【ギリシャ棺の謎】犯人当ての名作!作者に脱帽の名作をレビュー(予告後ネタバレ)
第11回はギリシャ棺の謎/エラリー・クイーンです!英米ミステリ黄金期、本格ミステリの金字塔と言われる本作です。
エラリー・クイーンとディクスン・カーは日本の新本格作家に多大な影響を与えたとも言われているので、新本格ミステリを割と読んで来た身としては先祖帰りです。
※尚、予告後にネタバレがあります。
1.基本データとあらすじ
1-1.基本データ
1-2.あらすじ
2.主観的評点と向き/不向き
2-1.主観的評点
主観的評点は以下の通りです。
2-2.向き/不向き
3.ネタバレと感想
以下、核心の部分に触れておりますので未読の方はご注意ください。
3-1.犯人と動機
犯人はペッパー地方検事。グリムショーと共謀し殺害、ハルキスの死を利用し、スローンを自殺に見せかけ、ノックスを犯人に仕立て上げた。
犯行現場に敢えて偽の手がかりを残し、エラリーを欺き、ハルキスを犯人に仕立て上げた。スローンを自殺にみせかけグリムショー殺しの犯人に仕立て上げた。
タイプライターを用いて脅迫文を作成。2枚目(仮)の本物の絵を手に入れようとするがエラリーの智略にかかって射殺される。
3-2.ネタバレ感想
科学捜査が無い時代の作品だけど、比較的楽しんで読めました。
僕はネチネチと論理的な説明(謎解き)が続くタイプのミステリが苦手なので笑、全体的な評価はAとしました。
推理小説としては良く出来ていてもエンタメとしては僕には合いませんでした。推理披露パートが冗長で(これは論理の鮮やかさとも言えるのですが)、推理小説の定石とかフェアプレイと言えばそうなのだけれど、"言われてみればそうですね"と空中戦を見ている読後感でした。
描写自体は、棺の中の二体の死体、偽装殺人等々、おどろおどろしさマシマシです。困難を極めて行く捜査、怪しい登場人物たち、海外も含めての捕り物劇、、、とスリリングでした。一度示しかけたエラリーの解決が否定されるのも良いですね。
文体が固くなりがちな翻訳小説においても奇跡的な読みやすさでしたが、後半の謎解きパートで僕はちょっと失速しました。寧ろ前半〜中盤のページをめくる速度が早かったです。体感であっと言う間に読み終わりました。600P超えの長編ですが、現代小説の感覚でなんとか通読に耐えたのは訳者の力と思います。
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