時に、W杯を獲ることも視野に入れた時に、必ずこの「イケてるかどうか」が大事になる。
そもそも、イケてないとカルチャーとしては浸透しないし、カルチャーとして浸透しないということは、子供たちがサッカーをしなくなり、W杯が遠のくという負のスパイラルが生まれる。

この記事内では、「かっこいい」は3つの要素から構成されると言っている。その中の一つ「視覚」について、このような言葉がある。

視覚:ビジュアル(見た目)が重要であることには議論の余地がない。人は視覚から入る情報で、それが自分にとってかっこいいか、それともダサいのかを判断する。もっとも重要な要素であり、三角形の頂点に位置している。
[中略]
現代サッカーにおける「①視覚」を先導しているのは「プロフェッショナル」ではなく「カルチャー」なのだ。

Jリーグ(プロフェッショナル)が、視覚という土俵においては常に先導を走っているかというと、そうではない。
カルチャーが先導を走っており、それを真似る形でJリーグが視覚的なマーケティングを繰り広げているのである。

今後、日本における『イケてる』フットボールカルチャーが浸透すれば、きっとJリーグは視覚的な面で真似をしてくるだろう。
そうすれば、Jリーグ全体がもっとクールな集団になり強くなる。

だからこそ、「イケてる」かどうかは重要なのだ。



「イケてる」を「カルチャー」に繋げるためには

「イケてる」とは、究極の自己満である。
そして、その自己満に共感してくれる人が集まることでカルチャーは出来上がる。

しかし、ここで問題が発生する。それは「イケてないやつ」が「イケてる」といくら唱えたところで、それは周りから見たら「イケてない」のである。

それでは、共感してくれる人も集まらずカルチャーには発展しない。だからこそ、重要なことがある。

それは「イケてるやつ」と手を組むことだ。

日本のサッカーの中にセンスのある人はいないと思ってください。もちろんいるかもしれませんが、基本的にはいないと思いっていた方が戦略が立てやすいです。日本のスポーツ界はセンスがないということを、まず自覚することが大前提だと思います。

この言葉の通り、センスのない人の方が圧倒的に多いと思う。

だからこそ、イケてるやつと手を組むことが重要であり、
唯一の解決方法だろう。

では、イケてるとは何か。

コギャルを例に、フットボールカルチャーについて語った記事がある。

1990年代、時代の主役は女子高生だった。

画像1
https://natalie.mu/eiga/gallery/news/291961/970688(映画サニー)


新しいトレンドを次々につくり、多くのギャル文化を生み出した。

コギャルのことをスタイルと称したが、そもそも彼女らはなぜ今も受け継がれるほどのカルチャーを残したのか。
考えられる背景として、彼女らが音楽・ファッション・メディアのポイントで要所要所自分らを表現したからではないだろうか。

このギャル文化からは、
1・参加型2・場所の確保3・新規スタイルの容認4・ブランディング 
という4つの方法から構成されており、これはフットボールカルチャーを作る際にも、とても興味深いアプローチである。

気になる方はぜひ、記事をご覧ください。

結論、このギャル文化は

究極に内的思考で自分らのカッコイイを突き詰める姿勢である。

この姿勢こそ、文化となった1番の要因であると捉えている。

この姿勢こそ、「イケてる」ことであると思う。

つまり、先ほどの河内さんの言葉

日本のサッカーの中にセンスのある人はいないと思ってください。

と照らし合わせると、
「究極に内的思考で自分らのカッコイイを突き詰める姿勢を持った人」がいないということ。確かに、、。。

だからこそ、イケてる人と手を組むことが必要になってくる。

そして、その輪が広がり社会現象になることでカルチャーが誕生する。

これは、ギャル文化が証明している。

若い奴らでやる必要がある

ユースカルチャーという言葉を聞いたことがあるだろうか?

これは、若者文化または青年文化と訳される。ある社会の青年層の行動様式や価値観の全体をさす。
 全体的文化total cultureや主流文化main cultureと対比される部分的、下位的文化であるサブカルチャーsubcultureの一種である。

若者が今日のトレンドを作っていることは、周知の事実である。
例えば、


「いまのティーンズは、テクノロジーを親へと伝える役割を担っています。かつてとは逆の流れが成立しているのです。親世代にiPhoneやタブレットの購入を勧めているのはティーンズだという話も耳にします。家庭のテクノロジーシフトの背後にある原動力は、ティーンズなのです」

https://www.lifehacker.jp/article/140315teens/


これは、テック系の話だが、伝えたいことはなんとなく伝わってくれると嬉しい。

そして、面白いことに、ユースカルチャーはサブカル(下位的文化)の一種だが、そのユースカルチャーは、時代とともにハイカルチャー(上位的文化)へと昇華するのが世の常なのだ。

例えば、

アンディ・ウォーホルやバスキアは、ユースカルチャーを代表するアーティストだったが、ポップアートと呼ばれるジャンルが確立した事により、ユースカルチャーの香りが漂う、ハイカルチャーとして扱われている。

だからこそ、まだ若いと言われる今、やる必要があるのだ。

果たして、24歳の代をユースと言っていいかはわからないが、、


俺はカルチャーを作る


俺は、プロサッカー選手だからカルチャーを作ろうとしている訳ではない。
23歳の若者が、客観的にフットボールを観察したときに、今やることに意味があると本気で思っているからこそ、作るだけの話である。

そのためには、多くの壁を乗り越えなければいけない。
肩書きは時に足枷にもなることも知っている。でも、そんな事でいちいち止まっていては、カルチャーなど作れはしない。

そして、俺だけでは作れないことも知っている。

フットボールカルチャーを作るのは、俺じゃない。

『俺たち』だ。

プロフェッショナルかアマチュアだとか。
ジェンダーがどうとか。
マイノリティーかマジョリティーかとか。
プレーをしているかどうかとか。
これらはフットボールカルチャーを作る上で一切関係ない。

ただ、そこに必要なのは『フットボールを愛しているかどうか』だ。

フットボールを本来あるべき姿に、戻そうじゃないか。

みんな、フットボールで遊ぼうぜ

音が鳴り響くスタジアム。そこでプレーをするプロサッカー選手。拍手と歓声、チャント、落胆の声で自らを表現するサポーター。勝ったチームには笑顔が許され、拍手と喝采。負けたチームは、熱狂的なファンにより怒号を浴びせられる。町では少年少女がボールを追っている。そんな少年少女をビールを片手に応援する近所のおっさん。アスファルトの上でフットボールを楽しむ青年たち。仕事帰りは、決まってフットサル場で死闘を繰り広げる社会人たち。土日は、決まってフルピッチで試合をする。あれ、あんなところでは女性チーム同士で試合をしている。一歩外に出てみると、ボールがなくても、俺たちはフットボーラーだと言わんばかりのファッション。フットボーラーは決まって、いつもセンスが良い。週末の休みは、みんなでハンバーガーでも食べに行こう。そのあとはビーチでフットボールでもしよう。もちろん、イケてる音楽と共に。

-深谷圭佑-





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?