見出し画像

生徒講評と久々に観劇日誌。-演劇企画もじゃもじゃ「犬の気持ち」編

こんばんは。かしはらです。
めちゃくちゃ唐突ですが、その昔、Facebookで観劇所感を上げていた時期がありました。その大本を辿ると、高校時代に参加してた生徒講評委員での活動でしょうか。

生徒講評って何?って方は良かったらこちらをご覧ください。もしかしたら今はまた状況が違っているかもしれませんが、当時私が参加していた時は深夜0時までパソコンと向き合いながら顧問や担当の先生と文を推敲しながら講評文を書いたものです。懐かしや。
今思うと1日あたり5〜6本の劇(1時間)を見て、夜遅くまで文を書いて、また次の日は早く起きて劇を見てって生活良くできたな。そして劇を見続ける集中力がよくあったなって思います。

ただ、この活動を通して、劇を観る視点ってのがかなり変わったというのと、演劇に対する熱がすごい上がったのと、いいところをインプットして、自分の部の活動にアウトプットできるっていう、すごいいいことだらけだったので、もし現役の高校生の方で興味あるんだよな〜って方はぜひ参加をしてみてほしい。講評文という形にすることで、自分が思った感想を整理することができるし、自分一人の考えだけじゃなく他の人の考えも聞くことができるから、考え方の幅がかなり広がります。大会の全ての劇を、審査員の次にいい席で見れるよ!これもすごいいい点だと私は思いまする。Twitterのフォロワーさんや講評活動で知り合った方々で、今も演劇に関わっている方の多くはこの生徒講評という過程を経ている気が多い気がします。

さて、話を戻します。
私の演劇キャリア(?)は高校で終わり、大学では学生演劇を、社会人になってからはミュージカル等を見るようになりました。
が、思い返せばここ数年、全然劇見てないやんってなってました。最後に見たのってもはや何だっけ…?レベルでした。推しの俳優さんもいて、公演も観に行きたいなって思ってたのに仕事の都合やら、そしてコロナも流行り出して、なかなか劇を観る機会自体遠かっていました。
そんな中、Twitterで仲良くしていただいていたフォロワーさん(ちなみに彼女も生徒講評されてました)からこんな感じのDMが来ました。

「ねえさん!!ライブや演劇!求めてますか!!」

と。
こりゃ巡り合わせってものかな、と思い見にいく前提で予定をたてておりました。
ただ感染者数爆増していた時期であり、また、私自身も諸事情で人に会いにくい状況になっていたため、配信という形で今回観劇した次第です。
そして今回観劇したのがこちら。
演劇企画もじゃもじゃさんの「犬の気持ち」です。




いろいろありすぎて疲弊した夜勤明け一眠りしてからパソコンに向き合って観始めました。ちなみにオンラインで観劇するのは何気初めてです。

犬「自己の存在の希薄さから生まれる不安をどうしたら解消できるかについて、今、考えてる」
飼い主「どゆこと????」

自分を言葉で説明し切るのは難しい。
誰かと私を比べた時、うっすらと存在する「何か」に安心してしまう。

犬と人間 人間と社会 社会と犬。
めぐる関係性のなか、自己とは何かを考える。

パンフレットのこの文を観て、なんか難しそうだな。と思ったのが第一印象。
まだ配信期間中ですので、ネタバレは極力避けていきます。

劇は、ある若い男女と犬を中心に対話によって進んでいきます。
言葉回しはどこか哲学的で、でもこう言ってしまうとまたちょっと違うのかな。会話じゃなくて「対話」なんですよね。人と人、人と犬との対話。飼うものと飼われるものの対話。買うものと買われるものの対話。舞台で現れる愛はどこか歪で、どこか無機質でどこか美しい。
飼われるものが買うことができないのか。逆に、飼うものが買われることはできるのか。飼う・飼われるという不平等な関係性のなか、自由は良いものなのか、それとも良くないものなのか。

誰かの存在によって、自己が証明されることで、人間は安心することができる。逆に、自己だけで自己の証明をするには難しい。
ただ、他者を自己証明に使うことで、その他者を、飼う・飼われるという関係性になってしまう皮肉も含んできるのかなと。それはリード然り、指輪然り、子供然りいろんな形として存在する。その飼われている対象を放すことで、本当に自由になれるのか。自由という開放性と解放性と閉塞感が混在している。そしてそこに残っているのは自己を立証するための自己中心性なのかな、と。
女を愛している犬と、女を愛していない男との対話がとても印象的で、この場面のために積み重ねがあったんだなって思った。

少し気になった点といえば、後半の核心部分であろうところで少し笑い声が入ってしまったのが残念だったな。状況的にしょうがないのかな、と思うけれど、すごい真面目な部分でもあるところだから笑いなしで見たかったなって思いました。

状況的に共感できる部分は多々あるはずなのに、観終わって残ったのは共感できるところなかったなぁ…って。それは淡々としていながらも陰鬱としている舞台の雰囲気と、澱んだ胸糞感からかなと分析してみる。とりあえず人間を殴りたくなります。そんなあなたは立派な犬です。

簡単な所感になってしまいましたが、リハビリ作ということで許してください。
ほんとね、文を書かなくなると書けなくなるのよ。これが老いというものか。
次回作あればぜひ、今度は劇場で観てみたいものです。
公演お疲れ様でした。

この記事が参加している募集

#休日のすごし方

54,744件

#振り返りnote

86,560件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?