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光と魅せ方@東洋大学

兼任講師の黒田です。
前回のカメラとレンズの話に続いて、ライティングについて書いていこうと思います。ライティングとは、簡単にいうと「光」をコントロールすることです。カメラのアングルを決めることと同じくらい大切な技術です。今回も導入としてライティングの基本に触れていきます。

私からの授業用コラムは今回までとしますが、今後もnote(このページ)に何かしら情報をまとめていくかと思います。興味がある人は作品作りに役立ててもらえればと思います。

光には種類がある

光には大きく分けて自然光と人工光があります。自然光とは、その名の通り自然界にある光です。ギラッとした太陽光や柔らかな曇り空の光、夕日などです。人工光は、部屋の照明器具、車のヘッドライト、iPhoneのライトなど、人が作り出した光です。
強さや色・硬さ(直進性)など光の性質がそれぞれのライトによって異なります。もっと詳しく知りたい人はネットや書籍で調べてみてください。

光と影をコントロールする

何かに光を当てると、反対側に影が落ちます。CINEMA4Dではライトを配置すると、光の当たり方を計算して自動的に表現してくれます。光と影は常に表裏一体です。光をコントロールするということは、同時に影もコントロールすることになります。

ドライヤーの課題でいえば、ライトを配置すると背景にドライヤーの影が落ちます。この影の位置や濃さは絵の魅力を決める要素のひとつになります。見せたいものはドライヤー本体ですから、邪魔にならない(気にならない)ようにコントロールする必要があります。

建築は自然光、プロダクトは人工光

ライティングでも建築とプロダクトでは異なる考え方を標準としています。それぞれの理由と特徴について簡単に解説します。

建築の場合
建築では主に太陽光と空の光を使います、つまり自然光です。屋外に配置される建築では自然光が最も自然な仕上がりになります。太陽の光は時間帯によって高さや強さが変わりますし天候も刻々と移り変わります。建築物の北向き南向きも考慮して撮影する時間帯を決めてから撮影をします。夜景や内観では室内の照明設備(人工光)を点灯させて撮影します。CINEMA4Dでも太陽光を表現できます、時刻を入力すると太陽の位置をシミュレーションしてくれます。

プロダクトの場合
プロダクトの製品写真は「物撮り」と呼ばれます。ウェブショップやカタログなどにこの写真が並びます。これは白い幕を背景にしてスタジオ撮影されることがほとんどです。ドライヤーの課題で作った背景もこの白い幕を模したものです。ライトは1~2灯程度の人工光を使って演出していきます。プロダクトの良さが引き立つようにライトを配置します、上下左右前後どこにでも配置する可能性があります。また、必要に応じてPhotoshopでレタッチすることもあります。

光と影についても生活の中で意識して目を向けてみてください。どんな光がどんな影を落としているのか。どんな色をしているか。何かをデザインするときに活きてくるはずです。

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