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旅の軌跡[No.2]

 2021/12/5~6
 一泊2日で山形に行った。行きは夜行バスで帰りは新幹線を使った。お金節約のために行き帰り夜行バスで目的地に向かうことが多いが、毎回、帰りの夜行バスがキツいので、今回は新幹線にした。

 早朝に山形駅に到着して、まずは温泉に入った。このスーパー銭湯テルメは水風呂の水温が3℃ということで、自称サウナ―としてもぜひ行ってみたかった場所だ。かなり大きな施設で、内風呂も露天風呂も充実していた。ととのい椅子が少なかったことがネックだったが、朝から整うことができてよかった。

 その後、レンタカーを使い酒田市に向かった。片道約2時間半かかった。道中で山を越えるのだが、雪が積もっていて、季節を感じることができた。

 酒田市の市場に行って、まずはマグロ丼を食べてから、山居倉庫に向かった。

 米どころである庄内は昔、米の保管をするために倉を立てて保存していたらしい。その倉庫の一つがこの山居倉庫で、今も米倉として使われているらしい。まさに歴史を感じる時間であった。納得できる写真を撮ることができて大満足だった。

 車に乗り込み、メインの銀山温泉に向かった。
 銀山温泉は千と千尋の神隠しのモデルとされていると言われていて、まるで異世界に来たような感覚だった。

 悔いの残らないように時間の許す限りシャッターを切った。その日の最低気温は−3℃だったが、そんなのお構いなしでひたすら撮影に励んだ。

 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。その時間はとても貴重で、かけがえのないものだった。ベストな構図を探し、その位置で三脚を構え、シャッターを切る。シンプルなことだが、その一つ一つの行為にセンスが試され、いい写真になるかどうかが決まる。

 シャッターを切るまでに真剣に悩み、考える。たった1枚の写真に全身全霊を込めて挑む。そんな時間を与えてくれるのがカメラの魅力だと感じた。

 シーズンに銀山温泉に泊まるには何ヶ月も前から予約しなければならなかったので、残念ながら宿泊することができなかった。他のホテルに泊まることも考えたが、結局は車中泊をすることになった。
 もちろん質の良い睡眠をとることはできずに2日目の朝を迎えた。

 2日目はまず、西蔵王公園に向かった。

 展望台からの景色はまさに絶景だった。朝早かったこともあって雲海のような霧が出ていた。清々しい朝を迎え、最後の観光スポットに向かった。

 その場所の名前は山寺。1015段の階段を登って山頂を目指す。疲労困憊の中、最後の力を振り絞って登り切った。

  切り立った崖の上に佇む寺。なんとも異様な光景であり、神秘的だった。開放的な景色を身体全体で感じ取り、目に焼き付けた。

 一泊2日とは思えないほど色々な場所に行って写真を撮った。帰ってきた時はどっと疲れが押し寄せてきて、すぐに眠りについた。今回は旅行だった気もするし、旅だった気もする。素晴らしい時間だった。


 旅は自分と向き合うことができる。とは言っても旅行の時に過密日程になって結局旅みたいになることがほとんどで、旅をしようと思い立って家を出たのは後にも先にも『旅の軌跡[No.1]』で紹介した一人旅のみである。

 それではなぜ旅の軌跡という題目の元で記事を書こうかと思ったのか。それは旅と旅行という似て非なる2つの言葉をどうやって分ければいいのか考えるきっかけになればいいと思ったからだ。

 旅と旅行の定義は人それぞれ違う。だからこそこの記事を通して一個人としての価値観を提供したいと思う。賛否両論あると思う。むしろ賛否両論してほしい。先にも言ったように考えるきっかけになればいいと思っているからだ。
 無意識のうちで言葉を使い分けるのではなく、自分なりの定義を持って使い分けることが日本語を使う私たちにとって大切なことだと思う。

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