六道慧の花暦2024年2月(3)

 昭和の下町(4)
 ビートルズ、来日。この話題は避けて通れません。リアルタイムで観られたのは、幸いでしたが、なにしろまだわからなくてね。へえ、なんて興味津々、テレビで飛行機のタラップを降りる4人を見た憶えがある。その影響でしょう。日本でもグループサウンズが花盛りとなりました。
 タイガース、テンプターズ、ワイルドワンズ、ジャガーズ、ブルーコメッツ、オックス。オックスが最後になったのは、中学生のとき、同級生とライブハウスに観に行ったからです。私はファンじゃなかったんだけど、親友のその子が大好きでね。演奏中に失神しちゃうキーボードだったかな、赤松愛(敬称略)の大ファンだった。
 池袋のアシベ(ACBかな?)でした。本当はいけないんですよ、はい、わかっています。しかも学校が終わった後、行っちゃうんだから、いやはや、恐い物知らずというかなんというか。
 アシベは新宿と渋谷にもあったような気がする。ただ、私たちが行ったのは、池袋だった。さして大きくない店でしたが、生意気に(?)2階席があってね。手を伸ばせば届きそうなぐらいの距離で歌声を聞けた。
 学校は今ほど厳しくなかったな。オックスだけじゃなくて、ジャガーズも観た憶えがある。うろ覚えだけど……楽しかった。赤松愛は生演奏では、失神しなかったですね。今はなにしているんだろう。元気に暮らしているだろうか。
 そして、2023年。ビートルズが新曲を発売しましたね。今の技術力はすごいなあ、と思いました。
 みんなに夢を与えてくれてありがとう!
 私の兄もビートルズの魔力に取り憑かれたひとり。19歳のとき、ミュージシャンになりました。当時の給料は、15万程度と聞いた憶えがある。大学出の商社マンと同じだとか言って得意げだったな。小さなクラブやキャバレーのバンドマンとして、20年ほど演奏していました。でも、カラオケの登場で仕事は激減。生演奏をする店がなくなっちゃった。いまや生演奏は贅沢の極み、かも?
 よくリクエストしたのが、『禁じられた遊び』。グループサウンズ以外の曲は、それぐらいしか知らなかったから。綺麗な細い指で弾いてくれましたっけ。
 ちょっと切ない思い出です。

#エッセイ #ビートルズ #昭和の下町 #六道慧   #音楽 #ライブハウス  

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