優生保護法について”きょうだい”の方の体験と思い①(60代男性、京都府)

優生保護法について、京都府にお住まいの”きょうだい”の方(60代男性)の貴重なご体験と思いを掲載させていただきます。

掲載にあたっては、

「仲間内で意見交換しているだけでは、世の中は変わりませんからね。年齢を重ねるほど発信の大切さを感じています。」

とのお言葉をいただきました。

ご体験、ご意見等はこちらにお願いいたします。
 

ーーー以下引用ーーー

強制不妊手術について、私の体験したことや思っていることをお伝えしたいと思いました。

妹がこの手術を勧められたことがあった

思い返すと、私の妹も12歳頃(昭和40年頃で私が高校の時)、この手術を勧められたことがありました。

通園施設に通い始めた時で、どこの機関からの働きかけだったのかよく覚えていませんが、将来、生理の介助に負担がかかるからとの理由だったそうです。

私はその危険性など分からず鈍感だったのですが、父は敏感に感じたらしく、すぐに仕事を休んで断りに行ったと後で母から聞きました。

手術を実施された人が後遺症に苦しんでいるとの新聞記事を読むと、妹も同じようなことになっていたかもしれないと思っています。

父は病弱だったこともあって、妹の介助は家族任せのところが多かったのですが、父の判断の正しかったこと、そして親としての思いが強かったことに改めて気づかされています。

それとともに、手術を受けて苦しんでおられる方のことはとても他人事とは思えません。

私の青春時代・・・

妹は小頭症による重度知的障害者ですが、小頭症の原因は分からないままで、きょうだいの私も若い頃から遺伝に不安を感じ、結婚を前向きに考えられないでいました。

逆に結婚のことを重く考えすぎてしまい、自分から人生を狭くしてしまっていました。我ながらとても悔しく思っています。優生思想は私自身の大きなテーマでもあります。

優生思想・・・

優性思想が提唱された頃は、進歩的な人たちがむしろ積極的だったと本で読みました。ですが、その後の歴史を振り返ると、ナチスの虐殺や不妊手術など、生まれて来た障がい者に多大な人権侵害を及ぼして来た現実があったことを我々はもっともっと知らなければなりません。

そして、この問題をもっと啓発しなければ、優性思想は根絶出来ないのではないかと思います。

今後の裁判の成り行きに、きょうだいの立場からも注目しています。

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こちらの記事の内容は、Sibkotoシブコト障害者のきょうだいのためのサイトでも掲載していただいています。

「青春時代の大事な時期を、優生思想によって重く支配されていたと思うと、とても悔しいです」の言葉に私も強く同感です。

結婚できるかどうか・・・なんて悩みにエネルギーを使わずに、もっと勉強や他のことを頑張れば、楽しめばよかったと私自身も悔しいです。

きょうだいが結婚できるかどうか・・・なんて悩まなくていい世の中に少しでもしたいです。


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