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音楽を着る

 よく街中でイヤホンを付けている人を見かける。電車に乗っている時も、道路を歩いている時も耳の穴は塞がっている。

 そのイヤホンを付けている人は音楽を聴くために装着するのが基本だと思うが、僕はその考え方にもう少し多様性があるのではないかと思う。それは、音楽を聴くという理由だけでなく、ファッションの一部として装着するという理由もあるのではないかと考える。

 音楽を聴くという根本的な考え方は変わっていないと思うが、イヤホンの技術が進歩して安くて高性能なものが増えてきたおかげで、ただ音質がいいとか、長持ちするとかの機能的面を考慮するだけでなく、ルックスも意識してきていると思う。

 街中で堂々とイヤホンを付けられる人はファッションセンスが高いことと関係があるのかもしれない。そのファッションの中にイヤホンも含まれているのではないかと思う。

 そのファッションとしてのイヤホンを付けるために音楽を聴いている人もいるかもしれない。音楽が聴きたいという感じではなく、ただ惰性で聞いている可能性も存在する。耳が寂しいから音楽で紛らわせるように。

音楽を聞いているけど、聴いてはいない。そんな感じがする。それよりも音楽を聞くことで、ある種の安らぎを得られるということはベールを纏っているというか、音楽を身に付けるというか何というか。

 言語化するのは難しいけどイヤホンの用途に多様性を感じるということが伝わってほしくて綴ってみた。

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