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年始の京都

家族が出払い久しぶりに夕方までひとり。何をしようか前日まで悩んで、結局、心の赴くままに過ごそうと思い眠る。起きたら10時半だった。よーいドンで京都特集をしていて、ああ行きたいなでも週末行くしな、でもせっかく一人の時間なんだし、いやいやこういうもったいない精神で動くのもうやめたいんよな、と悩み、結局行くことにする。先月、フォロワーさんに京都で読んだり書いたりする旅をしたいのだけれどおすすめの場所はと訊かれ、私もそんな旅してみたいなと思っていたところだったのだ。

着くなり向かったのは志る幸。京都に行くとその季節らしいことを一つはしておきたくなる。というわけでお雑煮をいただく。

しろみそだよ

柚子の香りで目が覚める。まったりとした白味噌が喉にやさしい。店内はシンとしていて少しの緊張感が心地よかった。新年という感じ。

畳の間を
ぐるりと囲むように席がある

栗ってお正月っぽいよなあということでお土産に林万昌堂の栗を。つやつやした栗のガラゴロいう音はどことなく景気がいい。

奥で栗がガラゴロ
替え歌?があるのに気づく

寺町をぷらぷら北上。ノムラテーラーがハギレセールをしていたので赴くままに寄る。特に作りたいものはない。けれどもかわいいハギレを見ているうち、作品づくりに使いたいと思いいくつか手に取る。リボンやレースの詰め放題もあったので布にあいそうなものを選び、ボタンも少し買う。コラージュをつくって言葉と組み合わせたら楽しそう、写真に撮って文字を重ねたらいいかな、とか考えている。形になるかは分からない。けれどもこうやってわくわくしているときが楽しい。

セールは今日までだったみたい

mumokutekiで服を買うかさんざん悩み結局買わず。けれども地下のアンティークショップでいい感じのダイニングテーブルを見つける。地下には久しぶりに降りたけれども、リペアしている現場をそばで見れたりして面白い。新しい家の家具はここで買いたい。

それから三条通をぷらぷらと。鴨川見ておきたいなと思い文博あたりで折り返し。

錦天満宮そんなに混んでなかった
寺町も新京極も正月飾り
夕方になるにつれて人が増えていく

三条大橋へ差し掛かると鳥の群れが頭上を通り過ぎた。目で追うと北の方に虹がでていた。あまりにも遠いから誰も気づいていなかった。

あなたには見えるだろうかあの虹が……

鳥はよく観ると海鳥で、群れながら北へのぼってあっという間にデルタの向こうまでいってしまった。しばらく虹にレンズを向けていると、大きなカメラを持った男の人が少し離れた場所でそれを構えた。反対側で女性がスマホを向けた。虹は案外消えなくて、そのうち海鳥は私の頭上に帰ってきた。

工事の柵が洒落ていた
今日イチの一枚

三条京阪のブックオフをちらりと見て四条へ帰る。心の赴くままに買い物ばかりして読んで書く旅というテーマをすっかり無視していたので、喫茶店に入ろうと思った。築地かフランソアか迷い、久しぶりに行ってみようと思い築地へ。

ムースケーキ


しかしバイトさんの言動に悲しくなり、しかもそれがバイトさん個人というよりはお店がそういう方針なのだろうなと感じ、もう行かないと思う。このことを書こうか迷ったけれども、書かない方が不自然だなと思ったので書いておく。なによりこのお店を先述のフォロワーさんにおすすめしてしまったので誠に申し訳ない気持ち。これが我らの方針なのでそれでも来たい人だけ来てくださいという京都の古いお店らしいスタイルといえばそうなのだけど、人におすすめできるタイプの京都らしさではない。人におすすめするときは「良い」じゃなくて「心の底から良い、この店を貶されたら私は怒る」ぐらいの場所だけをおすすめしようと決める。責任が持てないのならおすすめという行為はしない方がいい。これを書いている今も反省と後悔で胸がふさいでいる。

帰り、車窓から透き通った茜の空が見える。上の方は深い藍色で綺麗だった。iPadをひらいて絵を描いてみた。まったく読みも書けもしない、ついでにいえば写真も撮れてない旅だったけれども、見るものから刺激を受けた旅だった。

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