新時代の可能性を見た
旅行に行けない、学校に行けない、遠方の友人に会えない…コロナ禍と呼ばれる今、「できないこと」に対するマイナスな発言が増えたように思う。日常が大きく変化したのだから、それがストレスになるのは当たり前だ。
では、反対に「できるようになったこと」はあるのか。プラスの可能性を見出せるものはあるのか。それを私に教えてくれたのは、大好きなお笑いだった。
漫才もコントも人が密接して行われるうえに、ネタ番組や劇場にも大勢が集結する。やむなく劇場は閉館し、ネタ番組もストックがなければ休止。大勢のお笑いファンがネタを見られない、と悲しんだのも束の間、多くの芸人やテレビ局が工夫を凝らし、再び私たちに笑いを届けてくれたのだ。
今回は、これはスゴイ!と思ったネタや番組、企画をいくつか紹介させてもらう。文章の都合上、敬称は省略している。また、ここで述べる内容は、全て私個人の意見である。
1.ネタ番組「ネタパレ」(フジテレビ)
毎週金曜よる11:40から放送されているネタ番組。
若手からベテランまで、漫才・コント・ピン問わず多くの芸人が出演している番組である。この番組からブレイクした芸人も数多い。
ネタパレが行った工夫は、演者どうしの距離を離し、CGで合成するというものであった。なんと単純な…と思うが、その工夫が芸人たちの創り上げるネタの幅を大きく広げた。
第七世代代表格であるハナコは新しいことを取り入れるのがうまく、合成技術を駆使したコントに長けているし、パワープレイが印象的なトムブラウンは、ソーシャルディスタンスのおかげで(?)より斬新なツッコミに進化した。(今回のメイン画像である)
画像元↓
https://natalie.mu/owarai/news/379861
ネタパレ公式の宣伝ツイート↓
でその様子が垣間見られるので参考までに。
https://twitter.com/neta_pare/status/1263368630885945346?s=12
それぞれの芸人が試行錯誤し、新たな笑いを生み出している。凄い時代だ。
2.リモートコント
番組だけでなく、芸人個別の配信も数多く行われている。その中でも印象的だったコント師が2組いる。
まずは「レインボー」(吉本興業)。
池田のハイクオリティの女装や演技力と、ジャンボのいい声とウザさが魅力的で、男女間のあるあるネタを得意とするコンビだ。彼らは自身のYou Tubeチャンネルで、通話アプリZoomを使用したネタを多く公開している。男女や友人間のあるあるに、Zoomあるあるも加えられ、より一層の面白さがある。今回掲載したもの以外にもちょうどいいツボをついてくるネタが多くあるので、ぜひチャンネルを見てほしい。
ネタ
【リモートコント】 映像が途切れ途切れになることで別れることになったカップル
次に、「東京03」(人力舎)だ。
その面白さは語るまでもない。もうなんでもいいからこのライブを見てほしい。未だに無料公開されているのが信じられないクオリティである。ベテランが新しい手段を手に入れたときの強さたるや。
3.企画
企画として紹介したいのは、吉本∞ホール公式チャンネルから配信された『自宅で芸人オシャレバトル』である。
この企画は、MCにラフレクラン西村、審査員にコマンダンテ石井を迎え、ジェラードンにしもと、ZAZY、ニューヨーク嶋佐、インディアンスきむがテーマに沿って各々コーディネートを披露し、最もオシャレなのは誰かを決めるという企画である。
それぞれの自宅からZoomを用いて配信しているので、そこにあるものでしか着替えられないという制約があり、この状況下だからこそできた企画だと思う。
着替えていけばいくほど、画面がカオスになっていくのが楽しかった。(ちょっとネタバレします)
今にも飛び立ちそうなZAZY。
この期間は、あらゆる芸人が多種多様な配信を行ってくれたために、「配信に追いつけない!」という嬉しい悲鳴状態だった。
劇場やライブハウスの閉館など、悲しいニュースが数多く見受けられる。しかし、あらゆるエンターテインメントが進化を遂げているのも、今この時代を迎えたからこそではないだろうか。もちろん、これまでと同じクオリティや手法で活動されている方々も素晴らしいと思う。そこは変わらない。
今回はお笑いを例に挙げたが、どんなジャンルだろうと「できないこと」を「できるように」前進するクリエイターの方々を尊敬の念を持って応援したいし、私自身もその考えを持ち、前向きになれたらと思う。
皆さんオススメのリモートネタや、他ジャンルでも「この状況下だからこそ、こんな一面を知ることができた!」なんて場面があれば、是非とも教えて欲しい。
そして、現在もなお、世界のためにこの新しい病と闘い続けてくれている医療従事者の方には頭が上がらない。自粛するというかたちでしか貢献することができないのが悔やまれる。
一刻も早い終息を願ってやまない。
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