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【Performance〜Rockin' The Fillmore】(1971)Humble Pie  UK盤との出合い

よっしーです。長らくCD派だった自分が、再びアナログレコードにハマったきっかけの盤は何だったかな?と振り返ってみると、何枚かある内の1つにこのHumble Pieのライブ盤が入ります。

Humble Pieは60年代末に、S.マリオットとP.フランプトンを中心に結成した英国のロックグループです。初めはどっちつかずの音楽性でしたが、70年代に入り、マリオットの黒人フィーリングを活かしたハードロック路線を押し出し大成功。73年には来日もしました。

もう何年か前です。以前話した町田市の中古屋で、私はこのライブのUK盤を買いました。店にUS盤、UK盤(どちらも再発)があり、聴き比べさせてもらったところ、ハッキリとUK盤の方が音が太く、迫力があったので驚いたのを覚えています。同じレコードでも生産国によって、こうも音が違うのかと初めての体験でした。

しかし、その頃は私もまだアナログの音に対して半信半疑でしたので、家で紙ジャケCDと聴き比べてみました。するとCDが高音域を引っ張ったような少しキンキンした音なのに対して、アナログUK盤の方は低音が響きまくりドッシリした音。なるほど、確かにレコードの音スゴい!と、ようやく理解したのです。

ちなみにこのUK盤、後に調べたところ、73〜75年にプレスされた盤でした。シルバー地に青っぽく「A&M」の文字が入ったレーベル。ジャケには廉価盤の表記もあります。

あれ以後、このアナログの世界にどっぷり浸かってしまい、次第に、じゃあ他国のオリジナル盤はどうなの??と興味が沸々と湧いてきて、国内キング初盤、USプロモ盤と買ってみました。が、結果、低音域の迫力、全体的な音の響きはUK盤が1番でした。

やがて、ついに憧れのUKoriginalを手に入れます。割と安めの値段で、コンディションもそこそこ良いものだった(これ大事ですよね!)ので思い切って購入。マトリックス全面1です。聴き比べてみて、初めは良くわからなかったのですが、最近改めて比べてみたら、UKoriginalの方が、ボーカル、ギターなどの高音域が若干出ていました。もちろん低音域もあります。初めに買ったUK盤も大好きですが、そうか母国UKoriginal盤、これが数年のプレスの差なのかぁ、と今更ながら納得した次第です。

Humble Pieはこのライブ盤で大きくブレイク、米国進出を果たしますが、アルバム発表前にP.フランプトンが脱退。後釜に元ColosseumのD.クレムソンが加入します。そして更にマリオット色を強めて人気バンドの仲間入りに。

スタジオ作品でも【Smokin'】を始め名作を連発しますが、ことライブ演奏の面白味に関して言えば、この【Performance】の頃の方が良かったように思います。

個人的な意見ですよ。マリオットの黒すぎるフィーリングを、ジャジーなフランプトンのギターが中和させる役割があり、ハードロックな中にも繊細な感性が宿る、まさしくブリティッシュロックの香りがあったように感じるのです。

Dr.ジョンの「金のとげ」を20分以上の拡大解釈した即興演奏を出来たのは、フランプトンの感性があったからだろうし、M.ウォーターズを原曲とした「ローリン・ストーン」の最後にハードな場面転換をみせ、静と動を演出するなど、その後には見られなくなった魅力がありました。

以降のマリオットが宣教師の如く煽りまくるHumble Pieもカッコいいですが、演奏が一本調子になってしまった印象なんです。

やっぱりこのライブ盤は渋いですね。のっけの「フォア・デイ・クリープ」がファンキーなリフで始まり重戦車のようなノリでカッコいいし、ラストの「ノー・ドクター」は剛腕直球の必殺ナンバーでシビレます!最高です。

S.マリオットって本当にソウルフルな凄い喉してますよね。たまに声がチータの水前寺清子に似てるなぁ、と思いませんか??僕は思うんですが。

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