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コピ•ルアクから学ぶ

 コピ•ルアクとはコーヒーのことで100g1万円まで高騰したという有名な話がある。インドネシアに生息するジャコウネコの糞から採取できる生豆を使っていることから貴重性があり、それが今ではブランド化して人気を博している。

 何がすごいのかというと、その生豆の取り出し方にある。コーヒーの実は硬い殻に覆われている。その殻を取り除かなければ豆を上手く挽けないので天日干しにして取り除くナチュラルと、水を使って取り除くウォッシュドの大きく2種類に分けられる。特にウォッシュドは今日でも主として用いられており、コピ•ルアクのような排泄物から生豆を取り出す方法は例外中の例外と言える。

 ここでジャコウネコ以外でも生豆を取り出せないのかという疑問が生じる。先人もこの考えを持っており、鳥や他のネコにコーヒーの実を与えるという行為が盛んに行われた。しかし、ジャコウネコは美味しいコーヒーの実を好んで食べる習性があることや、消化能力、食べ方など様々な観点からジャコウネコより優れた生豆の取り出し方はできなかった。

 こうしてジャコウネコが一人勝ちをしてブランド化に漕ぎ着くことができた。もし、他にも色々な動物でも生豆を取り出せたらここまで価値は上がらなかったと思う。偶然による発見かどうかは分からないが、その気付きが莫大な資金源となった。

 他のものと差別化できて、かつ希少性が高く、奇想天外なことこそがこのコピ•ルアクの魅力である。


 『糞から取れるコーヒー豆』として有名な話だが、そこから一歩発展させてみることでよりコクが深い味わいになる。

 そんなことを思いながら今日も僕はアイスコーヒーを飲んでいる。

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