80.薬局就職について

こんばんは。

本日Twitterで、「病院薬剤師、薬局薬剤師の併願をして、病院薬剤師で落ちれば薬局薬剤師に就職すると伝えていたところ、落とされた。」という旨のツイートを目にしたので書こうと思いました。

薬剤師の年収推移と有効求人倍率

平均年収

薬剤師の平均年収は2019年時点で560万といわれているようです。
ちなみにこの数字はここ7年の推移では約30万円ほど上昇しているとのこと。

有効求人倍率

これに対して、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率は、私の就職時6.66倍ともろな売り手市場だったのが、2020年11月段階で1.99倍に。

1/3まで落ちています。

これは薬剤師のみにスポットが当たっているものではないので、正確な薬剤師のみの有効求人倍率はもう少しずれるとしても、減少傾向にあることは明白です。

これらを踏まえて

以前も記載しましたが、薬学部が6年制となり、薬学科新設校が急激に増えたことに対して、結局厚生労働省・文科省の折り合いがうまくつかず、薬剤師が爆発的に増えていることが1つ。

また、コロナ禍の受診控えで営業ができなくなった薬局も数知れず。倒産数も昨年は過去最多(2021年1-8月で22件)。この数値は実際M&Aで切り離していった店舗は含まれないので、実際経営困難になった薬局も含めるともっと多いのではと思います。

更には診療報酬改定による大手への締め付けも考えられますね。

私は今年に入ってから就活も兼ねて、いろいろな求人情報も確認しています。
肌感にはなりますが、全体的に求人件数は5年前香川に帰ってくるときに求人情報を確認していたときよりも薬局数が増えているにも関わらず思ったより求人情報が多くないことが印象的。

また、実際のアンケートの数値を見て2019年までで平均年収が伸びたのは、薬学部が6年制になったこと(通常で言う修士課程を得ている)から伸びないと理不尽だと思っています。

実際就職してしまって数年たてば、4年制大学卒も6年制大学卒もあまり変わらないのではと思っていますが…。
今後はそういったアドバンテージは考慮してくれなくなるでしょう。

薬局薬剤師の就活

本題に戻りますが、最初に記載したツイート。

「病院薬剤師、薬局薬剤師の併願をして、病院薬剤師で落ちれば薬局薬剤師に就職すると伝えていたところ、落とされた。」

私は正直落とされて当たり前のことだと思っています。
今までの売り手企業が特殊すぎたのです。

他のところが受かれば別のところに行くという人材をどうして採用にするか。
特に枠がどんどん狭くなっていっているところで確証を持てない人材の雇用よりは少しでも確証を持てる人材の雇用に力を入れるのは当たり前。

また、新卒で就職活動をしている学生は薬剤師資格をまだ持っていない状態。
ただでさえ資格を取れるかあいまいな状態なのにより確率の低い人材を採用とするなんて通常企業じゃありえない。

おそらく私の時代と変わらなければ、大学はいまだに「新卒ブランドが生きるのは病院、企業。薬局なんかは中途採用の転職でいい」という教育が横行しているのだろう。

その方(おそらく薬学生)の意見に唖然としましたが、実際自分が新卒の時の環境はそういう環境だったので、周りにもこういう人いたなーと感慨深くなりました。

かといって、やっぱり国家資格の保有はメリットで、他の学生に比べると圧倒的に就活は楽勝なのも現実です。

一つ言えるのは、もうあぐらをかいていても就職できる時代は年々過去のものに。終焉も近いこと。

給与なんかも2019年までの数値では上がっているものの、政治力の乏しい薬剤師の給与は今後医療費切迫を理由に多職種のしわ寄せがきて下がる一方。また、今回のコロナ禍受診控えで肌感にはなりますが、売上が下がってきている分、パート薬剤師の募集時給なんかも下がっています。

そんなに余裕じゃないのよ…。

以前も書きましたが、私立薬科大学で6年間1200万の学費を払っても、能力をつけないと厳しい世界です。
これから薬学部を志す方、入って今後就活を控える方。

現実はこんなもんだぞ。

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