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青春アドベンチャーの傑作!漫画化もされた傑作をあらすじ付きでレビュー【北壁の死闘/ボブ・ラングレー】

第10回は北壁の死闘/ボブ・ラングレーです!冒険小説の名作と言われる本作をレビューします。

※尚、予告後にネタバレがあります。


1.基本データとあらすじ

1-1.基本データ

1-2.あらすじ

アイガー北壁の難所、《神々のトラバース》を登攀中のクライマー二人が、奇妙な遺体を発見した。白骨化した下半身、氷漬けになっていたため損われていない上半身。二人は下山後警察に通報するが口止めされる。話をききつけたBBC調査員が探り出した意外な事実。第二次世界大戦末期、原子爆弾開発をめぐってナチスドイツが精鋭クライマーを集めて打った奇策とは…。 比類のない迫真の登攀シーンで話題を読んだ山岳冒険小説の傑作!

Amazon他より

2.主観的評点と向き/不向き

2-1.主観的評点

主観的評点は以下の通りです。

2-2.向き/不向き

向いている人
・山岳小説、冒険小説全般が好きな人
・第二次世界大戦のナチスドイツを舞台にした作品が好きな人

向いていない人
・翻訳小説独特の言い回しが苦手な人
・詳細な登攀(とうはん)描写、山登り描写に興味が無い人

3.ネタバレと感想

以下、核心の部分に触れておりますので未読の方はご注意ください。











3-1.ミステリの結末

シュペングラーは過去にアイガー北壁で仲間の凍死の遠因を作った負い目から登山に後ろめきとなるも、ヘレーネの精神的サポートや登山の成功体験により自信を取り戻す。

ナチスドイツが戦争の力関係を逆転させる為、企図した原子爆弾研究者のラッサー博士の拉致には成功。しかし、追手が迫りくる事情も有り、逃亡には山の内部を通るルートでは無くアイガー北壁を登るルートを選ばざるを得なくなる。

最終的にアイガー北壁登頂に成功。だが登攀の途中で、ヘレーネとラッサー博士を置いて来てしまう。彼らを救出する為、再度下降。その後、2度目の登攀を試み成功。

シュペングラーはアメリカ兵には救われなかったものの逃亡に成功。ポーランド人に名前を変え、ヘレナと結婚。イギリスにて余生を過ごしていた。
※プロローグで発見された遺体はヘンケのもの。

3-2.ネタバレ感想

様々な氷壁の過酷な登攀描写がページの大部分を占めます。ちょっとモタモタすると言うか、翻訳調の固さも相まって派手さに欠ける印象を持ちました。

クライマックスの登攀のシーンはまさに凍える氷壁の寒さを良く描いているとは思うもののイマイチ自分にはハマりませんでした。

僕はクライミングをしないので大変さや過酷さが伝わらないと言うか、"あれだけの困難があってヘレーネも博士も無事だったの?"と言う印象で終わってしまいました。描写的に凍死か四肢を切断して終わる、みたいなラストを想像していたので。

事前に実話のヒンターシュトイサーの登攀を描いた映画『アイガー北壁』を観ておくと、映像がイメージしやすくなると思います。

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