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社会では常識!?名作中の名作vol.1『ショーシャンクの空に』を解説。

「常識として、知っていて当たり前」という前提で話される映画って意外と沢山あるような気がしませんか?例えば、日本だったらジブリ作品とか。どんな作品も、多くの方がラストのオチまで共有しているように思います。でも、「実は『紅の豚』は観てないんだよね…」という人や、「『となりのトトロ』のラストってどんな感じだったっけ?」という人だって、意外といるのではないでしょうか。

このシリーズでは、そんな「常識として、知っていて当たり前」の映画をあらすじからラストまで存分に書いて、皆さんに復習(予習?)していただきたいと思います!

Netflixで配信されている作品なので、「この作品面白そう!」と思えば観てみるもよし。話をざっくり知り、「そうそう、私も観ましたよ…」と知ったかぶりをする材料にするのもよし!

※ちなみに、ネタバレまでしっかりするので、「この先は自分の目で確認したい…!」と思ったら、すぐにNetflixに回れ右してくださいね〜!

今回vol1.で紹介するのは、1965年に日本で公開された映画『ショーシャンクの空に』です。

作品の評価

こちらの映画は、日本公開後に爆発的な人気を得て、1995年度の日本における外国語映画賞を数多く受賞しました!この評価の高さから、多くの日本人の胸に刺さった作品であることが分かります。また2015年には、アメリカ議会図書館によって、アメリカ国立フィルム登録簿に「文化的、歴史的、芸術的に重要な映画」として保存されることが決定するなど、後世に受け継がれるべき作品であると世界で認められています。

個人的にも、この映画って似たような作品が思い浮かばないんですよね。唯一無二な作品である気がします。そういう面で、「一見の価値ありな作品だな」と私は思います。

あらすじ

早速あらすじをつらつらと起承転結形式で綴っていきます。ポイントは、《3人の囚人とのストーリー》だと思うので、そこを抑えていればこのストーリーの本筋が理解できると思います。(逆に言えば、ここを抑えてさえいればもう作品の知ったかぶりは簡単です…)

<起>
舞台は、ショーシャンク刑務所。主人公である銀行員のアンディが妻とその愛人を殺害したとして、収容されるところから始まります。アンディは無実であることを訴えますが判決は終身刑となり、ショーシャンク刑務所での生活をスタートさせます。つまり、冤罪から彼の監獄生活が始まるのです。

アンディ
© 1994 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

<承>
そして獄内で出会った、キーパーソン一人目の囚人、調達屋のレッド。当初は孤立していたアンディでしたが、鉱物採集の趣味のためレッドに小さなロックハンマーを注文し、レッドとの交流が始まります。

左からアンディ、レッド
© 1994 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

さらに、アンディは元銀行員であることを活かして、遺産問題を抱えていた刑務所のハドリー刑務官を助け、ショーシャンク刑務所の他の囚人たちやハドリー刑務官、ノートン所長から一目置かれるようになります。

ここら辺から「自分の才能を活かして、困難な道でも切り開いていこう」というアンディの生き方が見えてきます。

次に、二人目の囚人ブルックスとの出会いは、アンディが図書係となったとき。ブルックスは、服役50年となるほど長い収容所生活を送っていた老人。アンディはブルックスの助手となり、ノートン所長やハドリー刑務官らの税務処理や資産運用を行います。また、図書係として、州議会に図書館予算の請求を手紙で送るようになります。

そして、ある日ブルックスに仮釈放の許可がおり、アンディやレッドからの説得により出所します。しかし、50年もの収容生活により外の社会での暮らしに慣れることができなかったブルックスは自殺してしまいます。

次第に雲行きが怪しくなってきました …
「刑務所から出て、外の社会に戻ること=絶対的な幸せ」だとは言えなくなるのです。

しかし、やがて良い事も起こります。アンディが送っていた図書館予算の請求の手紙が実を結び、刑務所の図書館は囚人たちの教養を身につける場所となっていきます。

一方その頃、ノートン所長は囚人たちの社会更生を図ると言って囚人たちに野外作業をさせ、建築業者らから裏金を受け取るという悪行を働きます。そしてアンディは、それら多額の不正なお金を隠蔽するという役割を担いました。

<転>
3人目の囚人、窃盗の罪で青年のトミーが入所してきます。アンディは彼に文字の読み書きを教え、トミーは高卒資格を取ることができました。

トミー
© 1994 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

そして、トミーは驚くべき真実を口にします。以前収容された刑務所で、アンディの妻とその愛人を殺したという男に会ったと言うのです。アンディは、トミーの証言があれば自分が無実であることを証明できるはずだと再審を所長に求めます。しかし所長にとってアンディは刑務所の優秀な経理担当者であり、自らの裏金に大きく関わっているため、それを却下。さらには、口封じのためにトミーを殺害します。

どんどんアンディの希望が絶たれて行くという、かなり絶望的なストーリー展開ですね。

ブルックスやトミーの死後、レッドはアンディがメキシコの海沿いの町『ジワタネホ』で余生を過ごしたいと言って伝言を残すことから、様子がおかしいことを悟り、自殺を考えているのではないかと、嵐の中の監獄で不安を募らせます。そして翌日の朝、点呼の場にアンディは現れませんでした。

<結>
アンディの房に足を運ぶと、壁にポスターの裏に隠された大きな穴が空いていました。レッドに調達してもらったアイスピックで、アンディは少しずつ穴を掘っており、ついに脱獄に至ったのです。外の社会に戻ったアンディは、ショーシャンク収容所のノートン所長の裏金問題を告発し、メキシコに逃亡しました。

その後、裏金問題が明るみになったノートン所長は拳銃自殺し、ハドリー刑務官は逮捕されます。一方、仮釈放となったレッドは外の社会に順応できず、ブルックスのような末路を辿りかけていました。その時、アンディの「『ジワタネホ』で余生を過ごしたい」という言葉を思い出します。

ジワタネホを訪れたレッド。アンディは残した言葉通りジワタネホにおり、二人は美しい海のそばで再会を果たし、抱擁します。

苦しい展開が続きましたがアンディの今までの行動は最後、実を結んだのです。

映画に込められたメッセージ

  • 腐らない心

あらすじにもあったように、作中のアンディには様々な試練が降りかかります。収容されたものの冤罪でしたし、収容所での孤立、ブルックスやトミーの死などもありました。しかし、アンディの心が折れることはありませんでした。結果として、アンディは所長や刑務官の悪事を暴き出し、レッドと再会することもできました。希望を持ち続けて行動するこのアンディの姿こそが、本作の醍醐味と言えるでしょう。

  • 友情と希望の関係性

キーパーソンとして挙げた3人の囚人ら受刑者同士との友情もこの作品のポイントです。脱獄や冤罪を晴らすことなど常に『希望』を持っていたアンディに対し、監獄の中で長く暮らしたレッドはその生活に依存し『希望』を忘れていたように思いいます。実際に、レッドは「希望は危険だぞ」とアンディに言い放っていました。

しかし、レッドが最後ジワタネホを訪れたのは、彼に再会の希望があったからであり、その根源はアンディとの友情とアンディの行動であり、それらがこの希望に繋がったのではないでしょうか。

さらに深く知りたくなった方に…

  • 原作者スティーブン・キングについて

スティーブン・キングは、「ホラーの帝王」と呼ばれるアメリカを代表する作家の1人。ホラーっぽくないですが、少年たちの冒険物語である『スタンド・バイ・ミー』や最近映画化されたの人気作の『IT』も同著者によるものです。原作はもちろん、映画化された作品まで“よく当てる”作家と言えます。

そんな売れっ子作家による原作で、今回の紹介作と同監督であるフランク・ダラボンの映画『ミスト』は、ぜひ皆さんに人生で一度は観ていただきたい作品です。最後まで観て頂ければかなり強烈な結末を目の当たりにするはず。そして、どんなメッセージが込められているのか。紹介作との関連性も読み解いてほしいです!

終わりに…

以上、『ショーシャンクの空に』をネタバレ100%で紹介させていただきました!
かなり長文になりましたが、楽しんでいただけていたら幸いです^^
vol.2以降の作品がまだ決まっていないので、紹介してほしい!という作品があればぜひ教えてください〜!では、また!






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