見出し画像

Alma Linuxへの道(後編)

3日間ほど続けて、毎週恒例ではない記事を書きます。金曜日はシロクマ文芸部の企画、土曜日は旅論、日曜日は誰にも言えない特別記事になるところ、今回は Alma Linux について語っています。

Libc2.14問題はどうなったのか

Scientific Linux を見切ってAlma Linux に移行を検討するきっかけになったのは、Libc2.14がないと言って怒られ、対応しようとするとさらにハマる問題を解決するためでした。Alma Linux 9.4 において、過去のScietntific Linuxでやっていたことはほぼ大丈夫そうですが、肝心のその点はどうなのでしょうか。

% strings /lib64/libc.so.6 | grep GLIBC
GLIBC_2.2.5
GLIBC_2.2.6
GLIBC_2.3
GLIBC_2.3.2
GLIBC_2.3.3
GLIBC_2.3.4
GLIBC_2.4
GLIBC_2.5
GLIBC_2.6
GLIBC_2.7
GLIBC_2.8
GLIBC_2.9
GLIBC_2.10
GLIBC_2.11
GLIBC_2.12
GLIBC_2.13
GLIBC_2.14
GLIBC_2.15
GLIBC_2.16
GLIBC_2.17
GLIBC_2.18
GLIBC_2.22
GLIBC_2.23
GLIBC_2.24
GLIBC_2.25
GLIBC_2.26
GLIBC_2.27
GLIBC_2.28
GLIBC_2.29
GLIBC_2.30
GLIBC_2.31
GLIBC_2.32
GLIBC_2.33
GLIBC_2.34

2.14 どころか、2.34までの全バージョンがカバーされておりました。さすが、新しいだけのことはあります。

Pytorch-SemSegトライアル

Libc2.14問題はもはや起きないようですので、前編でお話した Pytorch-SemSegをここで再度試すことができそうです。Alma Linuxに乗り換えた甲斐がありました。

例題の train.py を動かしてみます。

(sklearn-venv) [kenji@localhost ~]$ cd pytorch-semseg-master
(sklearn-venv) [kenji@localhost pytorch-semseg-master]$ python train.py --config ./configs/frrnB_cityscapes.yml
Traceback (most recent call last):
File "/home/kenji/pytorch-semseg-master/train.py", line 217, in <module>
cfg = yaml.load(fp)
TypeError: load() missing 1 required positional argument: 'Loader'

エラーで止まりましたが、これは、正常な停止と思われます。たぶん例題のコードのなかでのデータ読み込みの指定に何か軽微なミスがあるということではないかと思われます。

Scientific Linuxで動かしていた時は、ここまでこれませんでした。その前にLibc2.14エラーが出て先に進めませんでしたから。

というわけで、今回のシステム更新はやってよかったと言えそうです。この例題のコードを点検して、修正してまたやってみようと思います。

グラフ表示の件

中編の最後のところで触れたデータのグラフ表示が失敗したという件は、簡単に解決できました。Scientific Linux 6 なのか、Alma Linux 9.4 なのかということよりも、Pythonのパッケージのバージョンがだいぶあがっているため、いろいろあわないところがあるようです。とりあえず、次の簡単な作業で、エラーはなくなり、実行すれば、別途グラフのウィンドウが開くようになります。

% pip install pyqt6

ただし、ソースコードも最新のスタイルにあうように直す方がよいです。これは、単なるデモプログラムなのでここまでですが、今後は新しいパッケージにあうようにソースコードを準備したいと思います。

初めての皆様へ

皆様には、桜井健次のエッセイのマガジン「群盲評象」をお薦めしております。どんな記事が出ているか、代表的なものを「群盲評象ショーケース(無料)」に収めております。もし、こういうものを毎日お読みになりたいという方は、1年分ずっと読める「群盲評象2024」を、また、お試しで1か月だけ読んでみようかという方は「月刊群盲評象」をどうぞ。毎日、マガジンご購読の皆様にむけて、ぜひシェアしたいと思うことを語っております。

御礼とご挨拶

親愛なるマガジンご購読の皆様、いつもご愛読頂きありがとうございます。おかげさまで毎日連続1600投稿の節目を無事に通過することができました。

毎週6回、マガジンご購読の皆様限定の記事をお送りします。土曜と日曜は完全限定記事です。土曜日は旅と人生のテーマを語ります。日曜日は世間でタブーになるかもしれないことも躊躇なく書いてゆきます。火曜日と木曜日は音声配信で語ったテーマに補筆・追記したもの、また水曜日と金曜日は画像生成・漢詩づくりをテーマに生成系AI活用の舞台裏をお届けします。

マガジンご購読の皆様とシェアできる記事を書くことが日々の楽しみであります。また、皆様にとってもどこかでお役に立てるコンテンツをご提供できるようでありたいとも願っております。微力ながら、日々精進してまいります。今後もよろしくお願い致します。

マガジンご購読の皆様へのプレゼント

ここから先は

1,109字

本マガジンでは、桜井健次の記事をとりあえず、お試しで読んでみたい方を歓迎します。毎日ほぼ1記事以上を寄稿いたします。とりあえず、1カ月でもお試しになりませんか。

現代は科学が進歩した時代だとよく言われます。知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。知は無知とセットになっていま…

いつもお読みくださり、ありがとうございます。もし私の記事にご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひマガジンをご検討いただけないでしょうか。毎日書いております。見本は「群盲評象ショーケース(無料)」をご覧になってください。