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【Synchronicity】(1983)The Police 80年代の醒めた高性能ロックアルバム

私のポリスとの出会いは、高校時代にレンタルCDで聴いた【白いレガッタ】が最初でした。1989年くらいのことですから、既にスティングはソロで大成していました。

確か当時パンクロック好きな友人に勧められたのがきっかけだったのですが、初期のシンプルでソリッドなサウンドはやはりカッコ良く、すぐに気に入りましたね。

それから暫くして本作を聴いたのですが、格段にポップに磨きのかかった内容は圧倒的でやはりハマりました。

20歳そこそこのある夏、毎日、毎日、それこそ浴びるようにカセットで聴いたことが懐かしいですが、実は今でも時々聴く愛聴盤なのです。

米国A&MレコードのUS盤です。

前作から引き続きカスタマイズされたデザインのレーベルが使われ、この当時のバンドのポジションを感じます。

ジャケットの各写真、「青赤黄」の3色のペイントの配列は無数のパターンがあるそうです。が、そこまで私は意識して見た事はありません笑

個人的にこのUS盤、そこそこ良い音だと思ってるのですが他を聴いたことがないのです。

良い音の盤を知ってる方いらしたら教えてください笑

A-①「Synchronicity Ⅰ」
    ②「Walking In Your Footsteps」
    ③「O My God」
 ④「Mother」
 ⑤「Miss Gradenko」
 ⑥「Synchronicity Ⅱ」
B-①「Every Breath You Take」
 ②「King Of Pain」
 ③「Wrapped Around Your Finger」
 ④「Tea In The Sahara」
CDのみ「Murder By Numbers」

本作はバンドにとって5作目となる最終作。スッキリと洗練されたサウンドが印象的です。デビューからたった数年で物凄い進歩を感じますね。 

A面はプロデューサー、ヒュー・パジャムと創り上げた先鋭的なアレンジが目立ちます。 

まずA-①のいきなりのプログラミングされたシンセの音にビックリ!
疾走感ありながらもデジタルを駆使したサウンド。それでもスチュワート・コープランドの緻密かつ肉体派なドラムのおかげで、生っぽさは消えずちゃんとロックしてます。

A-②以降はワールドミュージックを意識した曲が続きますが、シーケンサーなど使いながら洗練されたサウンドが先鋭的。
発狂し続けるアンディ・サマーズ作のA-④も前衛的ですが、どこかエスニック風。

アフリカ?インド?聴いてる側は音楽で世界を旅している気分のA面です。彼らの知的なセンスを感じますね。

ラストはポリスビートのA-⑥で聞き手もテンションUP!よく出来た構成です。


一方のB面は、スティング作の珠玉のヒットナンバーが並びます。

B-①は言わずと知れた80年代の名曲ですが、
この曲は何と言ってもアンディのギターが素晴らしい!
あの秀逸なバッキングあっての名曲ですね!!

私は昔カラオケで序盤からこの曲を歌ったら「何だかお開きみたいですね」と後輩の女のコに言われ(泣)、以来歌ってません…。

個人的にはB-②が好きなのですが、ややオリエンタル風情のB-③と並んで、感傷的だけど過剰ではないスティングのメロディセンスには聴き惚れますね。声も色気あります。

LPでは憂いのあるB-④で終わり。ジャジーかつ冷淡でイイです。でもここまで来ると後のスティングのソロの世界ですね。
こういった演奏にもしっかり応えるバンドの懐の深さはさすが。やはり最強のトライアングルだなぁ。

さらにCDのみ収録「Murder By Numbers」も最高。ジャジーでスイングした演奏が冷やかな感触で、バンドの終末感が伝わってくるようです。


そういえば、撮影魔だったスチュワート・コープランドが、当時8ミリフィルムで撮りまくったバンド時代を纏めた映画【ポリス インサイド・アウト】(06年)はなかなか貴重な映像ばかりで楽しめました。

しかし期待の【シンクロニシティ】録音時の映像は全く無し。きっと撮影していなかったのでしょう。バンドがすでに破綻していたことを改めて感じました。

そんな緊張感の中で制作された本作は、先鋭的なサウンドと普遍的なポップ作品が並んだ素晴らしい内容です。

昔よく聴いたアルバムですが、今も時折聴いては、懐かしんだり元気をもらってます。

完璧という言葉があるとするならば、個人的には思い浮かべる作品の1つですね。
いまだに古びない、1980年代を代表する名盤だと思います。

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