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神の子供たちはみな踊る

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村上春樹さん著『神の子供たちはみな踊る』原作および舞台についての感想です。
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記事一覧

マガジン「神の子どもたちはみな踊る」の歩き方

村上春樹さん原作の舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake 』は、2019/7/31~8/16に…

saiko
4年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を観る(感想4:片桐と高槻、その陰と陽)

繰り返しの説明になるが、原作では別の独立した2つの短編を、舞台では「蜂蜜パイ」の主人公・…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を観る(感想3:淳平が書くこと、そして語ること)

(まさきちに友だちがいないことに関連して) 「ジュンちゃんにはお友だちはいる?」 「沙羅の…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を観る(感想2:淳平の逡巡、小夜子の受容)

「考えてみれば淳平と小夜子との関係は、そもそもの最初から一貫して、ほかの誰かの手によって…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を観る(感想1:高槻の孤独)

本当に失礼な話だけれど、今回の舞台の「意外な」収穫の一つは、俳優・川口覚さんとの出会いだ…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を観る(Overview:淳平 meets かえるくん)

7月31日の初日から約1ヵ月、9月1日の神戸公演で、舞台「神の子どもたちはみな踊る」の幕が閉じ…

saiko
5年前
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『神の子どもたちはみな踊る』ステージ見学ツアーレポ

※こちらは8/15(木)の夜公演後に行われたステージ見学ツアーのレポです。 まだ観劇されていない方にとってはネタバレを含みますので、読まれる際はご注意ください。 まず、今回説明をしてくださる舞台監督の足立さんからご挨拶。 舞台監督は、モニターから全体を見て、効果などの指示出しをしているとのこと。 その後下手より舞台袖に入り、順路に従って見学するしくみ。随時足立さん他のスタッフから説明を受けることができる。 以下記憶に残っている範囲で。 私が見たもの、口頭で聞いたものなので

神の子どもたちはみな踊る(分析編6)

「タイランド」は、更年期に差し掛かった年齢である主人公・さつきが、ゆるやかな死へと生き方…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を読む(番外編~熊と蜂蜜と鮭と鱒と私~)

そろそろ、古川雄輝がブラと同じくらいこだわっている、熊についての話をしようじゃないか。 …

saiko
5年前
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神の子どもたちはみな踊る(分析編5)

「ストーリーはシンプルで読みやすい。さまざまな比喩表現があり、実はこういう意味があるので…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を読む(番外編~ブラジャーと鮭の皮と冷蔵庫と箱と私~…

…お前は平松愛理か!(しかもなんか多いし) まずは先日アップされた古川さんのインタビュー…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を読む(分析編4)

「かえるくん、東京を救う」を読んで感じたのは強い違和感だ。 …かえるくんがみみずと闘って…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を読む(分析編3)

「蜂蜜パイ」は、静かな短編だ。 主人公・淳平は、大学で親友となる高槻、運命の女性となる小…

saiko
5年前
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「神の子どもたちはみな踊る」を読む(分析編2)

前回のフェーズ(局面)の視点を意識しながら、「アイロンのある風景」を読んでみる。 フェーズは以下の通り。 (1)地震に関する情報を得る (2)過去と未来は絶えず続いていくものではない、と気付く (3)過去と未来をつなぐためになんらかの行為を行う 「アイロンのある風景」では、東灘区にいる三宅さんの家族が被害にあったかもしれない、という可能性が示される(1)。 三宅さんは、何か事情があって家族と離れ、数年前から海辺の町に暮らしている。大震災をきっかけとして、三宅さんは家族のこ