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両成敗デザート

舞うイチゴ
宙をひらひらと舞っている
まるで花びらのようだ

むこうから何か飛んでくるみたいだ
色や形からすると、こんにゃくのように見える

かつて天城山と男体山の神様が争ったことがあった
大ムカデと大蛇に姿を変え、ムカデの大群と蛇の大群が激しく衝突した
湖の水をめぐって争った

当時は3次元の時代だった
男体山の神様の大蛇に加勢した猿麻呂の矢が天城山の神様の大ムカデの目を射て、形勢は逆転した
天城山の神様は撤退した
おのれ、この恨み、忘れるものか
天城山の神様は復讐を誓った

天城山の神様の子孫は、こんにゃくの生産で成功した
男体山の神様の子孫は、イチゴの生産で成功した

その後、10万年か、100万年くらいは経っただろうか
世界のほとんどが2次元に移行している
AIが描く画像のような世界だ

新しい時代の天城山と男体山の神様の子孫たちは、いまや2次元化されたこんにゃくとイチゴを飛ばしあっている

ねえ、ママ!
こんにゃくゼリーいちご、食べたい!
3次元の世界のこどもが、ぱくっと食べてしまった
(426字)

シロクマ文芸部の企画に参加させて頂きました。今回のお題は「舞うイチゴ」でした。どうぞよろしくお願いいたします。

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