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子はぜいたく品 4/8 - 日経新聞 30代 既婚 子どもなし

日経新聞の取ったアンケートの要約について、個人的に考えるところです。

これらのアンケートのコメントについて8回に分けて所感を述べます。
※ 内容は端的で数字の裏付けも出し切れていません。

30代 既婚 子どもなし

結婚して5年だが、子を生み育てることに興味を持つきっかけがない

深層的に子どもを持つことを望んでなかったらなかなか最初の一歩は踏み出さないのかなと思います。

多くの子どもを持たれている方は「子どもを持つのがあるべきこと」という感性があるというのも考えられます。ある意味旧来の思考ではありますが、とやかくいうことではないです。

一方で「子どもを持つべき」ということでなければ、興味を持たないと実行にも移らないとなるのでしょう。そうあれば、興味を持つきっかけがあり、その上で子どもを持つか持たないかの選択を出来るようになれば良いかと思います。

結婚まではマッチングアプリなどで機会創出は出来るでしょうが、子どもを持つことへの興味はテクノロジーでは解決が難しい分野でもあります。

結婚を機に退職し、現在求職活動中の32歳。配偶者の収入だけで生活を続けられないから、私が働き始めると世帯年収が上がり様々な国・自治体の支援制度を受けられなくなる。今の日本社会は子を産むことができる共働きの世帯に最も負担を強いているようで納得がいかない

配偶者の収入だけで生活を続けられない収入であれば、共働きになっても支援制度の枠から外れるということもなさそうですが。具体的な話がないので詳細は分かりません。

共働き というか 現役世代 への負担が多いのは同意ですが、子育て世代への支援は決して薄くはないと感じています。

現在妊娠中だが、不妊治療や妊娠中の女性に対する支援の不⾜、保育園の制度が酷いなど不満が⼤いにある

菅 元総理の取組で不妊治療への保険適用 が 2022年 から始まったのも含めて、妊娠中の女性・家庭への支援は 各自治体でも徐々に手厚くなってきているとは感じますが、100% の支援を求めていると、このようなコメントになるのかなと思います。

欧米では無痛分娩への 全額・大部分 の保険適用 がなされていることをみても日本の支援は的確に実施されても良いと考えます。

晩婚化やキャリアとの両立の難しさによって、産むタイミングが難しいのが少子化の原因では。現在不妊治療をしているが、通うだけでも仕事との両立が⼤変だし、保険適⽤であってもかなり⾼額

経済が発展していくと晩婚化が進む、少子化が進むというのは自明の理なので、その中でどう対策するかの話になるのでしょう。

ただ、少子化対策 とは 人口増に転ずることではなく、社会と経済を安定させることが出来る水準を保つということであり、政治としての少子化対策と子どもを持ちたいがなかなか持てない方々 は 子どもを作るという点では同じですが、そのモチベーションは違うと考えます。

1965年時点

少子化対策のために高齢者の負担が増えたり、高齢者いじめにつながるのは反対。誰でも⽣きてれば高齢者になる

限られた財源の中でどこに何を割り振るかを考えないといけないでしょうから、何かを手厚くするには何かを薄くする必要が出てくると思います。
そうなると、必要なところに必要なお金を出すためには、不必要なところにお金を出さないことと、今まで以上の収入を得る ことが必要になるのは家計も国・自治体の財政も同じ話なので、財政改善を実施するのが必須でしょう。

誰でも生きていれば高齢者にはなりますが、自分が高齢者になったときにどの様な高齢者になりたいか、どの様な社会になっていてほしいかを考え作り上げていく必要があると考えます。

産む人は産むし、産まない人は何をどうしたところで産まないと思う。現在の少子化には多様化する娯楽や、⽂化レベルで根付いた個人主義。政策ではどうしようもない

人間なので 個人の考え方もなにかのきっかけで 逆転することもありえます。そのきっかけづくりであったり、考えが変わった時の受け皿づくりは政策に求められる点であると思います。

政治臭い話になってしまいますが、個人主義で楽しんだ結果社会が傾いては楽しむことも出来ないということです。

多様化する娯楽 については 何がどう多様化しているのか、文化レベルで根付いた個人主義 とはどういうことであるのかの詳細がないので、このコメントはそういう考え方もあるなという局所的な内容だと理解しています。

子どもを産みたい気持ちはあるが、実際のところ金銭負担が⼤きく1人で充分かなと思う。賃金も上がらないので、自分が受けたような教育⽔準(私自身は中学から大学まで私立)を子どもにもさせてあげられないかもしれない

素直に言うと辛辣な言葉になりますが、自分自身が受けた教育水準の結果が二人目を持つことをためらう賃金水準 ということは、同様のことを子どもにしても同じ将来が待っている ロジックしかないです。

現在の賃金水準はさておき、子育て・教育の選択肢にはどの様なものがあるのかを知ることも大事だと思います。

子どもはぜいたく品。共働きでもどちらもヘトヘト。出産、育児どころではない。経済的なゆとり、生活のゆとりがない限り子どもを望むことは難しい。女性活躍は⾃己実現にはいいが、手立てをしないとますます少子化が進むだけ

このコメントが 日経新聞の記事のタイトルに引用されているものでしょう。

これも辛辣なコメントになってしまいますが、共働きでどちらもヘトヘトになるまで働かなければ良いのでは?という選択肢を考える余裕が持てないことがまずは問題であると考えます。

夫婦二人暮らし。二人とも40歳が⾒えてきて、そろそろ子どもを作るかどうかの分岐点に来ているが物価⾼や光熱費の高騰、上がらない給⼦、高齢で頼るのに気が引ける親など、問題山積で子どもを作る気になれない。政府のあまりの失策続きに失望している

子どもが欲しいのであれば一分一秒でも早くがおすすめです。

女性に子どもを産んでほしいのか、働いてほしいのかよくわからない社会だと感じる

両立して欲しい という無茶ぶりではあると思います。そのための下支えがまだまだこれから必要でしょう。

子どもはほしいが、身体的負担が女性のみのしかかるため、出産・育児によってキャリアが中断し昇進の機会を逃すことがある。最近結婚したばかりで、子どもをどうするか今まさに考えている

男性の育児休業もそうですが、ライフワークバランスを唱えるのであれば、休業 というカテゴリを設けるのではなく、休暇 としてキャリアの中で加算するべきだと考えます。


30代 既婚 子どもなし の層になると、子どもは欲しいが環境が伴わない という声が多いのかと感じました。

ただ、子どもが欲しいのであれば何はともあれ行動しないことには状況は変わらないですし、待っていても時間は過ぎていくので状況が好転することも難しいと感じます。


次回は 30代 子どもあり のコメントに対してです。



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