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上手に評価制度を運用するコツって?②

評価を上手に行う技術を上げる

評価制度の運用に不可欠なのは、「評価制度の知識」ではありません。評価制度の目的や無いように関しての知識はもちろん必要なのですが、「運用」するには他者を「評価」するための技術が必要になります。管理職自身が「評価をおろそかにしている」「面談をきちんとやらない」という指摘よりも、「管理職が上手に評価するための技術」(または手法)を提供したほうが非常に合理的です。必要な技術とは・・・

①「行動」を観察する(見る)
書類等の成果物に関しての良否は得意な方も多いと思いますが、その判断・指摘だけでは、部下を成長させるための評価とはいえません。「どのように実行しているか(したか)」を理解することが部下への指導の根拠となります。それに掛かっている時間はどうか?どのようなやり方をしているか?周囲に協力関係はできているのか?そもそも対応は?など、「行動」を観察する習慣が無いままでは、評価も難しいのは当然です。簡単なところでは、朝の挨拶の「表情」「声の大きさ」など、相手の行動を観察して、「相手の状態」を確認することから始めてみてはいかがでしょうか?そもそもサービス業である自治体の業務ですから、職場に踏み入れた瞬間から「仕事モード」の笑顔など立ち居振る舞いにチェックはされていると思いますが、あらためて取り組むことで「観察技術」を磨くことができます。

②「人」と「行動」を分けて考える(判断する)
「○○さんは、こういう人」というレッテルは、私たちが短時間でお互いを判断するための「脳の仕組み」のひとつです。しかし、「評価」する場合にはその機能が私たちの邪魔をしてしまいます。評価に必要な考えは、「『行動』が悪いのであって、その『人』そのものが悪いわけではない」というものです。
比較的広範囲な異動の少ない組織ではどうしても「あの人はこうだから・・・」と良くも悪くもお互いをよく知っていることにより、「行動」そのものを客観的に見ることよりも、過去の長い期間の関わりによって評価を誤ってしまうことも少なくありません。「人」ではなく、「業務」に対してのスピード・質などを日常から考えておくことが重要です。「○○さんの業務」という発想ではなく、業務をいくつかの「プロセス(工程)から成り立ったもの」という認識が出来てこそ、はじめて業務を誰でもできるように分解することができます。その先に、初めて「その行動が組織にとってプラスかマイナスか?」という判断が可能になります。

③具体的&肯定的に評価を伝える(言葉で伝える)
最後に客観的に正しい評価をしたとしても、「評価」はあくまでも一定期間の確認でしかありません。
今後に対して部下はどのような思いを持っているか、自分自身が部下に対して持っている期待はどのようなものかを共有し、これからに対して前向きになれるような伝え方をすることが必要になります。正しい評価ができることと、「前向きになれる伝え方」とは全く異なります。このような「人と気持ちよく対話する技術」が評価制度の運用には不可欠です。

評価制度の運用には「知識」ではなく、「人」の行動を観察して、「行動」を判断して、「言葉」で上手に伝える技術が必要です。すごい組織の評価制度を真似するより、実際は「伝える技術」に見合った制度を作り、制度&技術の両輪をステップアップするほうが全体の成果には結びつきやすいです。「制度」に人を合わせるより、「人」に合わせた制度が、評価する人、される人の双方に心地よいはずです。

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