見出し画像

191207 J1第34節 浦和レッズ ×2-3○ ガンバ大阪

47,188人。この日は関東地方で初雪が観測されるなど一気に冷え込み、あまりいい条件ではありませんでしたが、当日券の販売がないところ迄前売り券が捌けていたにも拘わらず、5万人いかないか。今季限りで退団するDF森脇良太、GK岩舘直を勝利で送り出すことも叶わず、シーズン終了の立花洋一代表の挨拶では大きなブーイングが浴びせられました。J2降格争いに巻き込まれるほどの低迷に喘ぎ、最終節迄に得失点差の関係で現実的には残留を決めたものの、最終節も勝利で飾れなかった。まるっきり2011年の状況に酷似してしまいましたが、当時の橋本光夫代表の挨拶が殆ど聞き取れないレベルの大音量のブーイングでかき消されたのに比して随分おとなしめ。最後は代表辞任を求めてゴール裏に何時間も居座るなど、当時の振る舞いも決して褒められたものではありませんが、指摘され続けている客離れ、サポーターの高齢化といった課題を如実に突きつけられたようで、事態は尚のこと深刻です。

前半はガンバの練習相手ですか? というくらいやりたいようにやらせっ放しでした。興梠慎三に家族の不幸があり急遽欠場となったため、マルティノスを本来のポジションではない1トップに入れたり、青木拓矢と柴戸海でダブルボランチを構成するなど、慣れないシステムだったせい…でもないな。結局のところ、ピッチ全体を俯瞰できるプレイヤーが阿部勇樹しかいないという根本的な問題。中村俊輔は縦列駐車する時「こんなの、上から見ればいいんですよ」とこともなげに言うらしいですが、実際には平面上の視野しか確保できない中で、全体図をイメージしてバランスを取ることができるのは、相当程度天性によるのでしょう。その中にあって、チェスの盤面を見下ろすように監督が差配する駒として、システマチックにプレイヤーが連動する横浜マリノスがリーグを制したことは、モダンフットボールの一つの帰着点ではあります。イビチャ・オシムさんの「考えて走る」サッカーとは異質だけど。

浦和の場合、「ボールを持ってから考える」ので、判断が遅れて間合いを詰められてしまう問題を抱えます。あれだけ囲まれているのに簡単にボールを失わないのだから、個々のプレイヤーの技量はあるんです。パスコースが見つけられないだけ。この日も連動性は0。苦し紛れに出したボールはあっさりガンバのプレイヤーに渡り、一気にゴールに迫られる繰り返しだった前半から、後半はよく建て直したわ。ハーフタイムに修正をきっちり施したゲームは複数あり、スカウティング能力に優れた大槻毅監督の面目躍如ですが、何故最初からできんのだ? 流石に45分しか自分たちのサッカーができないのでは、この順位も宜なるかな。

FW杉本健勇が投入されたのは81分。アル・ヒラルとのACL決勝でもビハインドを背負った中での出場でしたが、悉くハイボールに競り勝つ高さを見せつけました。とは言え、彼の本来の持ち味はポストプレーではなく相手DFとの駆け引きです。この日も絶えず上下運動を繰り返し、味方がボールを奪ったタイミングで裏のスペースに抜け出しますが、ボールが出て来ない。だから杉本一人の問題ではなく、チームとして機能してなかったのよね。興梠にアクシデントが起きた時、ファーストチョイスが彼ではなかった、信頼を勝ち取ることができなかったという点にこの1年の問題点が凝縮されています。

何はともあれ、今シーズンは終わり。最終節翌日には、大槻監督の続投が発表されました。浦和の抱える大問題は、ミシャにしろオリヴェイラにしろフィンケにしろ、実績ある監督を他所から迎えると全権監督となってしまい、いなくなった途端、チーム作りを一からやり直す羽目に陥ること。「短期的でなく、中期的なコンセプトに立ってチームを成長させていくのに最適な資質がある」この判断基準の下に大槻さんを選んだのなら支持します。後は、ちょっと結果が出ないからといって、4月5月に解任するのやめてね。

画像1

ありがとう、森脇、岩舘

画像3

この日は企画シート「限定焙煎☆浦和珈琲シート」で観戦。非売品のマグカップやドリップパックが入ったお土産袋を頂き、鞄に押し込んで帰宅したら、お茶請けに付いていた「浦和のうさぎ饅頭」が見るも無惨に押し潰されていました(。・ω・。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?