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消滅するマスク

コロナ・パンデミックの時代、マスク警察と呼ばれる人々が現れた。

ジョージ・オーウェルの小説「1984年」では Truth, Peace, Love, Plentyの4つの政府部門が過酷な管理と弾圧を行い、それは民衆の側からの密告の網に支えられている。

秀樹はつぶやいた。
「これって、実は、簡単に突き崩せるんじゃないか?」

反物質は物質と衝突して対消滅し、その質量に対応するエネルギーを放出する。ビッグバン直後には物質と反物質は等量であったが、現在は、反物質の存在は稀であり、時に人工的に製造することも考慮される。

新設の The Ministry of Impressions (感想文部)は、民衆から感想文を収集する。反Truth, 反Peace, 反Love, 反Plentyに4分類して各個撃破する。密告者も消滅し、その体重に対応したエネルギーが電力として産業利用される。

気がつくと倉庫にあふれていたマスクは全部消滅してしまっていた。

(404字)

土曜日は、しばらくショートショートを書こうと思っております。
以下の企画に参加させて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。

https://note.com/tarahakani/n/nc588c462d7bf

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