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【婚約破棄になったぼくが恋愛工学を実践した理由】その4・身を守る基準 〜コリレーションリスク〜

前回↓



とにかく女の子とのアポを入れまくっていた僕だったが、実は「なりふり構わず!」という訳ではなかった。


大学の同級生の中では、有希とはデートした。でも佐々木とはデートしなかった。
会社の同期の中では、萌とはデートした。でもまゆりとはしなかった。
小学校の友達だと、沙也加を家まで呼べた。でも真美には声すらかけなかった。


無意識だったのだが、どうやら僕は自分の中である基準を設けて、女の子をデートに誘っているみたいだった。


その基準は、こうだ。

・会社内の子は誘わない・小学校、中学校、高校、大学で自分が所属していたメイングループ内の子とはデートに行かない(サークルや部活動で一緒だった子など)

つまり、自分のリアルな生活に影響を及ぼすグループ内での活動は控えたのだ。

考えてもみてほしい。

仮に同じ部署の女性(真麻とする)をデートに誘ったとしよう。
そして上手くいき、真麻が家まで来てくれ、一晩を共にしたとする。

するとどうなるか?

先ず遅かれ早かれ、部署にその女性との関係が(いつの間にか)広がってしまう。
すると、それをやっかむ者がでたり(実はその女性が好きだったとか)茶化してきたりする人が出てきて、非常にウザくなる。

そして、そのやっかむ者が上司だった場合は最悪だ。
いくら仕事上とはいえ、相手も人間。
かなりの聖人じゃない限り、仕事にも私情を挟んでしまう確率が高い。

面倒な(それでいて何の利益にもならない)仕事を振られたり、昇進や栄転の話を止めてしまうかもしれない。


また、僕らは1人の女性だけを愛する訳ではない。

いろんな女性と濃密な時間を過ごし、愛を育み、幸せにしていこう!マインドを持っている。

すると当然、他の女性とも逢瀬を重ねる訳だが、それを同じ部署や社内で行なっていくと、いずれ真麻の耳にもそのウワサが入ってきてしまう。


「ねぇ……私に隠してること、ない?」

「聞いたよ、あの話」

「どうしてあんなことしたの?」

「私とは遊びだったの?ねぇ答えて」


そして「あいつは真麻がいるのに、他の女にも手を出した」と社内に話が回れば、もう面倒くさい。

僕は遊び人のレッテルを貼られるだろう。

そして、仕事とプライベートを分けられない上司や同僚からは蔑みの目で見られ、上述したように仕事でも影響が出始めてしまうかもしれない。


自分のリアルな生活に影響を及ぼすグループ内での活動は、このような状況に陥る可能性がある。

だから手を出さないようにしたのだ。

これはコリレーションリスクといって、身近な異性を誘うときは気を付けなければいけない概念だ。


もっとも、当時の僕はこの概念を知っていた訳ではなく、単に「色んな女の子とデートしてるのバレて茶化されたらイヤだな。なるたけバレない方法にしなきゃ…………」という非常に内気な理由ではあったが。


ともあれ、これを基準に僕は活動していたのだった。

入社3年目で会社を辞めた同期。

周りとの関係が薄い、大学のゼミの友達。

既に友達同士集まることなどしてない、小学校の幼馴染。

これらは全部、コリレーションリスクが低い相手だった。
だからこそ、デートに行って失敗しても、腕が未熟で嫌われても、何の問題もなかった。

僕の私生活に修復不可能な影響を与えることはなかったからだ。


しかし、ある種デートする人を選んでいた僕は、代わりにもう一つの問題に直面することになってしまったのだった。



= くまさん =



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