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群盲評象ショーケース(無料)

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桜井健次のマガジン「群盲評象」の代表的な記事をご覧いただけます。こういうものを毎日読みたいという方は、1年分ずっと読める「群盲評象2024」、お試しで1か月だけ読んでみようかとい… もっと読む
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#毎日note

柔よく剛を制す

マガジンご購読の皆様、2022年、新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。 振り返れば、今から2年前、2020年は、21世紀前半の最初の波乱の幕開けの年でした。最初の激震が走った時、もともとリモートワークをなさっていたような業種、職種の方々のなかには、自分たちの時代が来たと思われる向きもあったかもしれません。こうした混乱をビジネスチャンスとして成功された方もおられるでしょう。また、2019年までのライフスタイル、ビ

ソーシャル・ネットワーク

The Social Network(「ソーシャル・ネットワーク」)は、2010年のアメリカ映画です。ご覧になった方も多いでしょう。 19才の Harvard University学生だった Mark Zuckerberg が、2004年にFacebookを創設するまでの物語です。 私は 2011年頃に Facebook を始めました。ちょうどこの映画を見た頃です。その頃は、なにがなんだか、使い方も含めて、よくわかっておらず、ずいぶん戸惑いました。その Facebook の

敬天愛人

鹿児島市吉野町字磯にある磯庭園は、1658年(万治元年)に島津家19代光久によって造園された別邸です。敷地内の庭や建物のすばらしさはもちろんのこと、錦江湾と雄大な桜島が目前に広がり、それぞれを池と築山に見立て、庭園風景にとりこんだ技巧にも感心します。昨夜、ひょんなことで、磯庭園の素晴らしい写真を拝見し、とても懐かしくなりました。私が鹿児島に住んでいた頃は、誰もが磯庭園と呼んでいたのですが、気がつくと、世界遺産、仙巌園になっていました。2015年に世界遺産になったということです

我が亡き後に洪水よ来たれ

2020年(令和2年)の6~7月、日本各地で水害、土砂災害が発生しました。不幸にして亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。実のところ、2020年後半の台風被害も心配しています。この何年か、災害が続いています。目立って大きいものだけでも 2014年(平成26年) 8月豪雨による広島市の土砂災害, 2016年(平成28年)台風第7号, 2017年(平成29年)7月九州北部豪雨, 2018年(平成30年)7月豪雨, 2019年(

千夜一夜物語と毎日note

One Thousand and One Nights (千夜一夜物語, アラビアンナイト)は、あまりにも有名です。note には、毎日連続して投稿される方が大勢おられるようですので、千夜一夜物語を毎晩語るScheherazade(王妃)とnote の毎日投稿者のスタイルを比較してみたいと思いました。 千夜一夜物語は9~10世紀頃のイラクで生まれた作品です(その当時のタイトルは1001夜ではなく1000夜だったらしい)。その後、イスラム圏やインドに広がったようです。1704

勧善懲悪

日本書紀の記述によれば、604年、聖徳太子によって17条憲法が制定されました。その全条文も日本書紀に出ています。その第6条は「懲惡勧善」、今日でいう「勧善懲悪」から始まります。なんだか、聖徳太子が現代の日本人に喝をいれているような文言です。内容を見ると、懲惡勧善には違いないですが、勧善は最初の一言だけで、残り全部が懲悪です。 書き下すと次のようになるでしょうか。 現代語訳(私的な勝手な意訳)は次の通りです。 聖徳太子は、国家の基本として、また政治権力の中枢に位置する人々

良いことはなぜ続けて起きるのか

毎日同じように過ごしているつもりでも、好不調の波があります。その周期は一定というわけではありませんが、調子の良いときもあれば不調のときもあることを十分自覚できる程度の間隔で波の上下があります。バイオリズムのような個人の健康、体調のリズムもあるでしょうが、仕事など、社会活動のなかでの成果の好不調、対人関係の好不調も入り混じって、複雑なパターンになっているでしょう。しかし、私たちは良いときと良くない時を平等には扱っておらず、常にバイアスがかかっているように思われます。どちらかと言

君子豹変

内外の情勢に応じ、的確な判断を行って、必要とあればそれまでの方針や考え方を大きく転換させることは重要です。その決断と実行は時機を得ており、かつ非常なスピード感を伴うことにより大きな効果をもたらすことが多々あります。臨機応変は、株式市場での投資家たちの行動や、あらゆるビジネス分野で優秀な人たちが採用している原則ではないでしょうか。学問や科学技術の分野でも、研究の戦略上の岐路に立つとき、あるいは研究室の運営や大きなプロジェクトの対応で、同様のケースが少なからずあります。その主なポ

八甲田山遭難

1902年、青森県八甲田山で陸軍が行軍訓練中に雪中遭難し、多数の死傷者を出す事故がありました。当時の日本は、1894年に日清戦争、1904年に日露戦争と、大陸での紛争に巻き込まれてゆく情勢にありました。冬季寒冷地での活動に不安を抱える状況に鑑み、こうした山中の冬季訓練は重要な課題だったのでしょう。この行軍は、陸軍の2つの連隊、青森歩兵第5連隊と弘前歩兵第31連隊がそれぞれ行いました。この事故では、青森第5連隊の参加者210名のうち199名が亡くなる大惨事になりました。他方、弘

少年老い易く学成り難し

「少年老い易く学成り難し」とは、漢詩で、日本では、ことわざ、教訓のような意味合いで使われています。以前は、朱熹(朱子)の作品だと言われていて、私もそうなのかーと思っていたのですが、最近の研究では別の方によるものだろうとも言われています。 https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/2/21421/20141016140925772298/kokubungakukou_185_27.pdf 原文は次の通りです。 少年易老學難

2020年代の未来予想

今年は2020年ですので、2020年代の未来予想を行うには明らかに遅すぎます。未来を描くには、最低でも30年、できれば50年~100年先を思いめぐらすことが重要です。でも、1~10年先の近未来は予想というよりも計画という観点で、いつも意識することが重要です。 世界の人口2020年1月26日現在、世界の人口は約77億6000万人です。以下のサイトで最新の数字を確認できます。https://www.worldometers.info/world-population/ 今後の