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2020/11/04読書メモ

『日経大予想2021これからの日本の論点』日本経済新聞社[編]④

日銀の3つのコロナ対策
1.企業等の資金繰り支援
・コマーシャルペーパー(CP)・社債等の買い入れ:残高上限約20兆円(従来は約5兆円)
・新型コロナ対応金融支援特別オペ:約100兆円
2.金融市場の安定確保
・国債のさらなる積極的な買い入れ:無制限
・米ドル資金供給オペ拡充:無制限
3.資本市場におけるリスク・プレミアムの抑制
・ETFの積極的な買い入れ:年間約6兆円→当面、上限年間約12兆円
・J-REITの積極的な買い入れ:年間約900億円→当面、上限年間約1,800億円

リーマン・ショックが金融部門で起きた危機だったのに対して、コロナ・ショックは実体経済発の危機であり、現時点で金融システムは全体としては安定している。ただし、「感染症の影響が想定以上に大きくなった場合には、実体経済の悪化が金融システムの安定性に影響を及ぼし、それが実体経済へのさらなる下押し圧力として作用するリスクがある」と(日銀が7月に公表した)展望レポートは書いている。

(日経平均株価や10年物国債利回りのチャートをみると、3月に一旦下落したが、その後は回復して安定しているようだ。日銀のコロナ対策の2と3は、今のところ成功しているということだろう。しかし、問題は実体経済が今後どうなっていくかが、まったく予想できないことですね。)

日銀の異次元緩和はさらに長期化し、マイナス金利の解除が実現するのもかなり先になりそうになってきた。
FRBは2020年8月下旬、物価上昇率が目標の2%を一時的に上回ることを容認する新しい政策を決め、ゼロ金利を長期化させる姿勢を示した。重要なことは、日銀の金融政策が、この米金融政策の動向の影響を受ける点だ。
過去25年間に日銀の利上げ局面は2回あった。2つの局面には共通点がある。日銀が動けたのは、米国が金利引き上げ局面を終えた後だったということだ。

(日銀がゼロ金利政策を解除したことがあったのか。ドルの金利が高い間は、円買いよりもドル買いに走るから円高にならないということだな。輸出に依存している日本の企業にとって円高は不利になる。なんかコバンザメみたいな政策だな。ドルが利上げしても、日本の物価上昇率が目標の2%にいかない状況なら、日本も一緒に利上げする必要がないような気がするんだがどうなんだろうか。そういえば積読になっている池尾先生の本があったので、今度読んでみるか。)

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