レインボーバレンタイン表最終

「レインボーバレンタイン」への思い


私が、「レインボーバレンタイン@らぷらす」の企画の一人としてこのイベントを進めていくにあたり、私の個人的な思いを書いておこうと思います。

ことの始まりは、昨年11月の、世田谷区の女性起業家が集うイベント、起業ミニメッセへの出展でした。

メッセ当日はPTAの会議や学校の会議が重なり、昨年に続き今年も自分のブースを出展不可能だったので、今年は、起業女子部イヴの木にて共同出展、という新たな形を選びました。
そこで出会った、共同ブースのメンバーの一人、藤本加奈さんは、トランスジェンダーの方のドキュメンタリー映画の広報をしている、とのことでした。
なぜそのような仕事を始めたのか?と尋ねた答えが、とても素晴らしく、しっくりくるものでした。すごい人だなあ、と思いました。

そのころの私は、昨年7月に、世田谷区の青少年地区委員研修にてLGBTについての講演を聞いた程度で、確かに性的マイノリティの方が社会で生きていくのには生きづらさがあるかもしれない、とは思ったものの、実際に身近に困っている人を知っているわけでもないし、それほど差し迫って、今すぐ自分が行動しよう!とまでは思っていませんでした。

一方で、起業ミニメッセの共同ブースを成功させようと、起業女子部イヴの木の鈴木(Kei Suzukino)さんと一緒に、いろいろアイディアを練りました。

鈴木さんは、起業ミニメッセで2回ほどご一緒していて面識はあったものの、一緒に何かを企画するというのは今回初めてでした。それが、共同ブースが始まってみると、まるで40年来の友人のごとく息が合い(初めて会ったひとにも40年来の友人のように接するのは彼女の特性らしいですが)、共同ブースの他のメンバーを次々と巻き込んで、楽しい企画を練り、実行することができました。

11月、起業ミニメッセの振り返りの会にて、女性起業家の仲間の皆さんの中から、このレインボーバレンタインの企画が持ち上がりました。
そこで私は、いつの間にか、鈴木さんから主要メンバーと位置づけられ、出展者のブースを取りまとめる役割を割り当てられていました。

この人は、なんと人を巻き込む力が強いんだ!!
こんな「巻き込み力」をもった人は今までに会ったことがない、と驚くとともに、一緒にやっていきたいと思いました。

その後、怒涛のスピードで企画が進んでいくにつれ、日頃の忙しさの中でも、いつの間にかこの企画に時間を割いている自分を発見することとなります。

なぜ私はレインボーバレンタインをやっているのか?

私には、100%自分の中だけから出てくる動機は、あまり多くありません。
たいていは、身近な人が何かをやっているのを見て、共感し、形を変えながらやがて自分のものになっていくというパターンです。

思えば、今私が陸前高田の復興を応援しているのも、はじめは、陸前高田出身の少林寺の先生が熱心に活動されているのと、それを見て一緒に活動し始めた夫をバックアップしようというところからでした。
復興を応援する活動を続けていくと、現地でいい商品を製造されている方々とご縁がつながり、また陸前高田を訪れ復興の様子を見ている中で、自分と関係ない土地とは思えなくなっていきました。いまでは第二の故郷として、年に1回の訪問(帰省?)を楽しみにするまでになっています。

私にとっては、始めるきっかけは何でもよいのです。
「力になりたい」と感じる人と出会い、一歩踏み出したときに、その活動が自分に関係のあるものとなり、やがて自分の中に動機が形成され、膨らんでいきます。

このイベントの場合、私の中のきっかけは、一緒に企画をしている鈴木さん、藤本さんの情熱と、ともにイベントを成功させようとしている女性起業家仲間の皆さんの思いです。

企画を始めてから、LGBTというワードが自分の中で重要度が上がり、急にLGBT関連のニュースや話題がたくさん飛び込んでくるようになりました。
(人の脳には、世の中にあふれる情報から自分の関心事を抽出できる機能が備わっています。この機能があるから、情報過多の社会においても、人の脳はパンクせず、口から摂取するエネルギーだけで足りているのです。)

また、企画を進めていくにつれ、自分の役割もだいぶ見えてきました。

私はPTA会長になる前に、せっかくの機会なのでその後も継続的に地域の役に立ちたいと思い、防災士の資格を取りました。
その後、障害のあるお子さんを持つお母さん方のコミュニティで、地震や避難所生活に対する不安などを伺いました。伺ってみると、なるほど、それは確かに困るだろうと思いました。全体に対して人数は少なくても、本当に困る人がいる。
こういう小さな領域を丁寧に見ていくことで自分が活躍できるかもしれない、と、漠然と今後やりたいことが見えてきました。

例えば、避難所運営には名簿の作成が欠かせません。イベントを企画しはじめてから、防災士のテキストを改めてみましたが、性的マイノリティに配慮するように、と書かれている一方で、名簿には性別を書くこと、女性用更衣室を設ける、等々、やはり避難所運営は、性別が男と女という前提になっている気がしてなりません。

そのようなことと、今回のイベントが結びつき、私にとっては、新しい人たちに出会い、自分の枠を広げることになりそうだ、という気持ちが出てきました。

これまでの人生で、性的マイノリティの方と親しくなる機会があまりなかった(と思っているだけかもしれない)私のような方々が、出展者や参加者としてこのイベントに関わり、LGBTのアライ(理解者)になること、そして、その輪を広げていくことができれば、社会を変えていく後押しになるかもしれないと、今では思っています。

また、女性起業家がLGBTの方々を支援する、という企画ではなく、どなたも一緒に楽しもうよ、という企画であるところも、とても気に入っています。

女性も、障害者も、性的マイノリティも、そうでない人たちも、社会に生きている様々な人たちの中の一人であり、等しく快適に楽しく生きる権利をもつ、それが当たり前の社会を目指したいです。

そのためには、一人でも多くの方にこのイベントのことを届ける。
そして、楽しく有意義なイベントにする。
今はそんな気持ちで、準備期間を夢中で過ごしています。

私が過去に企画運営してきた小さなマルシェとは違って、今回のイベントは規模も大きく、関係者も多岐にわたります。
初めてのことばかりですが、一緒に進めている仲間のみなさんのおかげで、毎日とても楽しく、充実した日々を過ごしています。

2月11日は、いろんな人たちの思いがいっぱい詰まった、
レインボーバレンタイン@らぷらすに、皆様ぜひお越しください!

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