すき焼き、食べたい
ただ歩く
言うまでもないことだが、上を向いてね
えっ 涙がこぼれないように?
いやいや、こぼれるよ
だって、涙が出ているんでしょ
あふれるでしょ
そのうえ、歩いているから振動するでしょ
ますますこぼれるでしょ
第一、いくらこぼれたって、別にいいでしょ
それでも、うつむかない
前を見て、前の上の方を見て、歩こう
とてもそんな気分になれないときは?
その時は、それどころではないと思ったりするだろうが
歩いているうちに、そんなこともあったと流せるようになる
じゃあ、そうやって、ただ歩いて、いったいどこへ行き着くの?
じっとむこうを見てごらん
うつむいている人は気がつかないだろうけれど
何かお店らしい明かりが見えるんじゃないか
あっ すき焼き屋だ!
(304字)
2023年4月下旬頃からシロクマ文芸部の企画に毎週参加させて頂いています。2024年4月まで1年ぴったりの継続のつもりです。金曜午前(早朝)に投稿します。今回のお題は「ただ歩く」が書き出しでした。どうぞよろしくお願いいたします。
初めての皆様へ
皆様には、桜井健次のエッセイのマガジン「群盲評象」をお薦めしております。どんな記事が出ているか、代表的なものを「群盲評象ショーケース(無料)」に収めております。もし、こういうものを毎日お読みになりたいという方は、1年分ずっと読める「群盲評象2023」を、また、お試しで1か月だけ読んでみようかという方は「月刊群盲評象」をどうぞ。毎日、マガジンご購読の皆様にむけて、ぜひシェアしたいと思うことを語っております。
ここから先は
月刊「群盲評象」(試読ご希望の方向け)
現代は科学が進歩した時代だとよく言われます。知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。知は無知とセットになっていま…
いつもお読みくださり、ありがとうございます。もし私の記事にご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひマガジンをご検討いただけないでしょうか。毎日書いております。見本は「群盲評象ショーケース(無料)」をご覧になってください。