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推理小説を読んで論理的思考力をつける
「論理的思考力を付けたい!どうしたらいい??」
とたずねると、だいたいこんな返事が来る。
プログラミング学習がいいよ!
論理的な人の口癖をまねするといいよ!
英語学習がいいよ!
推理小説を読むといいよ!
ロジックパズルを解くのがいいよ!
どれも効果はありそう。取り掛かりやすさは人によってさまざまだろうけど、個人的に「取り掛かりやすそうだけど、ぼんやりやっても何の効果もなさそう」と感じているのが「推理小説を読む」だ。
名探偵が推理するままにぼんやりと読んだのでは、きっと効果がない。
というわけで、「推理小説を読みながら論理的思考力をつける」やり方を考えてやってみた。
あらかじめお断りしておくと、このやり方はぼんやり読むことが許されないので、とても時間がかかる。
目も手も動かすし、頭も使うのでとても疲れる。
なので、元気なときじゃないとできないのが欠点…と思う。
「事実」か「思いこみか」を区別する訓練
探偵と一緒になって推理しながら読むことが論理的思考力の訓練になる。
というのだけど、それはつまり「事実か」「思いこみか」を区別するということなんだと思う。
ぼんやり読んでいると迷刑事のように推理が堂々巡りしてしまう。
「論理的思考力を鍛えるぞ!」と決意したうえで推理小説を読むなら…
この時点で確実にいえることは何か
その情報から導き出されることは何か
新しい情報によって矛盾することは何か
今述べられていることは「事実」か「登場人物による妄想」か
そう判断できる根拠は何か
少なくともこの5つを意識しながら読む必要がある。
(速読できない読み方なので、とてもとても手間である)
具体的には…
関係者の相関図を作る
関係者の相関図を作りながら、読んでいかないと「あれ?この人誰だっけ?」となってしまう。
推理小説なので、登場人物は限られている。(三国志みたいに永遠に増えたりしない)だいたいの場合はA4一枚に収まるので、めんどくさがらずに書く。
エラリィ・クイーンのように物語のはじまりに「登場人物」が書いてある小説だと、最初に作ってしまえるので楽だ。
登場人物と登場人物の間には書き込みができるように隙間を開けておくのがポイントだと思う。追加情報を書き込みやすいし、「はげ」とか人物の特徴もメモできる。
時系列がわかる一覧を作る
事件発生から解決までの道のりがわかるように、何か発生したら時系列順に整理しておく。
だいたいは計画的な殺人になるので、事件発生前の出来事がメモできるように第一の事件発生を中心にして前後に伸ばせるようにしておくとよい。
いつ発生したかわからないことが出てきたら「正確な日時は不明」のようにどこかしらにメモしておく(けっこう大事)
探偵や刑事が見聞きしたことをメモしていく
登場人物の相関図か別の紙に、探偵や刑事が見聞きしたことをメモしていく。
「ぐちゃぐちゃしてきたな」と思ったら要点だけ抜き出してまとめなおす。
マインドマップツールを使うと途中で情報が追加されてもぐちゃっとしにくいけれど…。パソコンを開きながら本を読むのがストレスな人にはおすすめしない。
考えながら読むことで見えなかったことが見える
紙とペンを使いながら読むだけなのに、目で文字をおうだけの読書よりも得られるものが多い。
「事実か妄想か」に敏感になれるし、探偵と一緒に推理することによって得られる達成感もある。
読んでいるうちに「それって事実?」「本当だとしたら根拠は何?」「なぜそう断言できるの?」と疑問をもてるようになったらしめたもの。
日常にもどったときも「それは事実?感想?それとも妄想?」と反射的に考えるようになる。
(ただし、口に出すと性格が悪くなったといわれるので注意)
考える習慣がつくまで何冊でもやってみるとよい
1冊やったくらいでは、日常的に考えるようにはならないので、「あ、考える習慣がついたかも」と思えるようになるまで何度もやってみるとよい。
3冊くらいやってみると「なんか変わってきたかも」と感じるはず。
おすすめの推理小説
長編推理小説だと疲れ果ててしまうので、文庫本1冊くらいで終わるものが程よいと思う。短編だとすぐ終わってしまうので不適かなと…。
できれば、スマホやインターネットがない時代が舞台の小説がおすすめ。
スマホやインターネットがでてくると一気に複雑になってしまうので、「それは予想の範囲外すぎる」が連続してやる気がそがれる。
それに昔を舞台にしている小説方が殺人に使われる凶器も単純なものが多くて助かる。(舌をかみちぎりそうなマニアックな毒物が出てきたりしない)
推理小説の大家と言われる人たちの小説の方がおすすめ。
最後の3ページで犯人が出てくるようなことがないからね(下手な推理小説を揶揄するセリフで有名だけど、そういう小説に出会ったことはないんだなぁ…)
個人的には、エラリィ・クイーンがやりやすかった。
シャーロック・ホームズもいいけれど、シェイクスピアの引用がたくさんでてきて、好みだったというのもある。
松本清張シリーズもよいかもしれない。宮部みゆきさんが選んだ松本清張の厳選集があったはずで、有名ところが丸っと入っているので手を付けやすいと思う。
面倒くさがらずに手を動かすのが遠回りなようで近道
「学問に王道なし」なんていうけれど、「めんどくさいな」と思いつつも手を動かすのが、なんだかんだ早道なんだと思う。
このやり方は、しっかりメモを取るし頭も使う。娯楽として小説を読んでいるのか、仕事の延長をしているのかわからなくなる瞬間もある。
推理小説を読みながら論理的思考力をつける一石二鳥な楽な方法とはいえないけれど、でも、やってみると確実に何か変化がある。
論理的思考力をつけたい。事実と想像を区別して話せるようになりたい。という悩みを抱えている人で本を読むのが区ではない人は、ぜひチャレンジしてみてほしい。
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