夏を汲む【詩】


夏を汲む

空は青く
わた雲を連ねる
夏の空
梅雨はまだ
開けの報せを持ってこず

空仰ぐ向日葵に
夕立雲が影射して
ひとしきり雨を振らせて
夏の暑さを垣間奪い去る

蝉が鳴く
足速に命を散らして
天を見据える
風鈴を夏の風が一瞥していく

力強い青と白のキャンバス
痛々しいほどの熱気に
私の言葉は飲み込まれ
不平のない空に彩色はしない

朝顔は夜に融けゆく
夢も現も
宵に紛れて
夜空の月が静かに受容する


季節の中で夏が1番好きだ。
春や秋ほどセンチにならない…冬ほど重くない
夏は透き通っていて私の気分を透過していく。
きっともうすぐ梅雨が開けて本格的な夏が来る
だから夏を全て注ぎ込んどいた。
                                                                 古城零音


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