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「私のピークは今なんだ」と言いたかった

私の栄光時代がいつなのかはまだわからないが、少なくとも人生で一番頑張ったと言えるのは18歳の頃だった。
県で一番の進学校へ入学してしばらくは遊び惚けていたが、高校最後の1年間は文字通り生活の全てを勉強に捧げ結果的に早稲田大学に合格した。
間違いなく、人生のピークだった。

人間は弱いもので、自身の過去の功績を簡単に捨て去ることができない。
私などはその最たる例で、生まれてから18年という人生において最も未熟ともいえる期間を根拠として、自分の青臭いプライドを維持するのに必死だった。
「私ならできるはずだ。だって早稲田に受かる能力を持っているんだから」


これは私の持論だが、悲しいかな仕事をこなす能力と高い学歴を持つことは相関関係が薄いと思う。
「頭がいいからって仕事できるとは限らんだろ」などと工場の職人みたいなことが言いたいわけではない。

もちろん、士業の資格を取りたいと思ったら一定の学力が必要だし外国語を使った仕事をしたいと思ったら当然外国語を話す能力がある方がいいなどのケースもあるが、日本人が日本国内のみで仕事をするときに必要な能力は学力と違ったところにある。

先生から見えるところだけ頑張ってきたやつはそのメリハリの良さでずば抜けた営業成績を収めていたりするし、宿題を効率的な(ともすればズルい)やり方で済ましてきたやつは実行力の高さで会社を立ち上げて代表取締役になっていたりする。
そこに学歴が必要なケースはほとんどない。

なんでだよ。お前らより成績がいいのは私だったはずだろ。

言われたことをきっちりこなす”良い子ちゃん”は社会に必要されていないとわかったとき、私が首から提げていた学歴メダルは価値も耐久性もない折り紙でできているものだとようやく理解した。

人生に学歴が必要ないといくら頭でわかっていても、それまで学歴を心の糧にしてきた私に掲げるものは何もない。
空っぽになった神輿を担ぎながら、残った人生をどのようにごまかすか考えるのに必死だった。


ある日、部長から企業公式Twitter担当として仕事を打診された。
開店休業状態になっている弊社アカウントあるのだが一度運用してみてくれないか、とのこと。
部長としては、ラーメン屋など飲食店の周辺にあるコインパーキングをアピールすることで認知を向上させる程度に考えていたようだが、せっかく企業公式としてTwitterを始めるのであればもっと認知度を高めていきたい。
個人で10年以上Twitterの海を眺めてきた身として、たとえオワコンと言われようともやれるだけのことはやってみようと決意した。

とはいえ、コインパーキング会社のTwitterなど誰が見るだろうか。
コインパーキングとは目的地の周辺から検索するものであって「ご贔屓の会社があるからそこに行こう」となるものではない。そんなことは私が一番分かっている。
それでも私がK’sPARKの認知向上を目指すのには理由がある。

コインパーキング会社は、自社の駐車場があるエリアを日々調査して他社の料金形態や入庫状況をチェックしている。
それゆえに、同一のエリア内では最大料金がならぶことも少なくない。
目的地からの距離も料金も設備も同じ駐車場がK’sPARKともう1社あったとき、もしかしたらTwitterで弊社のことを見たことがあるとしたらそれだけで選ばれる可能性のひとつになりうるのだ。

限りなく薄い可能性ではあるが、コインパーキングという無人かつ無形の商材を扱っている以上、自社商品を選んでもらう可能性を少しでも高めようとするのは当然のことだろう。
Twitterだけではリーチできるターゲットが限られると考えた私は、可能性を最大化させるためにnoteとYouTubeも始めた。
画面の向こう側にいる未来のお客様との接点を増やすために、私のリソースはすべて注ぐ覚悟で広報活動を推し進めている。


「私の人生のピークは18歳だった。」
それはあくまでも過去を見つめたときの功績にすぎない。
18歳の栄光はもはや人生の呪縛となっている。
どんなかたちであれ発信を続け、人生で一番頑張っていた証を形作りたい。

私のピークは今なんだ、と言いたいのだ。


■K’sPARK Twitter:@Ks_park_
■K’sPARK YouTube:K’sPARK Ch.


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