『新入社員』としての仕事と『私』に期待されている仕事

今年の4月から会社員として働きはじめて、早いもので今年が終わりそうです。

ふたりの『私』

色々訳ありではありますが、新卒で入った会社で現在新規事業部の立ち上げをしています。


人員は、私・社長 のみ。


先輩がいるわけでもない、教えてもらえる業務はひとつもない。自分が大学で学んできたことが武器のすべてです。

私の知見ひとつで、事業の方向性が変わる。

それはすごくやりがいがある反面、あまりにもプレッシャーに押しつぶされそうになることが多い。


ここまでなら、東京なんかではよくあるスタートアップの会社に就職した話でしょう。

わたしと彼らの唯一の違いは、私の会社の本業は60年近く続く、昔ながらの日本企業であること。


つまり

『私』として、大学で学んだ専門知識をビジネスに変えるというクリエイティブな仕事をこなす一方で

『新入社員』として、昔ながらの企業にあるお茶くみや雑務、他の社員の前での立ち振舞いや飲み会でのマナーが求められるのです。


どっちかならきっとすぐに割り切れたのだと思います。必要とされる『私』は一人でいいから。

でも今は、『二人の私』が求められるのです。そしてそれが何より辛いのは、自分への言い訳ができてしまうことでした。


『私』の言い分

朝・昼・夕のお茶くみをしているとき。

電話に出ないといけないとき。

窓口対応をしているとき。


私より数年早く入った、中途の社員に対して

『やっている業務内容に遜色はないのに、どうして新入社員というだけで私の時間が奪われるの?』

という思いでいっぱいになることがあります。もちろん、先輩たちが、私に一切なにも教えてくれなかったわけではないけれど、

『新入社員』

というラベルだけで、やって当たり前だと思われていることがたまらなく悔しくなるのです。


もっとクリエイティブな仕事を私もたくさん抱えているのに。

一人で事業をスタートさせるという仕事の大変さは変わらないはずなのに。

なぜそのラベルが『私』についているのか。

普段はよくても、どうしても納得がいかないと思うことがあります。


『新入社員』の言い分

なんで必要なのか説明して
プロでしょう?

そんなことを繰り返し言われていると


『入社一年目なのにどうして?』


という感情が抑えきれなくなるのです。


それは本当に一年目の仕事なの?

それは本当に初任給でやらないといけない仕事なの?


やりたい仕事・自分が心から望む仕事をしているはずなのに

そんな言い訳が湧いてくる自分にも嫌気がさす一方、『新入社員なのに』こんなに頑張ってると思わないと立っていられない。という事実もあります。


ふたりの『私』とどう向き合うか

こんなことを悩んでいても、時間というのはあっという間で、『新入社員』のわたしは、すぐにいなくなってしまうでしょう。


それでも、言い訳しないとやっていられないなら、言い訳しながらでもやらないといけないのだと思うし、言い訳だけでできるならいくらでも言い訳しようと思うのです。


そしてふたりの『私』がそれぞれ自立したとき、やっと好月がスタートするのかなとも思います。


そして私だけは、次に入ってくる新入社員にそんなことを思わせないように。いつでも初心を忘れずにいたいとも思うのです。

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