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友達《小説》

 彼女はわざわざ職場に貸したお金を届けてくれた。他に貸した人たちは、なんだかんだと理由をつけて返すという話しにもなっていない。

 彼女は、私の職場での格好を「うん、ちゃんとした人って、よっちゃんみたいな人だ。本当に時間がかかってごめん。」平謝りしながら、褒めてくれた。

 私は、昔から、ちゃんとなんかしていない。彼女だけが、「よっちゃんみたいだったら、人生違ったのに」と大真面目に私に言ってくれた。

 私は、彼女のように光るものを持っていない、彼女のほうが、友人にいつも囲まれて、やりたいことがあって、いつも新しいことを私に教えてくれた。ちゃんと自分のやりたいことに向かって今はライターなんてすごい職業についた。

 今回貸したお金もきっと彼女の役に立つと思ったので貸したけど、よりによって、あんなことで返却をお願いしないといけなくなるなんて、全く私は、いつもこうだ。

 それなのに彼女は、あんなに平身低頭して謝ってくれただけで、私は、お金を貸した以上の喜びを受け取って、クサクサしていた気持ちも吹き飛んで、明日からの仕事も変わりなく来ることができそうだ。

 いつか、必ず彼女は有名になると私は思っている。有名になったら私のことなど忘れて欲しい。近くにいると本当は、眩し過ぎるのだ。遠くの星空で、一番輝くべき人だ。そんな話しを近くにいると眩し過ぎるを伏せて彼女に話したらゲラゲラ笑っていた。

 < 解説 >
林真理子さんの、私のスフレに出てきた「彼女の居場所」からインスピレーションを受けて作った全くの妄想小説です。林真理子氏と友人の方には、全くのただのファンの二次創作を許可もなく書いてしまい申し訳ありません。連絡の手段がないのでここで謝ります。だった、私が友達ならこう思うかなというインスピレーションで作った小説です。

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