見出し画像

2020/11/06読書メモ

『日経大予想2021これからの日本の論点』日本経済新聞社[編]⑤

「東京の国際金融都市構想は、概ね10年おきに浮上しては毎回頓挫しており、今回は4度目にあたる。今回は目的を、国民の生活レベルを引き上げることだとした。ヘッジファンドを含む資産運用会社の海外からの誘致に力を入れ、その結果、日本の資産運用のレベルが上がれば、預貯金に滞留している個人金融資産の拡大につながるとしている。」

この話がいまひとつピンとこないのは、自分の資産運用の考え方のせいだろうか。投資信託での運用をしているが(積立NISA含む)、老後資金の確保が目的なので、ドルコスト平均法によるインデックスファンドへの長期投資がメインだ。確定拠出年金もインデックスファンドだけ。以前はアメリカと日本のインデックスファンドに分散していたが、アメリカ経済への依存度の高い日本のインデックスファンドに投資する意味が感じられず、より成長率の高いアメリカのみに変えた。
だから興味があるのは、日本の資産運用レベルの向上ではなく、アメリカを中心とした実体経済の長期的な成長率だ。

「海外からみた日本市場の最大の魅力は、約1,900兆円という個人金融資産だが、その多くが投資に向かわず預貯金に滞留している。その大きな原因のひとつが、資産運用会社にお金を預ける年金基金など国内機関投資家の保守的な姿勢である。国内機関投資家の意識改革こそが、失敗を繰り返してきた国際金融都市構想を実現するための最大の近道である。」

資産を預ける側の意識の問題として思考停止していては、今回も失敗するのは目に見えていると思うのだがどうだろうか。良い商品なのに買わない客の方が分かっていない、と言っている企業みたいなものではないだろうか。それよりも投資したくなるような優秀なベンチャー企業とそれを見つけ出して育てるノウハウを持ったプライベート・エクイティ・ファンドを増やすような政策のほうが先な気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?