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見取り~察する技術~

ミラカタでの発表「子どもの見取り」加筆&まとめ
身体・心・魂の3視点をどのように捉えることができるのか

 身体を診取る

観察して、テンションや情動を捉える
偏りが大きい場合はレジリエントゾーンに向かうように調整する

ハイゾーン 

過覚醒:パニックゾーン
 交感神経が強く働き、心身が高揚している状態
 主に活動時:興奮、心拍数増加、呼吸速め
 ストレスが増えるほど活性化し、怒りや逃走を引き起こす

ローゾーン

低覚醒:コンフォートゾーン
 副交感神経が強く働き、心身が落ち込んでいる状態
 主に休息時:心拍数、呼吸数は減少し、瞳孔は小さくなる
 ストレスが少ないと活性化し、リラックスや睡眠につながる

レジリエントゾーン

適正な覚醒レベル:耐性の窓:ラーニングゾーン
 自律神経のバランスが整い、心身が安定している状態
 心地よいストレス状態、当人の能力でなんとかクリアできる課題など

自律神経だけでなく、ホルモンや脳波なども含む、生理学的な視点から身体の状態を捉える
心拍リズム、瞳孔径、表情や姿勢など目に見える部分が観察対象

心を視取る

推察して、心のエネルギーがどこに向いているのかを把握する
留まっている場合は、成長する方向へ促す

能動的実験

考えから次につなげ、物事にチャレンジする
 神経系は次におこる出来事を想定して備える→できる

具体的体験

実際に体験し、出来事を自分事として捉える
 刺激を受けて神経細胞が発火→きづく

省察的観察

体験を振り返り、出来事や感情を吟味し解釈する
 発火した神経細胞間で新たな回路の形成→わかる

抽象的概念化

経験から取り出された意味が無意識下に格納される
 形成された神経回路のミエリン化→使える

心のエネルギーを調整するためには、前段の身体を整えること
例:体験はハイモード、概念化はローモード
エネルギーの向きについては後述の発達段階を踏まえて適切に誘導すること


魂を観取る

洞察して、「器」の大きさ(視座)を確認する
 →発達段階と意識状態を踏まえて、より高位の段階へといざなう

※表と下記の人称は表記ズレがあります

1人称

自己へのフォーカス
自我の拡張範囲:自分自身 : 私
幼児~小学校低学年レベル、安全欲求
事物の具体的な1つの特徴を言葉によって捉えることができる

2人称

他者へのフォーカス
自我の拡張範囲:仲間:私とあなた
小学校高学年~中学生レベル、所属欲求
事物の具体的な特徴を1つ取り上げ、その特徴についてさらに1つの具体的な特性を説明することができる

3人称

集団へのフォーカス
自我の拡張範囲:集団の周りにいる人々:私たちとステークホルダー
高校生~大学生レベル、低次承認欲求 
ある事物を取り上げ、その事物の具体的な特徴を複数捉え、それらをまとめることができるようになる

4人称

外の世界へのフォーカス
自我の拡張範囲:社会や環境 : 人類とストーリーテラー
社会人~専門職レベル、高次承認欲求~自己実現
ある事物を取り上げ、その事物の抽象的な特徴を捉えながら、関連づけることができるようになる

5人称

構造へのフォーカス
自我の拡張範囲:ミクロとマクロの往還 : 神・自然・宇宙
達人レベル、自己超越
抽象的な面を関連づけ、一段階高次元の概念の中でそれらをまとめる ことができるようになる

いまここで、どの立場で物事を捉えられているのか?
発言の内容(主に語彙力)から発達段階を見出し、行動の影に隠れる真意を捉える
発達は段階が変わるのではなく、過去の段階を内包しながら進むため、状況によって低次の段階も発現する

教育において

身体:自律神経のバランスを整える
心:身体の状態と発達段階に合わせた環境をつくる
魂:自己中心性を減らし、自我の拡張性を高める
→見取りから、対象に最も適した学習環境を変化に合わせて選ぶ

【おまけ】
ハイゾーンからローゾーンへの落差が体験の質を決める
振り返りの深さは視座の高さと比例する