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medium 霊媒探偵城塚翡翠/相沢沙呼

第5回はmedium 霊媒探偵城塚翡翠/相沢沙呼です!2020年のミステリランキングを席巻した本書を読了。レビューします。
※尚、予告後にネタバレがあります。


1.基本データとあらすじ

1-1.基本データ

1-2.あらすじ

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。

一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。
だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた―。

amazonより

2.主観的評点と向き/不向き

2-1.主観的評点

2-2.向き/不向き

本作が向ている人
・どんでん返し/最後でひっくり返される作品が好きな人
・可愛い女の子が主人公の作品が好きな人

本作が向いていない人
・グロテスクな表現が苦手な人
・ミステリに簡潔さを求める人

3.ネタバレと感想

以下、核心の部分に触れておりますので未読の方はご注意ください。











3-1.犯人と動機

犯人は探偵役の香月史郎。連続女性殺害を行った理由は、若くして死んだ(死なせてしまった)姉の心理的トラウマ、性的錯誤の為。

ターゲットとなる女性を、SNS等駆使し殺害。徹底的に証拠隠滅を測るも、最後のターゲットである城塚翡翠殺害には失敗。

城塚翡翠はインチキ霊媒師にして奇術師。霊媒は演技にすぎず、圧倒的な推理力でもってして香月をサポートしつつ監視していた。

3-2.ネタバレ感想

3つの事件と各々に謎解き、そして最終章と言う構成です。倒叙ミステリと特殊設定ミステリ、日常の謎に多重解決をふんだんに詰め込んだような1冊の印象を持ちました。

僕は、オマージュ元である山田風太郎の明治断頭台を読んでしまっていたので衝撃度は落ちてしまいました。正直、解決パートがダルく僕にはハマりませんでした。多重解決が冗長に感じちゃうんですよね。犯人が分かったシーンがピークで盛り下がってしまいました。

本作を読み始めた頃はミステリの主要な名作どころを読み終わっていた時期でした。どうしても、先行例があったりすると驚きは薄くなってしまいます。僕はミステリが好きと言うより、話題創りとしてのミステリ読みと言う側面も有るので、ちょっとキツかったのが正直な所です。

普段あまりミステリを読まない人に向いているのかもしれません。

こちらの作家さん、ライトノベル出身のようです。文章が読みやすくてポンポン進むのは良いと思います。語り手の香月の独白+霊媒探偵の城塚翡翠の女子高生喋りと言う体裁で、会話体で進むのも良いです。

4.まとめ(ネタバレ無し)

以上がmedium 霊媒探偵城塚翡翠/相沢沙呼でした。いかがでしたでしょうか。興味を持たれた方は、是非ご一読ください。

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