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【掲載記事】広報みなみそうま 市民記者コラム (2021年1月号、2月号、4月号)

小高にある村上海岸でみた日の出

いい町

 「南相馬のどんなところに魅力を感じますか?」移住者として話を聞かれる際、必ずといっていいほどこの質問を投げかけられる。私が南相馬で魅力に思う部分は人が作り出す空気感とか何かで、言葉にするのが難しいから、いつも少しだけもどかしい。
 普段接する人たちからは、南相馬への敬意が感じられる。なんでもかんでも手に入る立地ではないし、派手に遊ぶには物足りなさもある地域かもしれない。だからこそ、楽しく満足に生活したいから、とより住みよい地域にするために動き続ける人や変化し続ける町を、私は飽きることなく見ている。人と話して、時には自分も手足を動かして、町に参加する。いち生活者の私にとってはそれは面白く、歓びになる。
 町と一緒に変化しながら、もっと南相馬が好きになれたら幸せ。新しい1年も今から楽しみです。

(広報みなみそうま  2021年1月号掲載)


手づくりおやつを少しずつ食べる

美味しい循環

 おうち時間が増えて、料理に費やす時間が増えた。外食でしか食べなかった料理に挑戦し、意外と家で作れるなどと焼き菓子にはまったり。自分で作ったものを「美味しい…」と思えることは幸せだなと改めて思った。
 我が家は夫婦2人暮らしだから、作りすぎてしまうこともあった。そんな時には「あっ、おすそ分けしよう」と家族や友人たちの顔が頭に浮かぶ。口に合うかな、喜んでもらえるかな。ドキドキしながら頬をゆるませた。
 南相馬で暮らし始めてから私自身、野菜や果物、時にはおかずに食べてとお惣菜までいただくことも少なくない。だからこそ、自分のもとに美味しいものがある時には「どうぞ」と届けたくなる。美味しい循環を味わいながら、これからもどんどん回していきたい。

(広報みなみそうま  2021年2月号掲載)


散歩にて夫と写真を撮り合う

ハレの日

 毎朝、今日はどんな天気かなと、1日のはじまりを想う。部屋に差し込む光と起き抜けの空気感でなんとなく見当はつくけれど、カーテンを開けた時に太陽の温かさを感じると嬉しい気持ちになる。予定を詰めていない休日は、遅めの朝食をすませてのんびり過ごす。春の、ハレの日。家に差し込む陽だまりのおかげで、身体と心はポカポカ、気づいたらウトウトしてしまう。
 「散歩に行こう」と家族を誘って、あてもなく出かける。1時間歩くか歩かないか、そんなテキトーな散歩が好きだ。おやつが食べたくなったら買えるように財布とスマホ、趣味のカメラがいつものお供だ。
 マスクも、欠かせない。
 感染症との共存が当たり前になり、何かと気を遣わなければならない生活。感染症がなくとも忙しない日々の中で、心から安らぎ穏やかな時間を、私たちはこの1年でいったいどれほどもてただろうか。これまでしなくてよかった心配事は間違いなく増えてしまったように思う。
 だからこそ、なんでもない日を、ただ天気が良いだけでご機嫌になってしまうようなハレの日を、良い日だなぁと存分に、堪能できたら幸せだなと思う。一人ひとり、異なるとはいえ毎日が、生活は続いていくから。もうしばらく続きそうな気の抜けない日々だけど、ハレの日を糧にしてやり過ごそう。
 来年、桜が咲くころには、散歩だけじゃなくピクニックをして、家族や友達とお花見しながら美味しいものをたーんと食べたい。どうかこの願いが叶う日が近くやってきますように。

(広報みなみそうま  2021年4月号掲載)

こちらの記事はすべて、南相馬市の許可をいただき掲載しております。

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