見出し画像

2020/11/11読書メモ

『日経大予想2021これからの日本の論点』日本経済新聞社[編]⑥

(ちょいまとめ)
国民に給付される社会保障費は年間約120兆円(年金57、医療39、介護11、子育て8、その他7)と、2020年度当初の一般会計予算102兆円を大きく上回っている。今年はコロナ対策でさらに増え、ひとり10万円の給付金だけでも13兆円必要で、国債発行で賄っている。

社会保障費の財源の5割は社会保険料(労使折半)、4割程が税金、残りは年金積立金の運用益などとなっている。しかし、日本の行政は税金の収入ではまったく足りていないため、一般会計予算のおよそ3分の1は国債などの借金で賄っている。借金の総額は年間GDPの2倍をはるかに超えており、先進国のなかでは最悪の部類。

2040年度の社会保障給付費は約1.6倍となる推計。財源として社会保険料については、健康保険料は給与の約10%から12%に、介護保険料は給与の約1.5%から2.5%になる見通し。年金保険料は試算がないが、厚生年金は現在給与の18.3%(を労使折半)で、すでにこれが制度で定められた上限。
財源としての税金については、政府の明確な言及はない。消費税だけで社会保障費を賄うには10%では足りないが、今以上に上げていくのはかなり難しいため、所得の多い人や内部留保の厚い企業の負担増は避けられそうにない。

(思案)
以前に読んだ記事では、消費税率10%への引き上げで、5兆円台の税収増加が見込まれているとのことだった。しかし、本来の増税目的である財政健全化に使われるべき税収の一部が、子育て支援などに使途変更されるため、財政健全化に使われる割合が80%から50%に引き下げられ、2020年であったプライマリーバランスの黒字化目標が、2025年に先送りされたとのことだった。5兆円台の50%ということは2.5兆円程度なので、一般会計予算102兆円の3分の1を国債などの借金で賄っている状況ではいっこうに借金が減らず、焼石に水みたいな状況ではなかろうか。なぜ2025年にプライマリーバランスが黒字化される目標なのか不明だ。
あと、年金は一般会計ではなく、特別会計ではなかったかな?このあたりの知識は不正確なので、やはり財政の本も読んでみないとなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?