宇多田ヒカルさんとの思いで(あくまで僕の脳内での)
先日、仕事からの帰宅途中、明確に何か嫌なことがあったわけではないにも関わらず不安と機嫌の悪さを感じることがあって。ひょっとしたら気圧が自分と合わかったのかもしれないし、明確には思い出せないけれど何か心には残っている嫌なことがあったのかもしれない。原因がわからないだけに何ともしがたく、気分を変えるために普段よく聞くラジオも止めて音楽を聴き始めた。
Apple Musicを立ち上げて、自分のライブラリの一番上に表示された「そういえばちゃんと聞いてなかった」宇多田ヒカルさんのNEWアルバム「BADモード」。
柔らかい(柔らかいとしか表現の仕様がない)ギターカッティングから4つ打ちが始まり…絶妙なタイミングで宇多田ヒカルはこんなことをうたいだした。
原因不明の調子悪さを抱えた自分を、宇多田ヒカルが耳元で励まそうとしてちょっと悩んでくれているような…そんな言葉が脳内に溢れ、東京メトロの駅構内だったにも関わらず僕は感情が高ぶり、落涙してしまいそうにさえなった。※僕が「いつも優しくていい子」かどうかはともかく
時々こういうことがある。自分のおかれた状況と、流れてきた音楽や言葉が不思議なくらいシンクロしてしまうことが。人生において何度目かのその瞬間、これからあと何回くらいあるのだろう。できることなら、こうやって記録に留めておいて大切な思い出にしておきたい。残念ながらこれまでのことはあまり覚えていないから。
宇多田ヒカルは続けてこんな風に歌う。
これまでいろんな言葉で「愛」が歌われてきたし、最近の中だとスピッツの「大好物」で歌われた「君が大好きなものなら/たぶん明日には僕も好き」というのが最高過ぎた(好きになれるかは正直わからないけど<たぶん>って言うことこそが愛だと思うし、主題歌となった作品の根幹とも繋がるもの)。
そして、この歌詞も新しい「愛」の表現。これまで幾千もの言葉が使われてきてなお、さらにこういった新しい表現が出てくるのだからアーティストの皆さんは本当にすごい。
BADモードに接した時点で大抵の恋は終わるけど、それすらも、そんな時でも会いたくて、好き度変わらないのが…ということなんだろう。恋愛でなくても、推しや好きなスポーツチームに対する想いも同じだと思う。BADモードでも好き度変わらないもののことは、愛してると言っていいんじゃないだろうか。
ここからは余談です(なので文体も変わります)。
実は、宇多田さんには元々思い入れがあって。というのも、直接お会いしたことがあるとかではなく「夢に出てきた」というだけなんですけど(しかも20年くらい前)。
なぜか中学の同級生という設定の僕と宇多田(実際には僕の方が3つ年上です)。同窓会に行った僕に友人が「宇多田も来るらしいぞ」と教えてくれます。忙しいのに来てくれるんだ!と沸き立つ参加者。僕も内心ドキドキしはじめ…
会が始まってしばらくすると「主役は遅れてやってくる」とばかりに「遅れてごめんね~!みんな久しぶり~!」とはじける笑顔で登場する宇多田。もちろんその場の注目は全て彼女に集まり、みんなから質問責めに。
ちょっとそのムードにノれなかった僕は、少し時間をおいてから話しかけてみようと思い、バーカウンターのようなところにいて(ちなみに僕は酒が飲めません)。みんないいな宇多田と話せて…とか考えていたら、しばらくするとそこにやってきたのです、宇多田が一人で。
思いもよらず二人きりになった僕は「おお…宇多田久しぶり」と声をかけ、そこからしばらく二人で話すことになります。何を話したのかよく覚えていませんが、おそらく近況というかアーティストとして忙しく過ごす日常を聞いていたような気がします。
そしてその流れで僕は「宇多田って今付き合ってる人いるの?」と聞いてしまう。夢の中とは言え「お前よく聞くな!?」と今でも我ながら思ってしまうのですが、その答えは(実にあっさり自然な感じで)「ううん。いないよ。」
「そうなんだ。じゃあ僕と付き合わない?」「うん。いいよ。」
この間、わずか5秒。
もちろん「やったーーー!!!!」と内心ガッツポーズし、なぜかTravellingのPV(今で言うMV)の赤いヘアスタイルのとてもカワイイ宇多田を見つめ、ちょっと呆然としていたところ、ふと思ってしまったのです。
宇多田、めっちゃお金持ってるんだろうなぁ…
ここで目は覚めました。驚くほどきっかり、ぱっちりと。
元々夢をあまり見ないほうで、なおかつこういう色恋の夢はこれっきりで。なおかつ相手はあの宇多田ヒカル…ということで強烈に心に残っているのですが、それ以上にお金のことを考えた瞬間に夢が覚めるとはよくできているものだなぁ…と感心してしまったのでした。
余談にお付き合いいただきありがとうございました。
宇多田さんの新作「BADモード」ぜひお聞きください。
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